「カエル」新国立劇場小劇場
劇場に入ったとたん目に飛び込んできた舞台美術にまず驚いた。
地球を模したタイル敷きの中心にバーバーチェアーが一脚。その周りは砂で四角く囲われていて、奥には井戸(と見えたが後に田んぼとわかる)、さらに奥に大きな球体が祀ってある。
床屋の客と主人。少し破天荒な女。旅人。この4人で話は進む……んだけど、暗転ごとにほぼ同じ会話がリフレインしていく。会話の内容は、環境、テロ、クローンなど社会問題。ただその暗転ごとに床屋はどんどん水没、そして会話にも少しずつズレがある。数分前と同じようなシーンだがまったく同じではない。
歴史は繰り返す。無自覚に、過ちとも気づかずちょっとづつ地球を蝕む人、人、人。きっとそんなメッセージ。終盤になるにつれて露骨な笑いポイントが切なさを誘った。世界は救いようのない状態まで来ているのにショーモナイことで大笑いしている私たち。
随所に小林一茶の俳句が使われていた。
『やせ蛙 負けるな一茶 これにあり』
カエルの鳴ける世界は戻せるのかね?
劇場に入ったとたん目に飛び込んできた舞台美術にまず驚いた。
地球を模したタイル敷きの中心にバーバーチェアーが一脚。その周りは砂で四角く囲われていて、奥には井戸(と見えたが後に田んぼとわかる)、さらに奥に大きな球体が祀ってある。
床屋の客と主人。少し破天荒な女。旅人。この4人で話は進む……んだけど、暗転ごとにほぼ同じ会話がリフレインしていく。会話の内容は、環境、テロ、クローンなど社会問題。ただその暗転ごとに床屋はどんどん水没、そして会話にも少しずつズレがある。数分前と同じようなシーンだがまったく同じではない。
歴史は繰り返す。無自覚に、過ちとも気づかずちょっとづつ地球を蝕む人、人、人。きっとそんなメッセージ。終盤になるにつれて露骨な笑いポイントが切なさを誘った。世界は救いようのない状態まで来ているのにショーモナイことで大笑いしている私たち。
随所に小林一茶の俳句が使われていた。
『やせ蛙 負けるな一茶 これにあり』
カエルの鳴ける世界は戻せるのかね?