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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「愛を耕すひと」

2025-03-27 | 2025映画評

「愛を耕すひと」 ニコライ アーセル監督    ◯ デンマーク、ドイツ、スウェーデン合作 

 デンマークの18世紀の開拓史の英雄を描いたイダ ジェッセンの事実に基づく小説を映画化しました。

 貧しい退役軍人ケーレン大尉(マッツ ミケルセン)は貴族の称号を得るため、荒れ地の開拓許可を国王から得ます。しかし、近隣の貴族フレデリック(シモン ベンネピヤーク)はあらゆる手段で妨害をするのでした。フレデリックの屋敷から逃れてきたアン バーバラ(アマンダ コリン)やタタール人家族から逃れてきた少女とともになんとか厳しい自然とフレデリックの嫌がらせに立ち向かうのですが・・・。

 階級差別が色濃い時代の横暴で破廉恥なフレデリック役をベンネピヤークが見事に演じています。地味で信念がある働き者のケーレンを演ずる無骨な印象のミケルセンとわかりやすい対称となりました。悪役がうまいと主役もより映えます。

 原題は「BASTARDEN」は私生児、庶子、ろくでなし、を意味するデンマーク語ですが、直訳だとお客さんはたじろぎますね。日本語タイトルは甘すぎるけど行きがかり上の家族を大切にしているからまあいいかな。

 タバコは、なし。無煙です。


「35年目のラブレター」

2025-03-21 | 2025映画評

「35年目のラブレター」塚本連平監督 ◯ 東映

2003年の新聞で紹介された記事を元に創作落語になり、今回はオリジナル脚本で映画化しました。

 寿司職人の保(重岡大毅)は子どもの頃の家庭の事情で学校に通えず成人しても読み書きができません。寿司職人の道を目指し、理解ある親方と出会います。そして縁談の話があり咬子(上白石萌音)と結婚をします。しばらくしてやっと自分が読み書きができないことを打ち明けその後妻が夫の手となるのでした。

 35年が経ち保(笑福亭鶴瓶)は退職し、妻(原田知世)に感謝のラブレターを書くため夜間中学へ通い始めるのでした。

 戦後の混乱期には満足に教育を受けられなかった人も多く、大人になってから学び直すことができる夜間中学は教育の原点ともいえるでしょう。現在は様々な理由で学校に行けない子どもたちの居場所にも、また外国人の日本語学習の場としても充実した教育の場になってほしいものです。中学校の教師役安田顕、咬子の姉役江口のりこが脇を固めています。

 タイトルの甘さにちょっと二の足を踏んでいましたが、夜間中学の啓蒙映画として興味深い作品でした。

 タバコは、なし。無煙です。