独り合点(ひとりがてん)

きもの業界をステージとした、ビジネスと生活スタイル、および近況。

使用説明書

2010-06-18 | 広告
「いいな、いいい~な」と見るたびにうらやましそうな欲しい光線に根負けしたのか、アラレが頂いたパスホルダー。バックに取り付けるとシュルシュルと伸ばして使えるので、いつもICカードを探しているアラレには便利で、かわいいパスホルダー。某通販会社で売っている千円もしない小物ですが、写真のように使用上の注意、取扱い上の注意、素材や包装の材質、会社名、住所の表記などの詳細があり、表面にはカラーでブランドの説明からデザイナーのプロフィールまで、詳しく書かれている。言っちゃあ悪いが、たかだか数百円の小物に、この説明。少し大げさじゃないかとも思うのですが、いまどきはここまで対応することが購入者への企業の姿勢であり、責任なのかもしれませんね。

蜘蛛の巣、はっていませんか?

2010-05-28 | 広告
調べることがあって1週間で約100の呉服屋さんのホームページ(以下HP)を見てみたが、余りにも化石のようになってしまたHPが多く、かえってHPがあることが逆効果になってはいないかと心配になってきた。HPの開設には、結構リキをいれて作ったんだろうな、と思うのだが、何しろ更新がない。一番古いのでは2年も音沙汰がない。1年更新なしなんて、珍しくない。最近は「選買分離現象」が起きていて、HPで商品知識や店舗情報などを事前に調べた上で、買い物は調べたお店に行くのが普通だと思いますが、実際に買うお店は別のお店。こういう消費行動を「選買分離現象」というのだそうです。以前もAISASの法則というのを紹介しましたが、いままでであれば消費者は情報が少なく、店員さんは啓蒙的に説明すれば良かったのですが、コミュニケーションが進化したいま、店員さんより消費者の方が情報量が多く、しかも利害が絡み、「買う、使う」というリスクがない売る側の情報より、ネットで先に買った人のレビューや競合店を含めたネット情報や口コミの方に信頼を置いているのが、いまの消費者。消費者の「買い比べ」に価格で対応するには限度がありますから、お店や商品のブランドイメージを更に明快にしてゆく必要があるのは、当然です。もしあなたが何か、高額な買い物をしよう、或いは後悔をしない賢い買い物をしようと思ったら、出来るだけ情報を集めませんか。私は、そうします。いわばこのSearch」(検索)の段階で、情報提供ができないと1歩も2歩も後退で、もしかしたらそこでイエローカード、いやレッドカードでアウトでしょう。HPがないならばともかく、(今どき、商売をやっていてHPを持たないのも問題で、HPがないのは看板を掲げていないのっぺらぼうと同じと思います)せっかくHPを作りながら、更新しないのはお店に蜘蛛の巣を張ってあるのと同じことで、コストをかけてDMやパンフレットなど、どんなに豪華な物を送ろうが、それは逆効果、マイナスしか生みません。お店のHPは大丈夫ですか。

売り切れ!

2010-05-27 | 広告
今年に入ってから読み始めた婦人誌LEE。ファッション、料理など適度な記事のバランスがいい。何より読者を積極的に参加させての誌面作りが興味深い。毎月7日発売なのだが、今月は連休もあり、ついつい買い逃してしまった。探せど、どこの本屋さんも売り切れ。いつもなら月末でもあるのだが、今月は雅姫さんのレトロな花柄扇子が付録に付いているので、大人気なのだそうだ。まとめ買いもあって早々に売り切れたとのこと。定期購読がお勧めよ、とセールスされてしまい、トホホ。それにしても最近の付録ブームはすごい。ちょっと本屋さんの雑誌売り場を覗いて見れば、積み上げられたその高さに驚きますよ。平積みされている付録のない本は、何かしょげて見えるから不思議。そういえば私の子供の頃は、「少年」や「冒険王」など、どの子供雑誌も6大付録とか、いっぱいありましたね。しかし、LEEは毎月32万部を出していることを考えると、たぶん半年以上前から企画して、その分の扇子を作っている訳だからすごい。「この部数を売り切る」という覚悟で、おそらく今回は35万本は扇子を作っていると思うと、そのすごさが一層理解できる。付録ブームの先駆けとなった宝島社のブランドムック(宝島社の商標)シリーズの「イブ・サンローラン」は100万冊を売り切り、なおかつ増刷り、増版?をしているというから、さらに驚き。雑誌の付録ブーム、何かヒント、ありそうですね。

享年60歳!

2009-07-06 | 広告

一世を風靡した「トースト娘ができあがる」「でっかいどお。北海道」「あんたも発展途上人」「幸服を買う」、「恋を何年、休んでますか。」そして、「AERA]のネーミングなどで知られるコピーライター・真木準が亡くなった。享年60歳。どちらかというと駄洒落っぽい、言葉遊びが好きなコピーライターだった。まさに同じ時代を生き、同じ、といってもかなり違う広告の仕事に携わっていたが、こちらはお構い無しにデザイナーのOさんなどと、いつも友人の1人のように「真木のコピー、いいよなあ」なんて悔しがったり、感心してみたり、いつも僕らの広告創りの目標でした。そんなコピーライターやデザイナーを互いに持っていたから、打合せしている時でも、飲んでいる時でも挨拶はいつも「最近、○○の広告は…」が挨拶代わりでした。60歳の早すぎる死にはビックリした。しかし、しかしそれ以上にビックリしたのは、最近の若い人がコピーライターの真木準を知らない、ということ。そうか、すでにコピーライターという職業や広告が、若者の注目を集めないのかもしれないが、広告の端くれに携わっているんだから、知ってて欲しい。広告にもっと関心を持って欲しい。頼むよ!


ネーミングの妙

2009-07-03 | 広告
人形町にある焼き鳥屋・久助は、焼き鳥の美味さに加え、意外な焼酎を出してくれるのが嬉しい。先日は「鶏口となるも」という名前の焼酎で、本日は「一粒の麦」。「ただ一粒の麦なれど、大地にて芽を吹きたくさんの豊穣をもたらせり」という聖書の一節から命名されたそうですが、偶然でしょうが、いまの心境に対する励ましのようなネーミングの焼酎でした。もちろん麦焼酎で、飲み口もすっきり、爽やかでした。

旗印はナンだ!

2009-06-09 | 広告
本日、明日の会議の資料作りに行き詰まりボンヤリしている時に、いきなり携帯が鳴り響き、見るとIさん。当然のごとくこの時間、飲みに行くお誘い。逢って話もしたいこともあり、森下ならと10分後に待ち合わせ。Iさんのいいところは5ッ星から下町のB級グルメまで、レパートリーが広いこと。アアだコウだと話しているうちに話題はNHKの大河ドラマ「天地人」に。先週は旗印がテーマだったので、上杉の「義」、兼継の「愛」。では自分は何かと話し込んでいたら意外にもIさんは「拓」。拡げる。拓殖大学という名前はすごいよな、としばし話をしながらも、では俺は?と考えていたら、いきなリ浮かんだのが「不惑」ではなく「惑」。いまだに俺の旗印は「惑」かと、トホホ。でも、元気をもらった夜でした。

その仕事は ともに生きるためにあるか。

2009-04-01 | 広告

今朝の朝刊に全七段でサントリーの「新社会人おめでとう」の広告が掲載されていた。成人式の「新成人おめでとう」と並ぶ名物広告で、最初の広告は昭和53年「人生仮免許」というタイトルで全5段の広告スペースにゆったりと、作家の山口瞳のエッセイが明朝体の活字で20行ほどの文字が置かれていた。思わず魅き込まれ、「いつかこんな広告作りたいな」と読み込んだ記憶があります。後で聞いたら、この20行の原稿を書くために山口瞳は考えられないような時間をかけ、命を削るようにして書いたのだと知ったが、迫力のある文章でありながら、新成人と同じ目線でしっかりと語りかける文章は、いま読んでも人生の先輩としての温かい山口の思い伝わってくる。翌年は「一人前とは何か?」、翌々年は「あわてず、恐れず」と続き、毎年楽しみにしていた広告ですが、1995年に山口瞳が亡くなり、このシリーズどうなるんだろうかと他人事ながら心配していたら、伊集院静で新シリーズが始まった。そして今朝の広告、「その仕事はともに生きるためにあるか」は、新社会人ばかりでなく、むしろ大人の胸にもグサッとくる、いい文章でした。

その仕事はともに 生きるためにあるのか。

新社会人おめでとう。君は今春、どんな仕事に就いただろうか。どんな仕事、職場であれ、そこが君の出発点だ。今、世界は経験のしたことのない不況にある。金を儲けるだけが、自分だけが富を得ようとする仕事が愚かなことだと知っていたはずなのに、暴走した。なぜ止められなかったのか。それは仕事の真価を見失っていたからだ。人を騙す。弱い立場の人を見捨てる。自分だけよければいい。それらは人間の生き方ではないと同時に仕事をなす上でもあってはならないことだ。仕事は人間が生きる証だ、と私は考える。働くことは生きることであり、働く中には喜び、哀しみ、生きている実感が確かにある。だから出発の今、真の仕事、生き方とは何かを問おう。その仕事は卑しくないか。その仕事は利己のみにならないか。その仕事はより多くの人をゆたかにできるか.その仕事はともにいきるためにあるか。今何より大切なのはともに生きるスピリットではないだろうか。一人でできることには限界がある。誰かとともになら困難なものに立ち向かい克服できるはずだ。会社とは、職場とはともに働き、生きる家である。仕事は長く厳しくが、いつか誇りと品格を得るときが必ずくる。笑ってうなずく時のために、新社会人の今夜はともに祝おう。その日のために、皆で、ハイボールで乾杯。

伊集院 静


照沼美紀個展「カワイイ」

2008-12-21 | 広告

代官山のおしゃれなギャラリーで、いつも美波の振袖の撮影でヘアーメイクをお願いしている資生堂の照沼美紀さんの作品写真展が開かれているので、F嬢と会場に。とっくに開場していると思ったら、12時会場で20分ほどあるので、珈琲専門店に。地下にある洒落たお店で、マスター1人で仕切っているこじんまりした落ち着いた内装にBGMのJAZZが心地よく流れている。最近は喫茶店にしても本屋さんにしても1人で経営しているお店に心惹かれてしまう。それなりの苦労はあるのでしょうが…

10坪ほどだろうか、シンプルな壁面の会場。照沼さんが今回の個展のメインとして美波を起用し、ヘアーメイクを創作した撮り下ろしの写真がとてもいい。それにしても美波 というのは、不思議な女優で、演技力もさることながら勘というか、頭がいいんだろうな、制作者が意図するところをきっちりと表現している。だからヘアーメイクの作品展ではなく、照沼さんと美波のコラボ作品展になっている。インレタを効果的に使用し、床や壁面にダイヤモンドや草花のイラスト、メッセージが配されていて、とてもおしゃれ。写真を見ていると美波をもっと上手くプロデュースできない自分、気持ちが一致しないスポンサーにすごく腹が立つやら、情けないやら。お客様もそうだし、起用する女優もそうだし、店でも何でも心を持って育てる、成長を喜ぶという気概がなけりゃ。安ければいいという考えを説得、価値観を変えられない、気付かすことを出来ない自分にムカムカしてきてしまった。


新宿

2008-12-18 | 広告
新宿の地下通路に福山雅治のポスターがズラッーと貼られていた。一枚1枚がそれぞれ違い、1日の時間の経過と共に様々なシーンの福山雅治が映し出されている。カップル始め、中年女性のグループなど、かなりの数の女性たちが足を止めていて、ちょっとした人だかり。なかには携帯のカメラで一緒に記念写真という女性もかなりの数に。福山雅治の幅広い人気を感じる一シーンでしたが、何の広告だか、記憶にないのが残念。

西陣グラフ

2008-09-02 | 広告

昭和31年創刊、以来52年間続いてきた着物業界唯一の月刊誌「西陣グラフ」が8月で休刊との寂しいニュースが飛び込んできた。着物業界は外に向かっての情報発信が非常に少ない珍しい業界ですが、その中で西陣織工業組合が発行する西陣グラフは、A4・20ページという小冊子ながら、その存在感は大きかった。突然の休刊は、ほんとうに残念です。

西陣グラフが休刊になったのとは理由がことなり、「本が売れなくなった」からですが、昨年は218誌が休刊となり、今年も講談社のオピニオン誌「月刊現代」や学生時代衝撃的な思いで夢中になって読んだ「日本版プレーボーイ」「広告批評」「RODSHOW」「主婦の友」など一世を風靡した雑誌が相次いで休刊。いまや雑誌広告費は、TV、新聞に次ぐ第3の地位をインターネットに奪われ、10年連続で広告費も減少。なにごとも安いに越したことがないが、情報もインターネットはタダ、TV、ラジオもタダの中、新聞、雑誌だけは有料。趣味や価値観の多様化する中、成り立つだけの部数を確保するだけの絶対読者数を確保できなくなった結果とはいえ、時代の移り変わりを痛感し、一抹の寂しさを感じます。