ヒスバナアラカルト

香西善行の雑記ドコロ
諸々の感想には具体的内容も含んでいますので、お気をつけくださいね。

ブラジル「天国」@中野ザ・ポケット

2007-07-20 07:08:43 | 演劇関連
自動車工場近くの居酒屋「おもひで」。ここは若女将が一人で切り盛りし、それ目当ての期間工たちが毎日通っている。三十路過ぎの期間工達は他愛もない会話をし、酔って帰っていく毎日を過ごしていたが、一人の男の来店で“毎日”がズレ始める……。

舞台は昔ながらの居酒屋。カウンターがあり、座敷があり。ビールのキャンギャルポスターや木彫りの熊等々、昭和から時間が止まっているかのような、取り残されているような佇まい。和服の若女将が映える。

楽しそうではあるが、世間との係わりを拒絶しているかのような人や場所。こういう空間を観ていると演劇界のメタファーなのかな…などとすぐ思ってしまう自分はちょっと毒されている気がする。いや、この芝居とても面白かった。世間を拒絶しているからこその関係性や本性などが徐々に明らかになっていき、哀しいのだが大笑いもした。全員面白い。うん、人間はおかしいな。

お薦め。22日(日)まで。