樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

持続可能な住まいとは、このことぞ! 1

2007-10-08 | 近くの山の木で家を建てる意味
昨日 当社で上棟させて頂いたE様邸です。
ご先祖が植えられて、お父様を含め丁寧に手入れされてこられた
ご自分の家の山の木と 滋賀県の柱100本プレゼントで
建築された この辺りの伝統工法の住まいです。

お施主様のお父さんは「洋風の家でいいやないか」と
おっしゃったそうですが、30代のお施主様が
このような伝統工法で建てたいと おっしゃったそうです。

うれしいですねぇ。

又 おいおい工事の進み具合で報告していきます。

しかし、大きなお宅です。
お施主様自身 お寺みたいやなーとびっくりされていました。

きっと、伐採された山も植林され 又 まだ見ぬ子孫の為に
伝えられていく事でしょう。

建設地は 米原町下丹生で この辺りは仏壇の彫刻が盛んなところです。
偶然にも 以前「0(ゼロ)から始める家づくり」でおじい様が植えられたという木で建築させて頂いたHさんとお施主様は 同級生でした。

木の文化が残っていたり、ご家族が山を大切にされてきたのを知っている方の木や山を思う気持ちは、たとえ今 直接 山にかかわっていなくてもきっと受け継がれていくのではと思いました。

もう一つ大切な事。

この地域でも このような伝統工法は少なくなってきました。
どーんと松の丸太の梁が使ってあり、壁も竹小舞を編んで
土壁を塗ります。

これは すべて土に還る素材です。
呼吸する家でもあります。化学物質もありません。
何百年という耐久性が日本で唯一立証されている工法です。

でも 最近建てらる軒数が少ないので 
技の伝承が大工も左官にもされずにいます。
これも 絶対 途絶えさせてはいけません。

今の建築基準法の歴史など とても浅いのです。
又 地方の気候風土により 建方は違います。

今回、私が小さい頃から知っている棟梁と その息子さんが
一緒にいらっしゃいました。
棟梁が息子さんに教えていらっしゃる光景を目にし
すごく うれしくなりました。
しっかり 覚えてくれよぉーと 心の中でエールを
送っておりました。

雁行の腕


雪深い地域なので、軒を支えます。
「雁行の腕(がんぎょうのうで)」と読みます。
検索しても出てこないので この地域の独特の言い方なのかもしれません。

設置する前は、こちらを参照してください。アートです。

ついでに 上棟までの過程は こちら

とても大きな家なので 二日がかりで日も暮れるまでかかりました。

やっと 形になって ほっと一息された棟梁やお世話になる工事の方々です。

おとこ前を揃えました。ハハハッ

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (市川純雄)
2007-10-10 10:51:27
上棟までの工程拝見しました。基礎、柱、軒下とても頑丈そうです。数代住み続けられる家ができそうです。後継者がずっと住み続けられる社会であってほしいですね。
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文化財になるかも・・・ (樹子)
2007-10-11 18:06:21
実に すごい家です。

充分 100年以上は 住めそうですね。
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