ヒスバナアラカルト

香西善行の雑記ドコロ
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われわれは、どこへいくのかシリーズ 『カエル』@新国立劇場小劇場 

2006-04-12 23:50:12 | 演劇関連
「カエル」新国立劇場小劇場

劇場に入ったとたん目に飛び込んできた舞台美術にまず驚いた。
地球を模したタイル敷きの中心にバーバーチェアーが一脚。その周りは砂で四角く囲われていて、奥には井戸(と見えたが後に田んぼとわかる)、さらに奥に大きな球体が祀ってある。
床屋の客と主人。少し破天荒な女。旅人。この4人で話は進む……んだけど、暗転ごとにほぼ同じ会話がリフレインしていく。会話の内容は、環境、テロ、クローンなど社会問題。ただその暗転ごとに床屋はどんどん水没、そして会話にも少しずつズレがある。数分前と同じようなシーンだがまったく同じではない。

歴史は繰り返す。無自覚に、過ちとも気づかずちょっとづつ地球を蝕む人、人、人。きっとそんなメッセージ。終盤になるにつれて露骨な笑いポイントが切なさを誘った。世界は救いようのない状態まで来ているのにショーモナイことで大笑いしている私たち。

随所に小林一茶の俳句が使われていた。
『やせ蛙 負けるな一茶 これにあり』

カエルの鳴ける世界は戻せるのかね?