無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

アバウト・レイ 16歳の決断

2018-04-27 | 2018外国語映画評


「アバウト・レイ 16歳の決断」 ゲイビー デラル監督 米 ☓!

 トランスジェンダーのレイ(エル ファニング)が16歳の誕生日を機にホルモン治療をしようと決断しますが・・・。
 祖母(スーザン サランドン)はレズビアンで女性のパートナーと仲良く暮らし、母マギー(ナオミ ワッツ)は訳ありのシングルマザー、そしてひとり娘は息子になろうと治療の承諾書へサインをせがみます。マギーは理屈では理解していても「あの可愛かった娘」を失うことにはどうしても決心が付きませんでした。そんな中でレイの父親を16年ぶりに訪ねます。そしてそこでもまた別の問題が起きてしまいます。果たしてレイの願いは叶うのでしょうか。
 エル ファニングが少年役を好演しています。彼女は実年齢に似合う「その時しかできない役」に恵まれた稀な俳優です。原題の「3世代」のとおり母親、祖母、それぞれが絡み合った家族のもめごとをコメディタッチで描いたのはさすがです。ただ「リトル・ミス・サンシャイン」のおもしろさには今一歩でした。古いアパートやポンコツ車が脇を固めていましたが。
 タバコは、スーザン サランドンが数回喫煙しました。(☓)また、ナオミ ワッツも喫煙しようとしますが手にするだけでした。「禁煙したんじゃないの?」など禁煙関連のセリフも数回ありました。


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犬猿

2018-04-26 | 2018日本語映画評


「犬猿」 吉田恵輔監督 ☓☓!

 性格や行動が異なる兄弟と姉妹それぞれの葛藤を描きました。吉田監督のオリジナル脚本です。
 印刷会社の営業をしている和成(窪田正孝)は真面目に働いています。人のいい父親が被った借金の返済を毎月していました。一方、兄の卓司(新井浩文)は乱暴者で服役していて、今日出所してきたのです。
 また、和成が営業で訪れる印刷会社には病気で倒れた父親に代わって社長の仕事をこなす由利亜(江上敬子)と、顔は可愛く巨乳が魅力の妹の真子(筧美和子)が和成を巡って姉妹のトラブルになっていました。性格は真逆なようでいて結構似たところもある、大嫌いだけど放おっておけない兄弟姉妹をコミカルに描きました。
 収穫は江上敬子の怪演です。(幼いころを演じた子役も良かった)「一人ダンス」は「2018日本映画名場面賞」(そう言う賞があれば、ですけど)確実です。新井浩文の傍若無人ぶりも板についています。もしかして本当にああいう人なのと思えるほどの名演技でした。
 また、冒頭別の映画の「予告編」が始まり、観客は一瞬「あれっ?」と思わされますが、それも監督の演出の一つで、あとになって笑えます。吉田監督の「キラキラ映画」が観たくなるかも。
 タバコは、新井が禁煙している弟の部屋で喫煙(☓)。その後「どうでもよくなった」弟の窪田もなぜか喫煙してしまいました。(☓)
 タバコの消し忘れによるボヤ騒ぎがあり、タバコのマイナスイメージの場面もありました。放火を除くとタバコが火災の原因のトップです。
 映倫へお願い。タバコの吸殻をビールや缶コーヒーなどの容器に入れる場面がある場合は「決して真似をしないように」というテロップを入れるよう指導してください。

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ペンタゴン ペーパーズ/最高機密文書

2018-04-17 | 2018外国語映画評


「ペンタゴン ペーパーズ/最高機密文書」
               スティーブン スピルバーグ監督 米 ☓ NTS ☆☆

ベトナム戦争当時の秘密文書が、反戦気運が高まる1971年新聞社に持ち込まれます。掲載すべきか女性の社主(メリル ストリープ)が判断を迫られます。
 現実は泥沼化し勝利などあり得なかった66年当時のベトナム戦争について、「後ひと押しでなんとかなるから」といった虚偽の報告書を作成し国民を騙していたという機密情報をニューヨークタイムスが報じます。一方、ワシントン・ポスト社も負ける訳にはいかないと編集主幹のベン(トム ハンクス)は情報探しに奔走します。なんとか手に入れたものの、もし、掲載すれば裁判になって会社そのものがなくなるであろうと危惧され役員の多くは反対します。急死した夫に代わって普通の主婦だったキャサリンが社主としての判断を迫られるのでした。
 アメリカも日本も新聞社が権力に抑え込まれようとしている今だからこそ、記者魂、新聞社の存在価値を問いただす秀作です。(☆)新聞記者だけでなく関わるさまざまなスタッフの当時の仕事を紹介し「新聞業界賛歌」の作品でもあります。(☆)
 ネタバレになりますが、当時の男社会の中で穏やかに奮闘するキャサリンをメリル ストリープが名演しています。
 「地獄の黙示録」風の冒頭が印象的です。
 タバコは、何回か出てきますが、(☓)NTSです。


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ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男

2018-04-17 | 2018外国語映画評


「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」 
              ジョー・ライト監督 英 ☓☓☓

 米アカデミー賞主演男優賞受賞より日本人が受賞した特殊メイク賞で有名になった作品です。
 ヒトラーの勢いがフランスに及びいつイギリス海岸に侵攻してくるかという瀬戸際で前首相は解任されます。そこで貧乏くじを引かされたのが嫌われ者のチャーチル(ゲイリー オールドマン)でした。イタリアのムッソリーニを仲介に和平合意をしようという大方の流れの中で、彼は「言葉を武器」に周囲を説得し、「徹底抗戦」を唱えます。果たして国民の理解は得られるのでしょうか。
 その後、数年に渡って空爆を受けたことを歴史上知っている現代人としては本当にその判断が正しかったのかは疑問が残ります。また、男中心の議会で政治のことは男が牛耳っていた時代をよく表しています。しかし、最も人間的なのはチャーチルの妻や秘書の女性たちでした。
 特殊メイク賞に文句はないけれど、どんなにメイクをしても「ゲイリーはゲイリーです。」
 タバコは、チャーチルといえば葉巻がつきものなので多くの場面で葉巻が登場していました。(☓☓)興味深いセリフに妻から家計が厳しい、と言われ「葉巻を一日4本に減らす。」と答える場面がありました。
 エンドロールで「タバコについて」の但し書きがありました。英語力不足のためよくわかりませんが「受動喫煙などにも気をつけました・・・。」みたいなことが書いてありました。
 ポスターに葉巻とその煙がしっかり映っているのは問題です。


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トレイン・ミッション

2018-04-13 | 2018外国語映画評


「トレイン・ミッション」 ジャウム コレット=セラ監督 米英 ◯ ☆

 定年間近に解雇された主人公が、通勤列車の中である「仕事」を提示されます。報酬に魅せられ手を付けてしまった「仕事」は大きな犠牲を払うものになってしまいます。果たして無事列車を降りることができるのでしょうか。
 マイケル(リーアム ニーソン)は解雇されたことを妻には言えずいつものように通勤電車で帰路につきます。見知らぬ女が現れ「乗客の中からある人を見つけ出すように」と言われ多額の報酬が約束されます。お金が必要な現実がマイケルを動かし、報酬の一部を手にしてしまいます。その次の瞬間からマイケルは大事件の只中に投げこまれてしまうのでした。
 列車の中という密室サスペンスです。元警官の判断力と腕力を駆使して乗客を無事に守ろうとするマイケルが大活躍します。60歳と言いながらもあっぱれです。予想外の黒幕がなかなか尻尾を出さず、面白くしています。
 マイケルの日常をサラリと巧みに説明してしまう冒頭のオープニング・クレジットとスタイリッシュなエンディングクレジットも見どころです。(☆)
 タバコは、なし。無煙です。


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レッド・スパロー

2018-04-13 | 2018外国語映画評


「レッド・スパロー」  R15+ フランシス ローレンス監督 米 ☓ 

 「スパロー」と呼ばれる心理作戦に長じたスパイの騙し合いサスペンスです。
 ドミニカ(ジェニファー ローレンス)はボリショイバレー団のプリマでしたが、舞台で大怪我をし、バレーを続けることはできなくなります。病気の母と生活のため諜報機関に務める叔父が勧めるままスパイ養成所に入ります。個人のプライドや感情を完全に押さえ込んでスパイとして育成され、あるミッションを与えられるのでした。
 アメリカCIAのスパイとの騙し合いや、ロシアの幹部との騙し合い、など複雑に絡まっていて「どっちの味方なの?」と思う場面もありますが、実は黒幕は・・・。予想外の展開となりました。
 冒頭の黒が主体の森の中の場面と、バレーを踊る赤い場面との交互の展開が物語へ期待して入り込む効果を発揮しています。
 スパイはつらいですね。
 タバコは、スパイなのに喫煙者です。(☓)「タバコ臭い」と言われますが、やめられないようでした。ハニートラップの訓練より禁煙指導を受けたほうがいいのではないでしょうか。


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娼年

2018-04-11 | 2018日本語映画評


「娼年」 R18+ 三浦大輔監督 ◯

 石田衣良原作、舞台化と同じ三浦と松坂桃李のコンビで映画化しました。
 大学生の領(松坂桃李)はバイト先のバーで娼夫を斡旋しているクラブの女性と出会います。「試験」にすれすれ合格し、娼夫としてデビューします。さまざまな女性の欲望と向き合い、評価されることで領は自身の才能に気付き真っ当な娼夫となるのでした。
 青年の成長物語ですが、娼夫ということでセックスシーンが懇切丁寧に描かれ、かつて「人のセックスを笑うな」という作品がありましたが、ついついおかしくて笑ってしまいそうな場面もありました。女性が不愉快にならないR18+の作品というのはそれだけでも価値があるかもしれません。松坂桃李はじめ出演者の皆さんお疲れ様でした。
 タバコは、なし。無煙です。さすがプロのバーテンダーであり娼夫です。


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ダンガル きっと、つよくなる

2018-04-11 | 2018外国語映画評


「ダンガル きっと、つよくなる」 ニテーシェ ティワーリ監督 インド ◯

 レスリングで金メダリストになりたかった父親が娘にその夢をかけ強引にレスラーにしてしまう物語です。
 生活のためレスリング選手の夢を諦めたマハヴィル(アーミル カーン)は息子にその夢を託そうとしますが娘しか生まれず、諦めかけていたある日娘が男の子と喧嘩をして勝って帰ってきたのです。そこで女子でもいいではないかと娘二人への特訓が始まるのでした。
 娘は家事を手伝い14歳になったら親が決めた男と結婚すれば良い、という男社会への反発が一つのエネルギーとなります。また、最終盤「インドの虐げられた女性たちすべてのために戦え」という励ましもインドならではでしょうか。(実はどこの社会も似たようなものですが)
 父親の夢を押し付けているという抵抗を差し引いてもレスリングの面白さがよく表されていて思わず手に汗握って応援してしまいます。また、インド映画らしい踊りの場面が結婚式の場面で賑やかにありいっしょに踊りたくなります。
 また、ナショナルチームのコーチと父親との指導の違いなど、今の日本のレスリング協会を彷彿とさせどこも同じような問題があるようです。

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