ビッチマグネット

今期の芥川賞は1999年上期以来の該当作無しだそうで各誌の文芸欄ではそのこと自体が話題になっているようです.　1970-80年代には3度に1度は該当作無しが普通だったような気がするのですが同賞はこの10年間は大安売り状態だったということでしょうか．
ということで今月の文藝春秋は受賞作ではなく舞城王太郎氏の「ビッチマグネット」を掲載しています．同賞に次点はないものの選考委員の池澤夏樹氏他何名かが強く押した作品です．
なぜかビッチとばかり付き合うことになってしまう弟を持つ女性の18歳から10年間の成長をクレバーなモノローグで綴った物語です．　芥川賞受賞作はたくさんの暗喩が組み込まれた作品が多く謎解きのような読み方になりがちなのですが，本作品はすなおにストーリーを読みすすむことができ，久しぶりに物語りを楽しむことに集中できる小説だったと思います．作品中の弟の口調が同年代の愚息とまったく同じでエピソードも本当にありそうなことばかり．そんなところも面白く読めた理由かもしれません．作中人物と同年代のお子さんをお持ちの方にお薦めしたい作品でした.

二晩つづきのジャズライブ

都内へはほとんど出張で出かけるのですがヤボ用でめずらしく自費で上京してきました．用事の済んだ12日夕は友人宅に立ち寄りマイミクでもある彼の細君から早めのチョコを頂く．辞去後は夜行船の出るまでにいくらか時間があったので銀座7丁目の「Ｖ」に立ち寄りました．ここは腕に覚えのあるプロ・アマのお客たちがボーカルや演奏を勝手に楽しむ50年の歴史を持つお店です．4坪ほどの狭い店内にマイギターはもちろん，一時はマイベースまでリザーブされていたことがあるようなところ．7・8人でいっぱいのお客さんを掻き分けオーナーの阿部文子ママやピアニストの中島由美先生に無沙汰のご挨拶を済ませます，今夜乗船とて帰り際に「as time gose by」をリクエストするとピアノはもちろん常連たちがスネアやギターで演奏をはじめ，ステキな御婦人がタイミングを見計らってボーカルに入ってくれました．この曲は身体の不調，頭頂部の毛質の変化等々，忍び寄ってくる物を感じるのにピッタリの題名です^_^;　　帰り際には店内のお客さん達に曲のお礼とともに椿満開中の島の宣伝をひとくさりして翌朝大島に戻りました．

今宵は大島元町のお店「らイヴ」で恒例のバレンタインライブでした．40名ほどのお客で満員の店内は女性サックス奏者「堤智惠子」さんの明るい演奏で大盛り上がり．今度で4・5回目の来島との事で島のお客さんもすっかりお馴染みの様子でした．終了時に見るとジャズライブは初めてと思われる年配のご夫人も満足げなお顔でした．

昨年の堤智惠子ライブ
http://blog.goo.ne.jp/jr1uia/m/200902

今回はあらかじめ許可を得てＩＣレコーダーで初めてのＰＣＭ録音に挑んだのですが，プレーヤーの目前というマイク位置のためクリッピングノイズが多発し満足できる仕上がりにはなりませんでした．アマチュア録音技師の道は遠そうです．

青パトでドライブ

車体はＰＣと同じパンダカラーながら散光型回転灯は青色という車を御存知でしょうか．　保管や運行の一部は警察署でも行ないますが所管は地域防犯協会の車両のことで通称　「青パト」と呼ばれます．　今夜はこの車両で地元の駐在さんＴ君と二人でパトロールをしてきました．　20時集合即スタートです．車体は納車されて間もないものでまだ新車独特のにおいが残っていました．正規のＰＣではないので付属設備は回転灯とスピーカーだけ．記録式速度計・カメラ・無線機等興味を引くものはなにも付いていません．　「ＳＷ持ってきた？」と聞くと「はい，一応」との返事．ＳＷというのはＰＭが使用する小型の無線機のことなのですが現在の島内通信のほとんどは専用の携帯電話で行われているため同放が必要な事件でもおきないと出番はほとんどないようなのです．パトロール中は黙っていると気詰まりになるので積極的に話しながら走行します．駐在君は27歳．高卒で拝命後大学の2部を5年がかりで卒業したとのことできょうび絶滅危惧種の苦学生経験者．大島赴任前にいたマルＫ寮も御多聞に漏れず草食系が増加中で食後は自室にこもりゲームに打ち込む同僚が多かったとの話に現代を感じました．90分ほど島の北東部をグルグルまわり，何人かのナイトウォーキングを現認したことと痴呆により徘徊中の地元のおばあちゃんに声かけして自宅に帰ることを促したことが特異事項でした．Ｔ駐在はワタシの下車後もう2時間ほどパトロールをし．明日は午前7時集合でさきほど磯で行方不明になった方の捜索だそうです．ご苦労様です(^^ゞ