試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3700形3706[3708F-2] 1次車 現行仕様 前期リニューアル工事施工車 (動力ユニット更新:旧動力台車枠転用)

2018-02-20 21:31:37 | 京成線:3700形
統一。

グリーンマックス製京成3700形3706後期仕様(1次車:3708F-2)を入場させた。
3708F-2の現行仕様化では最重要項目を有する。
外観の小変更に加えコアレスモーター搭載動力ユニットへの更新を図り走行性能の向上を図る。


京成3700形3706 1次車 後期仕様(3708F-2)。

3706は登場時仕様(元3708F)時代に2個モーター搭載動力ユニットからコアレスモーター搭載動力ユニットへ更新している。
当時はまだTNカプラーSPがコアレスモーター搭載動力ユニットに取り付けられるか不明だった。
直後には3400形3408F前期仕様(3408F-3),3798F中期仕様(4次車→現行仕様:3798F)のリニューアル再生産品回着も控えていた。
そこでコアレスモーター搭載動力ユニット分売品(18m級)を投入しTNカプラーSP化の試行へ踏み切っている。




動力ユニット更新車竣工第一号だった3706登場時仕様(元3708F)。

TNカプラーSP化は実質的に動力台車のロアフレームを加工するだけで可能だった。
試作品はTNカプラーSP化を終えながらも動力台車枠都合で暫く用途保留になっている。
しかしせっかくのコアレスモーター搭載動力ユニットを眠らせておくのは勿体なかった。
そこでジャンク車両からFS-547非動力台車を供出しコアレスモーター搭載動力ユニット用動力台車枠へ加工した。
入手出来たFS-547非動力台車枠はサックスブルー成形品だった。
よって自動的に3706が動力ユニット更新試行車に挙がっている。
FS-547非動力台車枠の転用は成功し3706は誉れある動力ユニット更新車第一号となった。
その後元3708Fは灰色成形台車装着編成だった3818F中期仕様(5次車:3818F)と台車交換を行った。


TNカプラーSP装着コアレスモーター搭載動力ユニット試作品を受け継ぐ3816(3818F)。

台車交換入場時の3818Fは動力ユニット更新が遅れ2個モーター搭載動力ユニットのまま存置されていた。
3818FのTNカプラーSP化は3706での動力ユニット更新試行より3箇月早かった。
その結果3816は2個モーター搭載動力ユニットが流用され復心スプリング固定の鉄釘を廃したTNカプラーSP擬3を製作している。
TNカプラーSP化済だった元3708Fは灰色成形FS-547(047)台車に入れ替わりプロトタイプを再選定する必要が生じた。
そのため3816中期仕様へ動力ユニット試作品を譲った3706は更新を行わないまま2個モーター搭載動力ユニットに戻されている。
今回の入場で3706は二度目の動力ユニット更新が行われる珍しい車両となった。


入工中の3706。

動力ユニット更新過程は時間を要する。
車体関連の整備を先行させ前期リニューアル工事施工車化を済ませる工程とした。
3706の妻面窓セルは容易に撤去出来た。
側面窓セルの一部固定窓化再現は3702での方法を踏襲し車体中央から方向別に進めている。
失敗確率は大幅に下がり単独入場でも問題ないだろう。
動力ユニット更新車は床下機器部品の取付位置から動力ユニットの着脱が難しくなる弱点があった。
後に側面窓セルを車体へ固定し整備性向上に繋げている。
分解した序であり先に側面窓セルをゴム系接着剤で固定した。


2点止めで車体に固定された側面窓セル。

ゴム系接着剤は動力ユニット用嵌合爪裏面へ塗布している。
車体と側面窓セルが一体化されるため動力ユニット撤去時は隙間を設けるだけで済む。
着脱を難しくさせる原因は嵌合爪の偏位だった。
側面窓セルの撓みを防ぐ事が第一優先で接着部は片側2箇所のみでも十分な効果が得られる。
流し込み接着剤では剥離する可能性を否定出来ず溶着しないゴム系接着剤を用いている。
現在動力ユニット更新車の側面窓セル固定は完了しており不都合は生じていない。


車体整備を終えた3706。

妻面窓セルを微量の流し込み接着剤で溶着し車体関連の整備は終了となった。
屋根板を嵌め込み主工程の動力ユニット更新に取り掛かる。
3700形の動力ユニット更新車はFS-547非動力台車を動力台車枠へ転用した車両で占められる。
しかし3706の入場までに灰色成形FS-547非動力台車を履くジャンク車両を導入出来なかった。
そのため3150形用KS-116,FS-329C,3400形用FS-383に続く2個モーター搭載動力ユニット用FS-547(047)動力台車の動力台車枠化に挑む。


更新準備中の動力ユニット (3706用,3706用)。

3706への装着に備えコアレスモーター搭載動力ユニットのTNカプラーSP化を先行させた。
動力台車のTNカプラーSP対応化は試作品から殆ど変わっていない。
ロアフレームの嵌合爪上部を残してカプラーポケットを切除した。
集電板は後期動力ユニット更新車及びリニューアル再生産品等で取り入れた黒色化を施す。
灰色成形FS-547(047)動力台車では板バネモールド間からの真鍮色露出が目立つ。
外観から見える可能性のある箇所をマッキーで塗り潰した。


TNカプラーSP対応化された動力台車(上野寄)。

油性インクとは言え金属面への塗布では耐性に期待が持てない。
念の為三重に塗りその後は無用な接触に注意している。
手慣れたコアレスモーター搭載動力ユニットのTNカプラーSP化であり作業は順調に進められた。
次は2個モーター搭載動力ユニットから所用部品の撤去に移る。
床下機器部品流用は京成形式の動力ユニット更新に欠かせない。
ゴム系接着剤で固定された床下機器部品と台枠との間に平刃を差し込み梃子の原理で剥離した。


流用部品を撤去した元3706用2個モーター搭載動力ユニット。

3700形の動力ユニット更新車から捻出された2個モーター搭載動力ユニットは緊急予備を兼ねさせてきた。
3706ではFS-547(047)動力台車まで利用するため動力ユニット本体だけが予備品へ廻る。
駆動状態は悪くなく現役の2個モーター搭載動力ユニットが不調に陥った際の予備品になるだろう。
なおTNカプラーSP擬3は3150形のTNカプラーSP擬装着車への転用かSPフレームTNダミーカプラー化する予定である。


分解した2個モーター搭載動力ユニット用FS-547(047)動力台車(成田寄)。

2個モーター搭載動力ユニット用FS-547(047)動力台車は側梁だけを使用する。
線路方向前後の嵌合爪を外し導電板と車輪を撤去した。
FS-547(047)動力台車枠もKS-116,FS-329C,FS-383と同じコ字形でロアフレームと一体成形されていた。
側梁の破損を防ぐ狙いでコ字形成形部を一部残しロアフレームから分離させている。
切断面はクラフトナイフで大凡の平滑を出した後に#400のペーパーで均した。


側梁のみになった元FS-547(047)動力台車枠(上野寄)。

続けて軸箱内側にピボット軸受を設ける。
開孔用のドリルはΦ1.5mmでKS-116,FS-329C,FS-383各動力台車枠と同径にした。
深さは従来の1mmから0.5mm程度に変更している。
FS-547(047)動力台車枠の接着はゴム系接着剤に頼る。


新設したピボット軸受。

3706から3点支持をより強固にするため意図的にピボット軸受を浅くした。
ゴム系接着剤は全て動力台車枠内側に塗布する。
動力台車枠取付台座部はモールドからはみ出さない程度に留めた。
一方でピボット軸受部は内側と面一まで盛っている。


完成したコアレスモーター搭載動力ユニット用FS-547(047)動力台車(成田寄)。

3706のFS-547(047)動力台車枠は台車枠取付台座中心からピボット軸受中心へ変更となった。
動力台車枠に取付脚が無く取付台座の固定を幾ら強化してもその後の位置がなかなか定まらなかった。
ピボット軸受への接着剤量が増加し位置調整の手間は大幅に軽減されている。
軸受からはみ出したゴム系接着剤はほぼ固着が確認出来た時点で丁寧に除去し見附を整えた。
動力台車枠の固定も早くなり床下機器部品移設準備中に殆ど動かなくなっている。


スペーサーを追設した床下機器部品。

床下機器の最低地上高は3703(3708F-2)へ近付ける。
動力ユニット更新車では床下機器部品取付台座へのスペーサー接着が欠かせない工程である。
スペーサーはt0.5mmのプラ板で再用品である。
山側と海側の取付位置差異は再用したプラ板の裁断都合で生じた。
全面にスペーサーを貼付する必要は無く両端と取付ボス付近にさえ設けられれば問題無い。
動力ユニットへの固定はゴム系接着剤を用いる。
その後車体と嵌合させ線路方向及び枕木方向の位置を整えた。


更新を終えた3706用動力ユニット (元3706用,3706用)。

再び動力ユニットを撤去し床下機器部品両端へ流し込み接着剤を投入する。
これは経年による下垂防止対策で固定補助名目ではない。
先行して側面窓セルを接着していたため着脱は労せずに行えた。
FS-547(047)動力台車枠取付と床下機器部品移設で動力ユニット更新工程はほぼ終了となる。
床下機器部品の固着を確認した後車体と再嵌合させた。


3種のコアレスモーター搭載動力ユニット搭載車 (3766,3726,3706)。

3706より以前に製作した灰色FS-547動力台車枠はサックスブルー成形品を塗装変更したものである。
リニューアル再生産品以降のコアレスモーター搭載動力ユニット標準搭載車を加え3種類目が登場している。
微妙に色温度の違いがあるものの基本的に車体裾の影になりやすく大きな差異にはなっていないと思う。
3700形では初採用だった2個モーター搭載動力ユニット用FS-547(047)動力台車枠の転用も成功に入れて良いだろう。




3706現行仕様前期リニューアル工事施工車(3708F-2:動力ユニット更新,側面窓一部固定化再現施工)。

動力ユニット更新を終え3706が竣工した。
同時に3700形の動力ユニット更新も完了し2個モーター搭載動力ユニット搭載車が消滅している。
3400形は一足先に全編成の動力ユニット更新を終えた。
残る2個モーター搭載動力ユニット搭載車は3150形のみとなる。
その3150形も3162F現行色晩年仕様(3162F-5)の灰色成形KS-116台車化を契機に動力ユニット更新車が登場した。


3150形初の動力ユニット更新車となったモハ3160(3162F-5)。

後に増備した3174F現行色前期仕様+3186F新赤電色2両口(3174F-2)も動力ユニット更新を並行し出場させている。
2個モーター搭載動力ユニット用動力台車の台車枠転用はKS-116動力台車を加工した試作品が大きな存在となった。
モハ3172(3174F-2)はFS-329Cを履くため一発勝負を嫌い更新前にKS-116台車で動力台車枠転用を試行した。
現在KS-116を履いたコアレスモーター搭載動力ユニットの試作品はモハ3156新赤電色(3158F-3)に装着中である。
今後も2個モーター搭載動力ユニット搭載車の漸減傾向は止まらないと思われる。


3707+3706 (3708F-2:前期リニューアル工事施工車)。

3706の整備工程は動力ユニット更新に注力した。
これで3708F-2の再入場予定車は3704と3703の2両で側面窓一部固定化再現が中心に戻る。
窓サッシ印刷の塗り潰しを方向別に改めたため油断しない限り失策は防げると思う。
施工前の妻面窓セル撤去さえ順調に進めば無難に竣工を迎えられるだろう。

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