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Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

映画「Black Swan」

2011-03-06 08:50:16 | Movie
日曜日、映画「Black Swan」を観に行ってきました。ちょうど、月初めの日曜日で、お店も空いていたので、少しショッピングをしてから、映画館に向かいました。小さめの劇場です。
白鳥の湖というバレエに取り組むニーナというバレリーナの話なのですが、オブセッションについてうまく描かれていて、怖いシーンもたくさんあって、引き込まれて見ることができました。自傷的なシーンがそこらここらにあって、「あっ、痛そう」と目をそむけてしまうこともありました。
主演のナタリー・ポートマンはオスカーをこの役で撮りましたね。すごい熱演だと思います。
また、最後のクレジット知ったのですが、ウィノナ・ライダーも出ていたんですね。歳をとって引退せざるおえなくなったプリマの役。全然気づきませんでした。
私は、登場人物の数があまり多くなくて、セリフもあまり多くなくて、音楽が身に染みる感じの映画が好きです。その点で、この映画はじっくり楽しめました。
でも、オブセッションが強い人というのがけっこう苦手です。勘ぐりや妄想で、自分自身が身動きとれなくなっていくという…。
また、最後のシーンも私にとってはいまひとつです。
でも、この映画を観て、実際のバレエ「白鳥の湖」見てみたいなと思いました。実は、ずっと以前に東京で見たことはあるのですが、その時は何がなんだかよくわからなかったです。この映画で、ストーリーがよくわかったので、次回はとても楽しめそうな気がするんです。
体調は良好です。




映画「AUN - The Beginning and the End of All Things」

2011-02-10 07:51:25 | Movie
先日のロッテルダム国際映画祭で見た最後の映画「AUN - The Beginning and the End of All Things」の感想です。
上映の会場はとても大きなところで、満員でした。上映前に少し説明があり、それによると、ロッテルダム国際映画祭で上映する映画についてスタッフが日本の川喜多記念映画文化財団に相談したところ、この映画が話題に上ったということです。
それで、監督はスイス人のEdgar Honetschlägerですが、ロッテルダム国際映画祭の主催者側としては、この映画は日本映画として捉えているそうです。出演はブラジル人女優のRosanne Mulholland、日和佑貴、斉藤洋介などで、スタッフのほとんどは日本人です。
この監督はもともとアーティストなので、映像もアーティスティックで、視覚的にとても見ていて感動するものがありました。顕微鏡で覗いたときのコンピュータグラフッィクの映像と、また日本の風景の神秘的な美しさが、一遍の映画の中でアンリアルなストーリーと融合して、深いものを感じました。
監督も会場にいらしており、上映後、質疑応答がありました。最初はブラジルでの撮影を考えていたそうですが、諸々の問題があって、結局日本での撮影となったそうです。
ストーリーはちょっと複雑でわかりにくいのですが、監督的にはロジカ(論理)はちゃんと通っているそうです。また、この映画はストーリーを論理的に追っていく映画というよりは、映像と音を感じて見る映画だそうです。
森のシーンで子ども番組に出てくるようなコスチュームを着た若い女性たちが出てきますが、私は芸術的な美しいシーンにハデハデしい色使いの安っぽいつくりの衣装つけ、変な髪形をした女性たちに違和感を感じました。それについて同じように感じた観客がこのことについて質問したところ、監督は、秋葉原のメイドカフェのメイドから着想を得たと答えていました。外国人からしたらエキゾチックで、この映画の文脈にそぐうと思うのかもしれませんが、やっぱりこのシーンは私からすれば興ざめでした。
この映画は、新しい感じの映画鑑賞体験でした。見て良かったです。ちょっと変わった映画を好きな人におすすめです。
さて、映画祭はもう終了していますので、最終結果を見ると、この映画の観客の評価は5点満点で平均3.587、第105位でした。
ちなみに1位は、「Incendies」という映画でした。結果はすべてここ(オランダ語)で見ることができます。
体調は良好です。

映画「Tron: Legacy」

2011-02-06 09:11:36 | Movie
最近映画を観る機会が多いです。冬場は寒いからあまり外歩きを楽しむこともできないので、簡単な娯楽が映画となってしまいがちです。今日は気温は10度くらいと暖かいですが、突風が吹き荒れています。ここ1週間ぐらい強風の日々が続いています。
さて、「Tron: Legacy」ですが、3D作品で音楽がダフトパンクということで興味がそそられました。1982年に発表された「Tron」の後継作ですが、「Tron」は観た記憶がありません。音の良い劇場で見たいと思い、IMAXで観ることにしました。
朝9時50分の回だったので、観客も3割ぐらいで落ち着いて見ることができました。3D眼鏡用に1ユーロをチケット代とは別に支払います。
映像はコンピュータグラフィックが駆使され、スタイリスティックで綺麗でした。父親役のジェフ・ブリッジスは、CRU役も兼ねているのですが、どう見ても30歳くらい歳の差があって、骨格などはすごく良く似ているのに同じ人物には見えませんでした。あとでネットで調べたら、CRU役の方は、ジェフ・ブリッジスを元にしたコンピュータグラフィックだったのですね。
ストーリーは、私は前作「Tron」を知らないのでいまひとつ入り込むことはできなかったのですが、映像と音楽で引き込まれて、退屈する暇はなかったです。題名になっているTronはほんの少しでてくるだけで、ヘルメットを脱ぐことはなかったので、顔を見ることはできませんでした。
3Dは「アバター」の時のほうが感動しました。奥行き感がレースやアクションの時はダイナミック感を出していましたが、ゲーム(プログラム)の中の話なので、なんかあまりにもありそうで、フツーに感じてしまって…。
ダフトパンクの音楽は好きなので、映画を観ながら、とても心地よかったです。
でも、ダフトパンクに興味ないし、「Tron」のことも知らないという人にはつまらない映画かもしれません。
体調は良好です。

映画「Somewhere」

2011-02-03 07:35:45 | Movie
先日のロッテルダム国際映画祭で、ソフィア・コッポラ監督作品の「Somewhere」を観ました。
この映画はふつうに後で劇場ロードショーされるもので、上映された場所も大きな映画館の大きなホールでした。会場は満員でした。
ストーリーは、人気映画俳優と11歳になる娘の交流を描くもので、映画スターの日常を垣間見える面白さに加えて、父と娘のほのぼのとした雰囲気とまた少しの緊張が、美しい映像とそれに合った音楽で語られ、とても心地良く見ることができました。この映画スターはフェラーリに乗っているのですが、そのエンジン音が気持ちの良い音で、記憶に残る音でした。
主演はスティーヴン・ドーフでうまい役者さんだなと思いました。それにも増して娘役のエル・ファニングの演技がとても自然で伸び伸びとしていて素晴らしかったです。ちょっと11歳の役にしては大人びているかなとも思ったのですが、1998年生まれだから、実際にも11歳くらいなんですね。名前からわかるように、あの名子役ダコタ・ファニングの妹です。
この映画、特に強い政治的メッセージとかはないですが、きれいな映像と心地よい音、ほどよい笑い、目を喜ばせるもの(高級なホテル、ミラノやロスといった場所の風景、服、食べ物など)があって、またこの二人の感情になんとなく共感することができ、私としてはとても楽しめました。
ソフィア・コッポラ監督の作品は、「ロスト・イン・トランスレーション」も好きです。
日常の中にたくさんの違和感や感情の襞があって、それでもそれをとりまく世界は美しくあろうとし、個々はできるだけ満足感を得ようとするが、なかなか心の空虚感を埋めることはできないという現代人のもどかしさを感じます。
この映画、現時点では、観客による評価(5点満点)の平均が3.764で92位です。
体調は良好です。

映画「Morgen」

2011-02-02 08:56:59 | Movie
先日行ったロッテルダム国際映画祭で、ルーマニアのMarian CRISAN監督作品「Morgen」を観ました。
ルーマニアとハンガリーの国境沿いの町で、平凡な男と平凡な妻と平凡なトルコからの密入国者が織り成す淡々とした物語です。田舎の朴訥な風景とうだつの上がらない登場人物と何気ない会話の作品ですが、EUの片隅で暮らすルーマニア人の日常の雰囲気がとてもよくわかる作品でした。
トルコからの密入国者はトルコ語しか話さず、その部分は字幕も出ないので何を言っているのかわからないのですが、そのやりとりがコミカルで、良い雰囲気を出していました。
「Morgen」は明日といういう意味だと思います。
この作品に対する観客の評価(1から5)は、現在のところ平均値が3.847で41位です。まずまずですね。
会場は中規模のホールでしたが、満員でした。
体調は良好です。

映画「アジアの純真(PURE ASIA)」

2011-01-31 14:21:44 | Movie
ロッテルダム国際映画祭で、片島一貴監督の「アジアの純真(PURE ASIA)」を観ました。
会場には、シナリオライターの井上淳一さんと、主演女優の韓英恵さんがいらしており、上映前に挨拶をされていました。
朝一番の9時半の上映だったので、客の入りは会場の半分くらいでした。白黒映画できれいな構図の絵がたくさんありました。また、自転車で走り回るシーンは、カメラワークのリズムが爽快で、気持ちよかったです。
ストーリーは、高校生の男の子と同年代の女の子が主人公で、理不尽な暴力で双子の姉を殺された女の子が男の子を巻き込んで復讐をするというものです。メッセージ性が強く、それでもどんどん引き込まれて、面白く観ることができました。
しかし、最後の30分はなんか付け足しのようで、ないほうが良かったのではと思いました。また、ボートのシーンで海が農業用の黒いプラスチックシートで作られているようで、どうして本当の海で撮影しなかったのかなと思いました。
なんか、最後のほうで、どんどんチープな感じになっていって、ちょっと残念でした。
韓英恵さんの演技はとても活き活きとしていて、良かったです。
ロッテルダム国際映画祭では、観客が退場時に、映画の評価(1から5)をするのですが、現時点では、3.237ポイントで、91位です。うーん、なかなか厳しいですね。
筋肉痛もなく、体調は良好です。

映画「Norwegian Wood」

2011-01-09 07:15:36 | Movie
話題の映画「Norwegian Wood(ノルウェイの森)」がオランダでも公開されたので、早速、観に行ってきました。
上映されているのは、少し小さめの映画館ばかりでした。観客も6割くらい入っているという感じでした。まあ昼間の上映だったので、こういう映画は多分夜の部のほうが観客数が多いかもしれませんね。
原作となった村上春樹の本を読んだのは、もう20年以上も前のこと、内容はすっかり忘れてしまっていて、都会で大学生活を送る主人公と、精神を患った恋人の住む人里離れた病院との対比がなんとなく印象に残っていました。ちょうど本の想定の赤と緑のように。私のかすかな記憶だと、その病院へ行くのに結構長い時間、林間バスに乗らなくてはいけなくて、そのバスには人がほとんど乗っておらず、林を抜けて走るバスの中にはビートルズの「Norwegian Wood」が小さく流れていたという記述があった気がするのですが、もしかしたら全然違うかもしれません。
でも、映画ではそんなシーンはなく、主人公と恋人は早足で歩いてばかりです。ところどころ、風景がとても美しく、ダイナミックなところがあって、日本なんだけど、なんか日本じゃないような感じがしました。なんか普遍的な心象風景のような。
監督は、トラン・アン・ユン。この監督が有名になった作品「青いパパイヤの香り」をこれもまた15年くらい前に映画館で見ており、特別な雰囲気が印象に残っています。雨が降っていて、家の中で、男と女。というシーンが「青いパパイヤの香り」の中でも執拗に繰り返されていたような気がします。
2時間を超える長めの映画でしたが、すっと引き込まれて、異世界の中に行ったような感じでした。ファンタジーでもなくSFでもなく、リアルワールドの話なのですが。
人として、大人として、ちゃんと引き受けて生きるということは、イデオロギーとは関係のないことなのだと思いました。
上映が終わったあと、映画館を去っていく女性が感想を聞かれて、「デプレッシブ」と言っているのが聞こえました。確かに、鬱々とした映画ではありますが、なんか見終わった後に、爽快感がありました。
体調は良好。

映画「Winter's Bone」

2010-12-05 10:32:17 | Movie
先週はずっと氷点下の気温で、外気は-8度、体感温度-15度とか。こんなんじゃ、外には出られないと思っていたのですが、日曜日には気温も上がり、1度とか2度とかになり、Koopzondag(お店が開いている日曜日、ふつうオランダは日曜はお店は閉まっています)なので、午後から街へ出かけました。路上にはまだ雪が残っており、溶けかけて、ところどころ滑りやすく、ちょっと危険でした。街では買い物もしたけれど、メインは映画でした。
映画のタイトルは「Winter's Bone(ウインターズ・ボーン)」。日本では、東京国際映画祭で上映になったようですが、広くでは未公開のようですね。サンダンス映画フェスティバルで最優秀映画賞等を受賞し、低予算ムービーながら、アカデミー賞に絡んでくるのではないかと、評判の高い映画です。私は、町山智浩氏がTBSラジオ「キラキラ」の中で紹介していたのを聞いて、関心を持ちました。
米国ミズーリ州の山間にあるOzark地域に住む人々に焦点を当てた映画で、そこの荒んだ感じの生活にまずびっくりします。主人公は17歳の女の子で、父親は失踪、母親は病気のため、幼い弟と妹の面倒を一人でみています。貧乏で、ほとんど食べるものもない生活、そこに父親を見つけないと、住んでいる家が没収されるということになり、なんとか父親を見つけようと、その地域の人たちに聞きまわっていきますが、そこはとても閉鎖的な集落で…。
陰鬱なトーンの映画ですが、社会背景などを考え見ていると、とても興味深いものがあります。掘っ立て小屋のような家、でもそこそこガラクタのようではあれ、物は多い生活。アメリカって、都市部は高層ビルなど華やかな部分も多く、また田舎も大きな家で裕福というイメージがあり、また貧しいのは黒人やヒスパニックというイメージですが、白人のコミュニティでこんなに荒れ果てた感じの場所があるのだということに、アメリカの抱えている問題を見る気がします。まあ、ドラッグの問題とも深くかかわっているのでしょうけれど。
オランダは国土が狭いし、山など、遮られる場所がないので、どこもかしこも見通された感じがあります。すごく貧困な集落は存在しないのではないかと思います。車でどこにでも数時間で行けますし。あらゆるところに目が行き届いてるという雰囲気です。反対に言えば、どこもかしこも似たような雰囲気で、大きな地域性があまりないように思います。あるお店もどこもだいたい同じですし。
映画の時期は冬なので、寒い冬にマッチする映画でした。観た後に、暖かい飲み物を飲んで、ほっとしたくなりました。
体調は変わらず。

映画「Harry Potter and the Deathly Hallows」

2010-11-28 07:31:13 | Movie
ハリー・ポッターの最新映画「Harry Potter and the Deathly Hallows」(PartI)を観て来ました。ハリー・ポッターの本はすでに読んでおり、映画もこれまでのものはすべて映画館で観ています。とはいえ、ストーリーはもうあまり記憶に残っていません。特に期待せず、でも大きな画面でとIMAXシアターで観ることにしました。
結果、とても迫力があって、かなりスリリングで、2時間半の長さを感じさせない映画でした。特殊効果がうまく使われており、緩急があって、中でも途中ではさみこまれるDeathly Hallowsの話で使われるアニメーションは幻想的で良かったです。ロケーションはどこで行なわれたのか知りませんが、いくつも素敵な自然の風景があり、心を洗われるような気がしました。
しかし、本を読んでいないと、映画だけじゃ、ストーリーをちゃんと把握するのは難しいと思います。またこれまでの流れを知っていないとうまく感動できないと思います。ドビーがこれまでの話の中でどんな重要な役割を果たしてきたかなんて、この映画だけじゃわかりませんものね。
オリジナルバージョンで、オランダ語字幕だったのですが、オランダ語では、固有名詞がオランダ語風に変えられていて、誰が誰のことなのか一瞬ではわからず、とても混乱してしまいます。例えば、Dumbledore(ダンブルドア)が、オランダ語ではPerkamentusです。
今回はPartIということで、来年PartIIが公開されます。これで完結かと思うと、ちょっとした感慨があります。
約3年前に体調を崩した時はICUにまで行って、もしやもうハリー・ポッターの結末を知ることなく終わるのかと思ったことがあります。でもその後、最終巻を読み、このまま映画も来年、最終作を観ることができそうなのですから。
体調は変わらず。痛みなく、良好。
そうそう、オランダは週末からかなり冷え込んでいます。土曜日には雪が降りました。今週も氷点下の気温が続くので、また雪かも、です。

映画「The American」

2010-09-19 15:38:06 | Movie
映画「The American」を観に行ってきました。ミュージシャンの写真などで有名なフォトグラファー、アントン・コービン(オランダ人なのでオランダ読みだとコルバイン)の監督作品です。主演はジョージ・クルーニーで、登場人物が少なく、一昔前のフランス映画やイタリア映画を彷彿とさせる、とても落ち着いた雰囲気のフォトジェニックな映画でした。一つ一つのシーンがとても美しく、イタリアが舞台なのですが、景色がすばらしかったです。
日曜の昼間だったんですが、映画館は満員でした。大衆受けする映画というよりは、シネマテーク系の映画館での上映映画という扱いだったのですが、この監督、オランダではかなり人気のようです。
写真家としては、鋤田正義氏のオランダ版って感じなのかなあ。
大画面で見るCGいっぱいの映画も良いけれど、淡々とした大人の映画も良いものです。
体調良好。寒くなるにつれて、何か快調さがない気もします。