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Dutch Life 備忘録

オランダのミュージアム、コンサート、レストランなどについて記録するノート。日常的な雑記も…。

映画「Au Revoir L'été (ほとりの朔子)」@ロッテルダム国際映画祭2014

2014-01-29 15:04:37 | Movie
日曜日に、映画「Au Revoir L'été(ほとりの朔子)」を見ました。
上映会場はCineramaの大きなホールでした。浪人生の朔子が、夏の終わりの時期に海辺の町にある伯母の家へやってきて、そこで過ごすことになります。その町で、いろいろな人に出会います。明るい映像で、セミの声や虫の声が響き、海の波の音が聞こえ、水面に輝く光や、夏の終わりをとても美しく、映し出しています。
福島から避難してきているタカシとの出会い、その心情など、一筋縄ではいかない人々の複雑な思いをさらっと描いています。
少女のひと夏の思い出というよくあるテーマの映画ですが、現代の状況をよく取り入れてあって、興味深かったです。
最後のほうで、タカシと朔子が家出して、その夜に行きついたバーのようなところで、突然外国人のパフォーマーが赤い風船を使ってパフォーマンスをし、それを外国人カップルの客が見ているシーンがあって、それがちょっと唐突な気がしました。田舎町に、外国人たちのシーンですから。
でもこれって、日本人が外国文化の研究をいくらしても、その外国では日本人は外国人でしかなくて、そんなことをするよりも日本人は日本のことを研究したほうがもっと深く理解でき貢献できるのではないかと、朔子がインドネシアの研究者である叔母に質問することと、リンクしているのかなとあとで思ったり。でもやはり唐突で、ここだけ現実味がそがれました。
この映画のプロデューサーで女優としても出演している杉野希妃さんが来場していて、上映前に挨拶をしていました。上映後の質疑応答もあったのですが、私は時間がなくて、全部はその場にいられませんでした。
アドリブでやったシーンについての質問に、タツコの誕生日にみんなで集まってしゃべるシーンは、だいたいの方向性だけ決められていて、あとはアドリブだったと答えていました。
とても良い映画でした。
体調は良好です。

映画「Anatomy of a Paperclip (山守クリップ工場の辺り)」@ロッテルダム国際映画祭2014

2014-01-26 12:42:08 | Movie
日曜日、ロッテルダム国際映画祭へ。本日は、日本映画を3作品、見る予定。
まず最初は12時半からの池田暁監督の「Anatomy of a Paperclip (山守クリップ工場の辺り)」。
中規模の会場は満員。(今回見た映画は全部満員でした。ロッテルダム国際映画祭がビジネスとして成功しているんだなと思います。チケットは一枚11ユーロで、普通は9ユーロくらいで映画が見れるので、高めです。)
淡々とクリップを作るだけの工場、帰り道にある定食屋、下宿の部屋を舞台に起こる冴えない男が主人公の物語です。
スケッチというか、コントのような話と場面で、独特の味わいのある映画です。
監督自身が創り出した言語を話す女と男が登場し、その訳のわからなさは笑いを誘います。
会場では、ところどころで笑いが起こり、いい感じ。でも、はっきりいうと、私はまったく笑えなかったです。下ネタというか、汚い表現が多く、ちょっとね。
でも暴力シーンとか、声高な言い争いとかがまったくなく、ほのぼの感が漂っています。
こういうの好きな人は多いかもと思いました。
本日見た他2本についてはおいおいブログをアップします。
ロッテルダム国際映画祭は、2月2日までです。
体調は良好です。

映画「The Great Passage(舟を編む)」@ロッテルダム国際映画祭2014

2014-01-24 19:39:21 | Movie
ロッテルダム国際映画祭(IFFR)で映画「The Great Passage(舟を編む)」を見てきました。
ロッテルダムは少し遠いのだけれど、この映画が見たくて、金曜の夜に行きました。原作の三浦しをん著「舟を編む」をよみたいなあと思っていて、文庫になったら読むと決めていたのですが、映画のほうを先に見ることになりました。
英語のタイトルは「The Great Passage」で、このタイトルがピンとこなかったのですが、映画内で作成している大辞典の名が「大渡海」ということで、意味がつながりました。
職場の雰囲気(辞書編集は地味)とか、主人公の下宿先の様子とか、ちょっと設定の1995年にしてはレトロすぎる感じもしましたが、主人公の真面目な感じが強調されてよかったのかもしれません。
真面目にこつこつ一つのことに取り組んで完成させる素晴らしさを教えてくれる、よい映画でした。
教授役で加藤剛が出演しているのですが、大岡越前のイメージが強すぎて、ええっという感じでした。
大きな会場での上映で、この回は満員売切れでした。映画上映後すぐに拍手が沸きました。
日本語の辞書の編纂、日本語の言葉についての意味など、日本語がわからないとわかりづらい部分も多い映画ですが、外国人の観客にも面白さは伝わったようです。
とても良い映画だと思いました。
体調は良好です。


映画「天地明察」

2013-10-05 13:55:42 | Movie
日曜日に最後に見た映画は「天地明察」。冲方丁著の原作を読んでいて、それがとても面白かったので映画を見てみたいと思いました。
本では安井算哲の半生を描く上下巻の長い物語。映画になったらどうなるのかなあと興味津々でした。
監督は、「おくりびと」の滝田洋二郎監督です。
やはり映画では原作と違う部分かいくつかありました。例えば原作では安井算哲は最初の妻が病弱で死に別れますが、映画ではその部分はまったくありません。また、山崎闇斎の死に方も違っていました。
本のほうが当然ながら背景の説明などもうまく織り込まれており、その時代の歴史的事実も理解することができ、よかったです。
また好き好きでしょうが、岡田准一もちょっと私の主人公イメージとは違っていました。やんちゃな侍のイメージが強く、なんか数学や天文学に没頭してしまう学者肌の人物とは重ならない感じがしました。
ところどころコミカルな部分もあり、141分の長い映画ですが、飽きなく見ることができました。
登場人物が多いので、外国の観客には少し難しいのではないかなと思いましたが、夫はそれなりに楽しんだようです。
今回、Camera Japan Festivalでは4本映画を見ましたが、いちばんよかったのは「東京家族」でした。
体調は良好です。

映画「綱引いちゃった!」

2013-10-02 11:38:04 | Movie
日曜日に見た2本目の映画は「綱引いちゃった!」でした。英語の題は「Tug of War!」。時間合わせに選んだ映画でした。観客は8割方が日本人じゃない人々。でも、かなり笑いをとっていました。
大分市の地域興しを目的に女子の綱引きチームが結成され、そのメンバーは中年女性が大半。彼女たちが持つそれぞれの悩みなども描きながら、スポーツコメディタッチで面白く話が展開します。
綱引きってとてもマイナーなスポーツでなんかかっこ悪いイメージもありますが、競技の内容を見ていると、面白そうだと思いました。最後の試合の様子など、見ていて力が入ってしまいました。
スポーツはできないけれど、元気だったらやりたいなあと思いました。
私は楽しみましたけれど、夫はいまひとつだったそうです。なんかがやがやと騒がしいばかりに感じたそうで、ユーモアもいまひとつだったそう。
井上真央さんがとてもかわいくて、よかったです。
体調は良好です。


映画「東京家族」

2013-10-01 15:46:30 | Movie
金曜日と同じく日曜日もCamera Japan Festivalの日本映画を見にロッテルダムに出かけました。今日は、3本見ました。まず最初に見たのが「東京家族」でした。
1953年作の小津安二郎監督の「東京物語」のリメイクですが、私は「東京物語」は見たことがありません。
ストーリーは、東京に住んでいる3人の子供に会うために、老夫婦が東京を訪れます。しかし、東京の子供たちはそれぞれ忙しく、ゆっくりと老夫婦を東京見物に連れて行ってあげる時間がありません。でもきちんと生活している子供たちを見て老夫婦は安心します。
都会の景色と、田舎の景色の比較がとても素晴らしく、またこういう家族が日本にはたくさんいるだろうなと共感する部分が多く、良い映画でした。
でも田舎で連れ合いに先立たれた場合、老人独りで生活するのはたいへんだろうなとも思いました。かといって、都会へ連れてきて暮らさせるのも無理が大きいと思います。田舎で周りの手助けが得られる場合はよいでしょうが、そうでない場合もままあるでしょう。
長男が医者になっているこの老人に向かって、彼の友人が「お前は幸せ者じゃの。長男は立派になって」と言い、「幸せじゃない。できれば、田舎に戻って開業してほしかった。残りの二人の子もみな東京へ出てきてしもうた」と答えるシーンがありますが、これって田舎に残された親の本音なんだろうなと思いました。
体調は良好です。しかし最近、たくさん食べたときなどに胃痛に悩まされることがあります。医師に相談して胃薬を処方してもらおうかなと考えています。




映画「桐島、部活やめるってよ」

2013-09-27 10:23:43 | Movie
ロッテルダムで毎年秋に行われるCamera Japan Festivalで上映された映画「桐島、部活やめるってよ」を見てきました。Camera Japan FestivalはCameraが付いているので写真か何かのイベントかなと思われる人もいるかと思いますが、日本映画が多数上映されるイベントで、生け花やファッションショーなど日本文化と絡む催しものも行われます。日本のミュージシャンも毎年来日し、今回は少年ナイフでした。日にちが合わず私たちは少年ナイフは見れなかったのですが、夫が見たかったと残念がっていました。
さて「桐島、部活やめるってよ」ですが、かなり日本では好評だったようで、その評判が私の耳にも伝わっており、見たいと思いました。
高校を舞台にした、映画部の部長、文化部を代表する吹奏楽部の部長、スポーツ万能でカッコイイ人気者の生徒、バレー部のスター選手桐島などをめぐる物語なんですが、自分の高校時代を思い出して、それぞれに同じような生徒がいたなあと思うことがありました。野球部の練習熱心な部長とかも。また、自分中心的でかわいい身繕いばかりに熱心な女子とか。
ストーリーのあらましをすでに知っていたせいか、鑑賞後の感想は「まあまあ」でした。
それにしても、神木隆之介の演技はとてもよかったです。
体調は良好です。ノドの痛みは消えました。

映画「Elysium(エリジウム)」

2013-09-18 09:01:05 | Movie
半年以上ぶりに映画館へ映画を見に行きました。
その映画は「Elysium(エリジウム)」。夫が見たいと言い、調べてみたら良さそうだったので、この映画にしました。
マット・デイモンが主演の近未来SFアクションです。大気汚染や人口爆発で地球はスラム街化しており、一部のお金持ちエリートは、地球の外に衛星コロニー「エリジウム」を作り、そこに緑豊かなリゾート地のような楽園を作り、住んでいます。そこでは、ロボットたちが家来のように仕事をし、どんな病気でも瞬時に治してしまうカプセル型の治療器が各家庭に一台備えれています。一方地球では、大量の人々がぼろ家に住み、ほとんどの人が仕事がなく、劣悪な環境に住み、十分な医療を受けられません。
この状況、現在の先進国と貧しい国々との格差のアナロジーに読み取れます。
不治の病のかかった人などが闇のルートで大金を払ってなんとか衛星コロニー「エリジウム」に密入国しようとしますが、ほとんどが撃ち落されてしまいます。
ここでも、難民が豊かな国に押し寄せる事実を透かして見ることができます。
主人公も事故で被曝してしまい、「エリジウム」で治療を受けなくては死んでしまう事態に陥り、ここからアクションが連発して、最後にはどうなるかというお話です。
エリジウム側のボスの役で、ジョディ・フォスターが出てきます。かなりはまり役です。
監督は、ニール・ブロムカンプで、映画「第9地区」でブレークした人です。南アフリカ共和国出身で、今回の「エリジウム」でも飛行もできる大きな起動戦車のような乗り物に南アフリカ共和国の国旗に似たものが付いているのを目撃しました。
2時間くらいの長さの映画ですが、アクションが多くてストーリーもわかりやく、楽しめます。
日本では9月20日公開予定のようですね。
体調は良好です。

映画「Life of Pi」

2013-02-17 13:46:12 | Movie
最初は見なくてもいいかと思っていた映画「Life of Pi(ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日)」。
しかし、映像がすばらしいという評判を聞き、やはり大きなスクリーンで3Dで見なきゃ意味がないかもと思い出して、見ることのできる映画館を探したら、時間の関係もあって、AmasfoortのPatheで10時40分の回を見つけました。
車でちょっと時間がかかるけれど、駐車場もそばにあるし、またVIPシートのみのホールでの上映とのことで、VIPシートは初めてだったので興味もあり、行くことにしました。
VIPシートって、皮ばりの椅子がとてもゆったりしていて、心地よかったです。2ユーロくらい、通常よりチケットが高かったです。観客数は少なく、人の頭でスクリーンがさえぎられることなく、観ることができました。
インドで動物園を経営していた一家が、インドから動物とともに貨物船でカナダへ渡る途中で、船が沈み、16歳の少年パイがシマウマとオランウータンとハイエナとトラと共に漂流することになり、次々と動物たちが亡くなり、トラと二人きりになって…。というストーリー展開なんですが、最後でやっと納得がいくようなオチがあります。
ほとんどがCGとのことですが、大海にトラと二人ぼっちで、美しい光景の映像が印象に残りました。
スクリーンの形は横長というよりは、正方形に近い形で、珍しかったです。
実はこの原作本が家にあります。夫が随分前に興味をもって買ったのですが、動物たちがしゃべったりして、あまりにも非現実的で、途中で読むのをやめたそうです。
確かにこの話、とても寓話的な要素をもったファンタジーです。
体調は良好です。


映画「レ・ミゼラブル」

2013-02-06 11:44:28 | Movie
金曜日、ユトレヒトのWolff Cameraで「レ・ミゼラブル」を観ました。2時間半くらいの長めのミュージカル映画です。
Wolff Cameraという映画館は運河沿いにあって、あまり大きくありません。初めて行ったのですが、小さなホールで、画面も小さく、ちょっとがっかり。でも、指定席制で、前の人と重ならないように席をふってくれるので、画面がまるまるちゃんと見え、とても快適に観ることができました。
主演は、ヒュー・ジャックマン。私はこの俳優が好きです。日本に居た頃、直に記者会見で見たことがあり、そのときの感じがとてもよかったんですよね。
しかし、この映画で以外によかったのが、ラッセル・クロウ。悪役なんですが、彼の低い歌声がかなりいいです。私としては、ヒュー・ジャックマンより好みの響く低音でした。
また、アン・ハサウェイの歌声も高くとてもきれいでした。
他の役者さんは、ミュージカルの人なのか、歌声はばっちりでした。
「レ・ミゼラブル」のミュージカル劇のほうは、日本とイギリスで一回づつ観たことがあるのですが、随分昔のことで、ストーリーはいまひとつはっきり覚えていません。「ああ無情」は子どもの頃に読んだ覚えがあるだけ。
でも、だいたいの曲に馴染みがあり、とても楽しめました。
日本のレビューを見ると、この映画は5つ星のうち、4つ星か4.5星という高評価なのですよね。オランダでは、大体3つ星くらいで、あまりヒットしていないみたい。まあ、日本では「レ・ミゼラブル」のミュージカル自体が大ヒットしてロングランだけれど、オランダではまったくそんなことはないからかも。フランスが題材というところが理由のひとつにはあるんじゃないかって、個人的には思います。
体調は良好です。咳がでなくなりました。