左から 1) SL-1200G、3) SL-1500C、4) SL-1200MK7。
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テクニクスのダイレクトドライブ・ターンテーブルの SL-1200 シリーズは50年前から定評あるロングセラー商品です。 ベルトドライブ全盛だった時代に ダイレクトドライブを発表し、その信頼性の高さで定評をつくり、長い間オーディオファンに支持されてきました。
2010年の一時販売終了までの累計販売台数は全世界で約350万台を記録しています。 オーディオ店でカタログをもらってきましたが 種類が多いです。
1) SL-1200G (希望小売価格 363,000円 18.0kg) 2) SL-1200GR (同 162,800円 11.5kg) 3) SL-1500C (同 110,000円 9.9kg) 4) SL-1200MK7 (同 99,000円 9.6kg) と、高価格ほど重く、低価格ほど軽いことがわかりました。
全て 同じような外観のダイレクトドライブです。 ワウ・フラッターは全て 0.025% で同じです。 他には 外観から 3) は他と違うのが、ピッチ・アジャストと手元照明灯がなく、最もシンプルですが、カートリッジ付きです。
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他メーカーのダイレクトドライブ・ターンテーブルを探すと __ 5) Pioneer PLX-500-K 販売価格 ¥52,800 (税込) ワウ・フラ 0.15% 質量 10.7kg、6) TEAC TN-4D 販売価格 ¥62,480 (税込) ワウ・フラ 0.1% 質量 6.1kg、7) audio-technica AT-LP120XBT-USB ¥46,200 (税込) ワウ・フラ 0.2% 質量 8kg などがあります。 5) ~7) のワウ・フラが 1) ~4) に比べ1桁緩いです。
テクニクスとの大きな違いは質量とワウ・フラです。 これでもいいかと思いましたが …
左から パイオニア PLX-500-K (アース線なし)、ティアック TN-4D、オーディオ・テクニカ AT-LP120XBT-USB。 全て ADC を内蔵、USB 出力がある。
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半世紀前購入したカセットデンスケ ソニー TC-2850SD (1973年発売) に音楽テープをかけてオーディオシステムで聴いたら、ピアノ独奏曲の音が „ほんの少し微妙に揺れて“ 聴こえたのを思い出しました。 ワウ・フラッター仕様を見ると 0.15% でした。
オーディオマニアや鉄道ファンの間でヒットしたソニー TC-2850SD。 デンスケとは取材用可搬型テープレコーダーのこと。
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オケやヴァイオリンだと気づかないかも知れませんが、“単音の打鍵の音“ がはっきり出るピアノは音の揺れに気づき易いものです。 でも ポップスや歌謡曲を聴く殆どの人には、ワウ・フラなんてまず関係ないんでしょうね。
これから想像すると ピアノ独奏曲の LP をかけると デンスケよりワウ・フラが緩い 7) オーディオ・テクニカ製のレコードプレーヤーは音揺れが発生しそうです。 5) パイオニア製はアース線がないので MC カートリッジを装着するとノイズが多いらしく …
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『人気オーディオコンポの音質をレビューで評価』から (https://xn--dcknb0b6f4f7ftc.pw/archives/5694) __ レコードプレーヤー ダイレクトドライブ方式の特徴 ___ 最も新しいものが、ダイレクトドライブ方式です。
モーターとターンテーブルを、1本のスピンドルで直結した画期的な方法で、33 1/3回転でレコードを回転させる時はモーターも同じ回転数で回ります。 プレーヤーのメカとしては最もシンプルで、故障しにくいのがメリットです。
静かで安定性が良く、ワウ・フラッターがベルトドライブなら 0.1% 程のところ、高性能モデルなら 0.025% の高性能を誇ります。 特別なメンテナンスも不要なことで、1970年代~1990年頃まで、日本では多くのモデルがダイレクトドライブを採用していました。
ところが このダイレクトモーター自体の製造が技術的に難しく、かつてのオーディオブームが去り 機材が売れなくなると、モーターメーカーが次々と撤退してしまいました。 モーターをオーディオメーカーで製造することはできず、現在残っている1~2社のモーターメーカーに今は頼っている状態です。 もし これらのメーカーが製造を止めてしまえば、ダイレクトドライブは消滅してしまうことでしょう。
将来的にも このドライブのメンテナンスを続けられる見通しが立っておらず、主力のオーディオメーカーは、設計・製造のたやすいベルトドライブにシフトしているのが現状なのです。 力を入れて設計・製造さえすれば、ダイレクトドライブが、最も先進的なドライブ方式といえるでしょう。
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今日はここまでです。