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Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

映画「Tokyo Playboy Club」

2012-02-20 11:30:16 | Movie
ロッテルダム国際映画祭で、「Tokyo Playboy Club」(東京プレイボーイクラブ)を見ました。
監督の奥田庸介さんは、まだ20代の若い監督で、会場にもいらしており、上映前に挨拶をしていました。上映会場はかなり広いホールで、満員でした。
東京のしなびた繁華街で巻き起こる、かなりドタバタなコメディで、はっきり言って、とても楽しめました。暴力シーンも多いですが、笑いに昇華できている部分も多く、オランダの観客にけっこううけていて、始終笑い声が聞こえました。日本のお客さんより、オランダのお客さんのほうがよく笑っているんじゃないかと思いました。というのは、私が笑えないシーンでも、オランダ人は笑っていたので。
スピード感があり、ストーリーもちゃんとしていて、ほんと大衆が楽しめる映画です。下手にアーティステックに走ってわかりにくい映画よりも、こういう映画のほうが娯楽としてはいいですね。
出演は、大森南朋、光石研、臼田あさ美、赤堀雅秋、三浦貴大など。
見ると気晴らしになる映画です。ただ暴力シーンは苦手という人は、少し気をつけたほうがいいです。
体調は、咳がまだ残っています。朝起きると痰が喉あたりとどまっているせいかかなり咳き込みます。それでも少しは軽くなっているような気がします。気温も零下ではなくなり、少し暖かく感じられるようになってきたので、徐々に治っていってくれると思います。


映画「Hugo」

2012-02-16 13:52:18 | Movie
ずいぶん時間が経ってしまいましたが、ロッテルダム映画祭で見た映画について、感想を書きます。まず、第一弾は「Hugo(ヒューゴの不思議な発明)」。マーティン・スコセッシ監督の3D映画です。劇場でふつうに公開されるから、映画祭で見る必要はなかったのですが、時間の関係でこの映画がうまくスケジュールにはまったので見ました。
スコセッシ監督の映画というと、バイオレンスなものが多いイメージがありますが、これはそんな片鱗はなく、家族で見ることもできるとても良い映画でした。監督自身、12歳くらいの娘さんがいて、たまには一緒に見ることのできる映画を作るのもいいかなと思ったそうです。
舞台は、第一次世界大戦が終わったあとの平和な時代のパリ。主人公はヒューゴという名の少年です。彼は、お父さんと二人暮らしでしたが、突然お父さんを亡くしてしまい、パリの大きな駅の時計守をしているおじさんに引き取られます。彼に、時計のメインテナンスの仕方を教わり、巨大な機械仕掛けの駅の様々な時計を修理&保持しながら駅の屋根裏のスペースに暮らしています。おじさんは酒飲みで、少年に仕事を任せたまま、姿を消してしまいます。少年は、お父さんの遺品で、壊れた機械仕掛けの大きな人形をなんとか修理して、生き返らせたいを思っています。
それで、駅構内の小さな機械仕掛けのおもちゃなどを売っている店の頑固そうなお爺さんに興味を持ちます。そしてそのお爺さんが引き取って一緒に住んでいる女の子と友達になり、いろいろな謎を解いていきます。
とても映像がきれいで、一つの世界観を持っていて、映画の中で素晴らしい世界が成立しています。映画への愛、機械への愛、芸術への愛がうまく表現されていて、また一方で戦争がもたらす人々の心の疲弊も表現されています。
ひじょうに良い映画でした。
主人公を演じる少年と少女も、ちょっと大人びた感じでありながらも子どもらしいかわいさもあり、私の好みにぴったりでした。
シーン、シーンが美しく、あとで思い返すと、実写でなくて、特殊技術を使ったアニメーションを見ていたのかと思う雰囲気がありました。美しい絵本を見ているような感じなのです。
映画館の大き目のスクリーンで見ることをおすすめします。
子どもも楽しめる映画なので、物足りないなと思う大人もいるかもしれませんが、ちょっと子どもの心になってみてみると、すごくワクワクすると思います。
さて、体調ですが、月曜日に抗生物質を飲み終えました。熱は下がって、咳も減って、ずいぶんらくになりました。しかし、まだ咳が少し残っているのが気になります。まだ、抗生物質に耐えて生き残っている菌がいるということですから、これってもしかしてやっかいかもと思ったりしています。とりあえず悪化しないことを祈って、様子を見ています。

映画「海炭市叙景」

2011-10-13 07:27:59 | Movie
今年のCAMERA JAPANのイベントで最後に見た映画は、「海炭市叙景」(Sketches of Kaitan City)でした。
北海道の函館市を架空の町「海炭市」と見たてた佐藤泰志著の連作短編小説集が、この映画の原作です。といっても、映画になるまで、この小説家の存在を知りませんでした。村上春樹と同世代で、芥川賞候補に5回もなったのに受賞に恵まれず、地方に根ざしたタイプの不遇の作家だったそうです。
この映画を見たいなと思ったのは、函館の美しい景色を見たかったからです。山の上から、湾を望むショットはとても美しいです。また、年越しから初日の出までの人々の様子が、年越しそばや除夜の鐘、高台へのぼって初日の出を拝むという日本独自の行事を通して描かれており、日本情緒を強く感じました。
話は、海炭市に生きる人の幾人かにスポットを当て、それぞれの人の物語をオムニバスで見せてくれます。少し、人と人が話の中で交差するのは、「ヘヴンズ・ストーリー」と似ていました。同じ空の下、同じ町で、個々の人がそれぞれかけがえのない人生を一生懸命生きている、酷いことややるせないことや色々あるけれども、それでも人は生きて、他の人とちょっとつながって、泣いたり、笑ったり、怒ったりするけれど、同じ町には、同じように雪が降り、風が吹き、雨が降り、同じように時が経ち、クリスマスやお正月がやってきて、四季が訪れる…。
ある作家の短編集を映画化したという目で見ると、それなりに見ることができますが、一本の映画としてはちょっと弱い感じがしました。
函館には一度も行ったことがないのですが、行きたいなあと思いました。
今年のCAMERA JAPANでは、映画を5本見ましたが、どれもちょっと悲しい、さびしい話ばかりでした。
体調は良好。


映画「トロッコ」

2011-10-08 09:45:43 | Movie
アムステルダムのCAMERA JAPANのイベントで映画「トロッコ」(Rail Truck)を見ました。
この映画は、台湾を舞台にしています。夫を失った女性と8歳と6歳の男の子が、夫の故郷である台湾の両親の家を訪ねます。映画の中で、登場人物は、時には中国語、時には日本語を話します。英語字幕があるので、中国語の部分はその字幕を読みました。
台湾の歴史、戦前の日本の支配などのことは、私は知っていましたが、ヨーロッパから見れば台湾はとても遠い国なので、こういうことを知るのは初めての人も多かったと思います。台湾は電気製品などでヨーロッパでもよく知られていますけれど、中国の一部だと思っている人が多く、民主政権で独立した国としてやっていることなどはあまりきちんと知られていないように思います。日本人が、パレスチナのことを良く知らないのと同じような距離感です。
この映画、私はちょっとスローだなーと思ってみていました。だいたいの話の流れも予測つくし、あまり新鮮さがない気がしました。
でも、夫の感想を聞くととてもよかったそうです。台湾の風景がとても綺麗で、緑が印象に残ったとのこと。また、歴史を含めた複雑な感情がありながら、お互いに優しく、穏やかな人々の姿に、心が洗われた感じがするとのこと。
私にとっては、台湾の風景は日本に似たところがあり、あまり目新しくはなくて、また歴史のことも知っていたので、そうくるだとうと話の中で思うところもあって、素直に受け取ることはできなかったのですが、遠い国の人から見ると興味深く見ることができたのでしょう。
確かに、これがイランやカザフスタンの話だったら、私はその歴史をよく知らないし、風景も見知らぬものだし、もっとわくわくして見れたと思います。
そういう意味でも、こういう映画は、外国で多く上映されて、見られるとよいと思いました。
監督は川口浩史。主演は尾野真千子。子役がとても自然な演技でよかったです。
体調は良好。急に寒くなりました。体調を崩さないように気をつけなくては…。

映画「酔いがさめたら、うちに帰ろう」

2011-10-03 11:07:02 | Movie
ロッテルダムのCMERA JAPANのイベントで見た最後の映画は、「酔いがさめたら、うちに帰ろう」(Wandering Home)でした。見たいと思っていた映画で、見れてよかったです。
鴨志田穣の原作であること、彼が病気ですでに亡くなっていること、彼の(元)妻が西原理恵子さんで二人の小さな子どもがいたことなどは、映画を見る前に知っていました。
彼がアルコール依存症になって、西原さんと離婚して、入院して、腎臓ガンに冒される頃を、この映画は描いてます。実名ではないので、脚色はあるとは思いますが、かなり現実を反映していると思います。
かなり過酷な悲劇的状態でありながら、映画はユーモラスさでいっぱいです。
また、奥さんが夫を思う気持ちがひしひしとあって、「悲しさ」と「嬉しさ」の区別がつかなくなるような目いっぱいの状況に置かれてしまったとき、それでも淡々と日々を過ごしていかなくてはいけない、人間のしんとした強さに、レスペクトを感じます。
ひとことで言って、良い映画でした。
主人公がカレーが食べたくてしようがないシーンが出てきますが、カレーライスって、日本人のソウルフードですようね。私もときどき、むしょうに食べたくなるので、気持ちがよくわかりました。
監督は、東陽一。出演は、浅野忠信、永作博美など。キャスティングもよいなと思いました。クリニックの医師の役を利重剛がやっていて、なんかぴったりと思ってしまいました。
体調は良好。




映画「Heaven's Story」

2011-09-29 12:51:43 | Movie
CAMERA JAPANのイベントで、映画「Heaven's Story」(ヘヴンズ・ストーリー)を見ました。
4時間半にもわたる長い映画です。途中で休憩が入りました。
長い映画ですが、幾人かのストーリーがそれぞれ展開し、その登場人物が同じ町にいたりして、風景の中ですれ違います。
核になる話の一つに、女性とその赤ん坊を衝動的に殺してしまった青年のストーリーがあります。青年は捕まり、刑務所に入ります。無期求刑となり、青年は「これから生まれてくる人間にも僕のことを覚えておいてほしい」というコメントを発表します。このコメントを聞いて、関心をもった人形作りを職業とする中年の女性が、獄中の青年と文通をし、早期出所を果たしたときには、身元引受人となります。しかし、この中年女性は、若年性アルツハイマーにおかされていて、記憶を失っていきます。
テーマとしては、同じ空の下、様々な人々がそれぞれの理由を持って、いろいろな困難に向き合いながら、懸命に生きているということだと思うんですけど、青年の「これから生まれてくる人間にも僕のことを覚えておいてほしい」というコメントに関心を持つということが、私には理解できず、その点で、この映画はいまひとつでした。「他の人に自分を覚えておいてほしい」って、ある意味、とてもエゴイスティックなことだと思うんですけど…。同じように、「死んでも自分のことを覚えていてほしい」とかいう人もいますけれど、自分ってそんなに大事で特別なのか…と思います。曽祖父や曾祖母のことをまったく知らない人がほとんどだと思いますけど、3世代くらいで、人の記憶はなくなってしまうものです。一世代分くらい、誰かが自分のことを覚えてくれているということはそれほど大切なことなんでしょうか。
また、歴史に名を残したいという人もいますけれど、自分が死んだあと自分の名が残ることと、現在生きている自分とは、ロマンチックな意味合いを除いたら、何の干渉もないように思うのですが…。
暴力的なシーンも多く、どろどろとしたシーンと、何でものない日常の風景の混ざり合いが、良い感じで、長いですが、無理なく最後まで見れました。でも、やたら長いシーンもあり、もっとテンポよく作ることも出来るんじゃないかなと思いました。
監督は、瀬々敬久。アルツハイマーになる女性を、山崎ハコがやっていて、微妙に怖いです。他の出演者は、長谷川朝晴、村上淳、寉岡萌希、菜葉菜など。出演者はだいたいみなちょっと垢抜けない感じなんですが、殺人を犯してしまう青年役の忍成修吾だけが今どきのハンサムな青年でした。
この映画、私にはちょっと重たくて、あまり登場人物に共感ができない映画でした。
体調は良好。


映画「seesaw」

2011-09-28 09:28:54 | Movie
先日のCAMERA JAPANのイベントで見た映画「seesaw」についてです。公園にあるシーソーからとった題名だと思いますが、夫はこの玩具のことを英語で「Seesaw」ということを知らなかったので、説明してあげました。オランダ語では、「wipwap」というそうです。
最初、小さなマンションの中でのパーティの様子からはじまります。若い人たちばかりで、テンションが高く、みな仲が良さそうで、幸せそうです。ハンディカムで撮っているような、ざわざわとした感じがあって、湯気でかすんだような映像でもあり、その場の高揚感を感じさせます。
このパーティは、主人公の女性マコトの親友が結婚を決めたので、それを祝うためのものでした。
そして、マコトは、その小さなマンションでシンジと同棲しています。シンジは、そろそろマコトと結婚したい様子。マコトは、仕事がフリーランスになったばかりで、まだと思っている様子。
今の若い人たちの生活がリアルに伝わってきて、その小さな幸せの様子がひしひしと感じられます。
監督は、完山京洪。この監督さんの名前を聞いたのは初めてだけれど、若いからなんでしょう。1978年生まれです。汚い感じがなくて、すごく瑞々しくて、爽やかな映像があって、私の好みのタイプの映画でした。すごく才能のある人なんじゃないかと思いました。東京の渋谷や中目黒あたりの町の感じも懐かしかったです。
主演は、村上真希。すごく美人というわけでもなく、なんとなく普通にいそうな20代の女性をとても自然に演じていました。とてもよいキャスティングだと思いました。
この映画、知っている俳優さんはまったくいませんでしたが、それがまた良かったです。リアルだった。
若い人の映画なので、若いカップルが見るといいだろうなあと思いましたが、私でも十分楽しめました。
かなりおすすめです。
体調は良好。

映画「Harry Potter and the Deathly Hallows: Part 2」

2011-07-24 09:23:06 | Movie
映画「Harry Potter and the Deathly Hallows: Part 2」(ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2)を観てきました。
日曜日のIMAXシアターでの12:00からの回です。3Dのバージョンです。
ついにハリポタの映画も最終回かと思うと、感慨があります。最初に本で第一巻を読んで以来、その魅力に取り付かれて、最終巻まで読み、映画も公開されるたびに映画館で観てきました。映画版も第一部が公開時、ハリー役のダニエル・ラドクリフ君のかわいさに魅了され、またハーマイオニー役のエマ・ワトソンちゃんも愛くるしかったこと…。映画もまた本と違った別の良さ、興味深さがあって、いつも楽しみでした。
最終回、登場人物もすっかり成人の容貌に近くなって、ダニエル・ラドクリフは真面目さは残しながらもスラッとしたハンサムボーイにはなれず、ロン役のルパート・グリントは子どもの頃からのイメージのまま大人になり、またそれも良しかと思い、エマ・ワトソンは一時期、少しかわいさが落ちたと思った時期もありましたが、知性が感じられる美人に成長しました。以前のPart1を観たときも書いたと思いますが、いちばん驚きの成長をしたのは、ネビル・ロングボトム役のマシュー・ルイス。引っ込み思案で何をやらせても失敗し、級友からはバカにされる役にぴったりの容姿だった彼が、成長した後は背も高くスラッとしたハンサムボーイに。ストーリーにおいても、重要な役割を果たします。
最初から私のお気に入りだった人物はスネイプ。映画でのスネイプ役のアラン・リックマンはあまり私の好みのタイプではなかったけれど、存在としてはやはりお気に入りのままでした。最終回ではすべての謎が明らかにされ、スネイプを信奉してきた者としては、涙の展開です。まあ、本ですでに知っていたので、実際には涙にはなりませんでしたが…。
本を読んでかなり時が経っているので、細かいことは忘れていますし、映画では細かいことはかなり端折っていますので、ストーリーを追うというより、映像のすごさに目を見張るという感じでした。
3Dはところどころ、わっと思う場面がありましたが、大部分は自然な感じで楽しめました。2DはDVDやTV放映時に楽しめると思うので、映画館では3Dで見るほうがよいと思います。最後のほうで、3Dの映像により、座席のほうが揺れ動いているんじゃないかと思う錯覚に陥る場面があり、わくわくする体験をしました。
最新のコンピュータグラフィックスで、ファンタジー文学の中で巻き起こる様々なマジカルな現象がうまく映像化されていて、迫力があり、魅惑されます。
HPシリーズをここまで追い続けたら、見逃すことはできない最終作ですね。
私個人としては、3年ほど前に大病になったとき、もうHPを最後まで読むことができないのかと悲観的に思ったことをよく憶えており、最後まで、本も読めたし、映画も観れたし、生き延びることができたことに喜びの気持ちと、感謝の気持ちが沸きました。そして、こういうエンターテイメント作品は、生きていく上の小さな楽しみとして重要だなあと思いました。
楽しみとしては、話がそれますが、ツール・ド・フランス。3週間、TVで楽しみました。今年のレースは最後のほうまで優勝者が特定できず、はらはらどきどきで面白いレースでした。ルクセンブルグ人のアンディ・シュレックを応援してたけれど、オーストラリア人のエヴァンスが優勝しました。まあ、アンディはまだ若いから是非来年頑張ってほしいです。
体調は良好。しかし、木曜日の夜、右脚の付け根あたりにいつもの痛みが勃発。パラセタモル2錠。金曜日の午後には痛みはなくなりました。また、天気が悪いためになんか元気的には低調です。

映画「Source Code」

2011-06-26 07:35:56 | Movie
日曜日、まだなんとなく旅行の疲れが残っており、あまり活動的な気分にはなれませんでした。
それで、見たかった映画「Source Code」(ソースコード)を見に行ってきました。
この映画は、2、3ヶ月前にTVで見た映画「Moon」(月に囚われた男)と同じ監督です。この「Moon」という映画はSFなんですが面白かったので、「Source Code」に興味を持ちました。
監督の名は、Duncan Jones(ダンカン・ジョーンズ)。デイビット・ボウイの息子さんだそうです。
さて、「Source Code」ですが、電車がボストンの町に向かって走っており、ボストンの町が見えるほど近くなったときに、爆弾が爆発し、乗客全員が死亡します。その爆発8分前に、ソースコードというプログラムを使って、アフガンで活躍した兵士が、乗客の一人の男の中に意識的に成り代わり、爆弾の犯人を見つけようとします。そのために、この8分間が何度も何度も、繰り返されます。最後の最後がちょっと、私には論理的に理解しにくかったけど、それまでは、話自体が明確にわかるように映画が構成されていて、その手腕はさすがだなと思いました。
「インセプション」や「メメント」や、ちょっとジャンルは違うけど「恋はデジャ・ブ」(Groundhog Day)が好きな人にはおすすめです。
主役の男性を演じるのは、ジェイク・ジレンホール(Jake Gyllenhaal)。「ブロークバック・マウンテン」で好演した俳優です。主演女優は、ミシェル・モナハン(Michelle Monaghan)。この女優さんは、顔の造りが派手で、表情が豊かです。
全体的にキャストもよく、大作というわけではないですが、最後まで興味がつきることなく見ることのできる映画でした。
7月にはハリポタ最終作が公開、また「スーパー8」も見たいなあと思っています。
映画から帰って、録画していたF1ヨーロッパ(スペイン、バレンシア)をだらだらと見ました。あまりエキサイティングなレースじゃなかったですねぇ。
体調は良好。旅行から帰ってきて、体温を測ったら、これまで約3年以上37度以上ばかりだったのに、36.4度。次の日も36.9度と平熱じゃありませんか…。嬉しいびっくりです。しかし、デキサメタゾンを服用したら、あっという間に37.5度に上がってしまいました。



映画「Never Let Me Go」

2011-05-01 11:41:31 | Movie
晴天の日曜日、映画「Never Let Me Go」(わたしを離さないで)を観に行きました。
今年のロッテルダム映画祭で上映されていて、観たかったのですが、スケジュールが合わずに観ることができませんでした。この映画の原作者カズオ・イシグロ氏の作品が好きで、原作本も数年前に読んでいました。原書だったと思います。とても良い印象があって、映画化されるということも知っていたので、いつ出来上がるのかと楽しみにしていました。
映画は1970年代のノスタルジックな雰囲気のイギリスにある寄宿舎から始まります。そこに暮らすキャシーとルス、そしてトミー。友情や愛情の感情を育みながら、ちょっと不思議なその寄宿舎生活を18歳まで過ごし、また別の場所に移っていきます。この3人を人生を描くドラマです。
小説はとても美しい印象を受けたのですが、映画も美しかったです。イギリスの美しい風景をうまく挟み込んでいく感じは、ハリー・ポッターの最新作や「ノルウェイの森」を思い出させました。
キャシー役のキャリー・マリガンは役にぴったりでとても良い演技でした。ルス役のキーラ・ナイトレイもうまくはまっていました。私として、残念だったのはトミー役のアレックス・ガーランド。原作の印象と違うんですよね。トミーの子ども時代を演じていた子役は、雰囲気的にぴったりだったのですが、青年になったとたんにまったく違った雰囲気になってしまって、びっくりしました。私の中では、トミーって、もっと控えめな雰囲気の容姿で、朴訥さのある不器用なイメージなんですよね。例えば、ハリーポッターのロンのような。
映画だけ観て、内容が十分伝わるのかどうかは、私にはわかりません。寄宿舎での子ども時代についてのエピソードがもっとあってもよかったかなあ。小説では独特な雰囲気がびしばし伝わってきました。映画では、どうかなあ。
すごくかわいそうな運命を負った人たちだけれども、文句を言わずに、その人生をまっすぐに引き受け、完遂していくところに崇高さを感じました。
別の世界観をふわっと見せてくれる、こういうタイプの映画、好きです。
体調は良好。