無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

検察側の罪人

2018-08-31 | 2018日本語映画評


「検察側の罪人」 原田眞人監督 ☓

 雫井脩介原作の小説を、木村拓哉、二宮和也のダブル主演で映画化しました。
 エリート検事最上(木村拓哉)と新人の沖野(二宮和也)は老夫婦殺人事件を担当します。容疑者の松倉(酒向芳)はすでに時効になっている少女殺人事件の重要容疑者でもありました。過去にその被害者の少女とのつながりがあった最上は今回の事件をきっかけに松倉に殺人の罪を償わせようとします。しかし、沖野は犯人は別にいるのではないかと最上の暴走に懸念を抱くのでした。一方、二人の事務を担当している橘(吉高由里子)は「冤罪」になることを恐れますが、それだけではない別のねらいがありふたりに接近していました。それぞれの思いにさまざまな立場の人々がからみ話は複雑になるのでした。
 あれもこれも監督が伝えたい思いのてんこ盛りです。なんとかもっとスリムにまとめられなかったのかと思います。カットしていい場面を全部残してしまったのでしょうか。テーマは今の時代に即しているのに残念です。
 音楽は大変良かったです。特にオープニングクレジットだけで結構満足できます。本編はおまけと思えばまあいいかな。
 タバコは、悪役の大倉孝二が仕事しながら喫煙していました。(☓)
また、山崎努がいつものように煙は出ていませんでしたが、パイプ風の物をくわえていました。おしゃぶりを卒業しない乳児のようでした。
木村拓哉が喫煙しなかったのが大変良かったです。もう中年だからタバコは危険ですね。


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カメラを止めるな

2018-08-30 | 2018日本語映画評


「カメラを止めるな」 上田慎一郎監督 ◯(おまけ) ☆☆☆

 監督、出演者のほとんどが初耳の地味な作品で、制作費も300万円と言われていますが、その斬新な面白さで都内2箇所の上映から100スクリーンを超える全国展開となった話題の作品です。
 いきなり39分ワンカットの長回しゾンビ映画がはじまります。なんとなく素人っぽく途中は「なんだかなあ、どこが面白いの?」という不安にかられるかもしれません。ところが、後半になって「「そうだったのか!」と大感動します。伊坂幸太郎の小説のように予め準備されていた伏線
がしっかり回収され、その展開力はお見事です。その上、映画作りを影で支える関係者の奮闘ぶりが描かれていて映画作りの面白さもしっかり伝えています。陽の当たらない仕事をしている映画関係者のハートをわしづかみにしたのがヒットの元になったのではないかと思います。
 もうひとつのヒットの理由は「もう一度観なければ・・・。」と思わせる内容だからでしょう。
 2018年を代表する作品になるこことは間違いありません。(☆☆☆)
 名前を聞いたこともないような俳優たちがこれほどの演技を見せてくれるということは、日本の映画界の底辺の広さを表した作品とも言えます。出演者を決める時に俳優事務所の意向ばかり忖度せずに実力ある俳優を自由に選べるといいですね。
 タバコは、撮影中に外に出てタバコを吸おうとする場面(ライターをカチカチ)がありましたが、実際に喫煙はせず、喫煙者が多いと言われている映画撮影の作品で無煙でしたのでおまけの◯です。


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ジュラシックワールド 炎の王国

2018-08-11 | 2018外国語映画評


「ジュラシックワールド 炎の王国」 ファン アントニオ バヨナ監督 米 ◯

 「ジュラシックワールド」(2015年公開)の続編です。前作でハイブリッド恐竜の暴走で人間が近づけない恐竜の島になってしまったヌブラル島で火山の噴火活動が活発になります。恐竜を救い出すべきか、自然の判断に任せるべきかと議論され結論はなかなか出ません。パークの元責任者だったクレア(ブライス ダレア ハワード)は恐竜行動学者のオーウェン(クリス プラット)らを伴って救出に向かいます。しかし、そこには金儲けをするためにロックウェル家の資金で恐竜を運び出そうとする武器を持った大群の男たちが乗り込んでいました。対立している間もなく大噴火が始まり命からがら何頭かの恐竜たちと島を逃げ出すのですが、ロックウェルの屋敷は火山より恐ろしいことが渦巻いていました。
 シリーズごとに恐竜の動きや表情が豊かに自然になり、恐竜ファンでなくても「畏敬」してしまいます。それだけでなく「神の領域」にまで科学で侵略している現在のさまざまな遺伝子操作や医療に対して疑問を投げかける社会性の高い作品でもあります。はたして、私達人類は恐竜たちと共生することができるのでしょうか。
 タバコは、なし。無煙です。「名画にタバコはいらない。」ですね。



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未来のミライ

2018-08-09 | 2018日本語映画評


「未来のミライ」 細田守監督 ◯ 東宝

 細田監督自身による原作脚本のオリジナルアニメーション映画です。
 4歳のくんちゃんは妹の未来ちゃんが生まれ、みんなの関心が赤ちゃんにばかり集中するので「未来ちゃん好きくない・・・。」といじけます。そんなおり、不思議なことが起きて中学生になった妹の未来ちゃんが現れます。そして、くんちゃんに繋がる家族の歴史を体験するのでした。
 舞台となっている横浜の時代による景色の変化が丁寧に描かれています。また「電車好きのくんちゃん」にちなんであれこれ鉄道関連の演出があり、鉄道マニアには嬉しいのではないでしょうか。
 「血縁の家族」に対する思い入れが強すぎるという批判もあるようですが、自分が生きているのは誰でも代々の人々の生があったからに違いなく、「自分が今生きていることを大切に」というメッセージとして捉えれば現代的なテーマになるのではないでしょうか。
 タバコは、なし。無煙です。ただ、過去の場面で「たばこ」の看板が一度ありました。「過去の場面」なので「たばこ=過去の物」と解釈できますね。


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ミッションインポッシブル フォールアウト

2018-08-08 | 2018外国語映画評


「ミッションインポッシブル フォールアウト」 
           クリストファー マッカリー監督 米 ◯ NTS

 トム クルーズ主演の人気スパイアクションシリーズの6作目です。
 盗まれたプルトニウムを回収する任務についたイーサン ハントのチームですが、寸前に「アポストル」という秘密組織に奪われてしまいます。奪い返す作戦を立てますが、イーサンを疑うCIAは監視役としてエージェントのウォーカー(ヘンリー カビル)を派遣します。取引が行われるという現場に潜入し、仲介者なるなぞの女ホワイトウィドウ(バネッサ カーピー)と出会いますがはたしてうまく奪還できるのでしょうか・・・。
 車、バイクだけでなくひたすら肉体を駆使して走る走る、その上ヘリコプターの操縦と骨折するほどのスタントシーン・・・。いつものように大活躍のトムです。(1962年生まれですから御歳なんと56歳!)
 トムのアクションだけでなく一つ一つの見せ場のロケーションが素晴らしいです。ロケ現場をそれぞれ字幕で紹介してほしいくらいです。そしてあの名曲のテーマ曲。映画は本当に総合芸術だと納得の作品です。
 タバコは、なし。無煙です。喫煙者が「あの走り」をしたら、命取りになりますね。
 FCTCなどの法令を無視することが「芸術」だと勘違いしている日本の製作者には真似のできない次元の高い娯楽作品です。
 

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劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命

2018-08-02 | 2018日本語映画評


「劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」西浦正記監督 ◯ 東宝

 人気テレビドラマの劇場版です。
 災害や大事故などの緊急の場での医療者の苦悩や成長、そして被害者の人間模様を描いたドラマです。テレビのシリーズを見ていなくても理解できるような脚本になっています。
 フェリーが海ほたるに激突し多数のけが人が出る大事故に合わせ、成田空港でも事故が起きます。藍沢(山下智久)を中心に白石(新垣結衣)緋山(戸田恵梨香)らがドクターヘリで現場に向かいます。彼らの奮闘ぶりだけでなく被害者それぞれのドラマのひとつひとつに社会が抱えている大きな問題が垣間見えます。そのあたりが丁寧に描かれ内容はなかなか充実しています。その上、藍沢が怪我までしてしまい、意識不明となり、結婚式を控えた仲間たちを含めはらはらするのでした。
 あれこれてんこもり過ぎるきらいはありますが、伝えたい思いは強く伝わってくるのでまあ良いでしょう。「働くひと」が主人公の作品に中高生がたくさん見に来ているのは結構なことです。隣の席の中学生の女の子が「看護師になりたいけど血が怖いから迷っている・・・。」という声が聞こえましたが、乗り越えて看護師さんになってくれるといいなあ、など思いました。
 ひとつ気になったのは、ラスト近くのセリフに「外人」と言ってましたが「外国人」の方が良かったですね。
 タバコは、なし。無煙です。無煙映画賞候補作


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