シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

ワーグナーの毒

2012年10月29日 | ワグナー聞き比べ
私の保有するショルティ VPO による指輪四部作 __ 左上が CD 版「ラインの黄金」、左下が「ワルキューレ」、右上が「ジークフリート」、右下が「神々の黄昏」
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2006年6月9日投稿分__
ワーグナーのオペラに夢中になると、なかなかその魅力から抜け出せず、彼の音楽にどっぷりとつかる様を「ワーグナーの毒」といいます。 私もしばらくこの毒に冒され、毒が抜けるのに時間がかかりました。 

大作「ニーベルングの指輪 Der Ring des Nibelungen 」は、四夜合計、15時間にも達する世界最大のオペラで、生半可な気構えでは聞き通せない怪物のようなものです。 しかし一度この世界に入ってしまうと、他のオペラに目が向かなくなってしまう、アヘンの中毒のようなものかも (私はアヘン中毒は知りませんが)。
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1960年を挟んで、ショルティ指揮ウィーン・フィルと DECCA が8年がかりで作った全曲録音は、名プロデューサー カルショーが取り仕切り、大評判となりました。 当時の名だたるワーグナー歌手 (ホッター/ニルソン/ヴィントガッセンなど) を揃え、優秀録音と相まっていまだにこれを超えるセットができないほどです。 ただし「ラインの黄金」(‘58) は一世代前の歌手たちを起用したためか、評価は少し低いようです。

業界スズメによれば、DECCA は当初の指揮者にクナッパーツブッシュを予定していたとも。 当時のショルティは今のような評価を確立していませんでした。 また DECCA は61年にニルソンを起用して、ラインスドルフ指揮ロンドン響で「ワルキューレ」を録音しています。 この辺の経緯はヤブの中ですが、57年 DECCA はクナッパーツブッシュ指揮ウィーン・フィルで「ワルキューレ」第一幕を録音しています。

この時かその後か忘れましたが、ワーグナーものを録音中 DECCA はクナに録音の一部取り直しを要求、ところがクナは機嫌が悪く 再録音に頑として応じなかったから、その後 DECCA はクナのワーグナーものの指揮者採用をためらったとか ...

クナがレコード会社と付き合いのうまい性格だったら、「ニーベルングの指輪」録音指揮者はショルティではなく、クナッパーツブッシュになっていたかも __ すると、その後の名指揮者ショルティはもっと違ったものになっていたのかも知れません。 クナの風貌からして、いかにも “頑固爺さん” といった顔つきですからねぇ。

60年代後半に、カラヤン / ベルリン・フィルが録音した全曲 (DG) は 歌手を揃えることができず (一貫性がなく)、室内楽的ワーグナーとも評されました。 ただし「ラインの黄金」は評判が高いですね。

60年代後半の、ベーム指揮バイロイト・ライヴ録音による全曲 (Philips) はハイライト盤を聞いてみましたが、音質はあまりよくありませんでした。 評価も上記2種に比べ、高くありません。
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最も親しみ易いのは、第二夜「ワルキューレ」ですが、これだけでも4時間を超えますから、挑戦したい人は その第一幕だけ (70分弱) でも話しがまとまっているから聞いてみてはいかがでしょうか? この中から単独で歌われる曲 __「父が約束してくれた刀 Ein Schwert verhiss mir der Vater 」「冬の嵐は過ぎ去り Winterstuerme wichen dem Wonnemond 」
__ どちらも素晴しいですよ。     

以上

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