樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

山のおじ様方に学ぶ 森林を守る為の心構え

2007-10-06 | 持続可能な社会
「林業新知識」
林業の事をぜんぜん知らなかったので勉強にと読んでいる業界誌です。

森林科学者である藤森隆郎氏が、森林の中の作業道づくりの第一人者である 林業家 大橋慶三郎氏にお話を聞かれた記事が載っていました。

現場で自然を相手にしてこられた方のお話は、とてもカッコイイ。

くちゅくちゅ あーでもない こーでもないという資料ばかりを最近読んでいたので ちょっとゲンナリしかけていた所だった。

......................................
・中途半端の知識で人間の理屈でやるんやったら、
 自然の通りにしたほうがええ。
・人間も嫌いな事をされたら腹が立つように、山も怒る。
・あそこへ道をつけたら木が出しやすいとか、
 見晴らしがいいとか、人目に美しいとかの
 人間の都合にあわせるから、道がつぶれる
 そうだ。

林業は工業みたいにいかないし 
世の中の時間と林業時間はものすごく違うという事を心して 
取組まなければいけない。

そもそも、気候風土も社会情勢もドイツ林業を一生懸命真似して 日本国中画一的にしたのが まずいらしい。

そうなのよぉー。
私は大学の森林科で んな事を教えているのか知らないけど 建築科で木造なんてほとんど習わないですよぉー。

私も建築士の免許持っていて、もちろん建築の確認申請も出せるのだけど ほんとに木造建築に必要な知識なんて必要とされてないの。

日本にこんなに木造の家が多いのに…。

そして、その木造を知らない良い大学を出た方なんかが、
建築基準法作っちゃうのよねぇ。
西洋の論理で…。
こんなにすごい世界に誇れる木の文化と伝承されてきた技があるのに…。

広葉樹は植えてはいけないという 山を見てきた人と同じように 

木材を本当に触っている人は 今の人工乾燥させた木が良くないことは感づいている。
もちろん、無意味な金物やせっかくの工法の邪魔をするものを入れなければならない事もある。

木材自体も、工業的な時間の感覚で進めてられているのが 
そもそも色々な問題をおこして、それが又違う問題になりつつある。

突拍子もないが、これは住宅金融公庫の政策のあり方が問題だったし
金融機関も一緒になって対策を考えてもらわないと 持続可能な森林や長持ちする木造住宅は建てられない。

外国と日本では、自然は違う。しかも、日本の中でも違うと書いてある。
そう 建築も本来は違うのよね。徳島のTSウッドさんの図面見て驚いた。

藤森さんのコメントに 大橋さんの山の施業は
体を使って自然と向き合い、
自然の掟と
人間の欲望のかみ合うところを求めて
知恵を働かせた産物である


おもい言葉である。

ご興味のある方は、ぜひ本を手に入れて読んでください。

うぎぉーーー。
やっぱり あった。本棚に…。
読もうと思って買って すっかり忘れていた。。。
藤森先生 ごめんなさい。これから 読みます。



あわせて買いたい



「グッド・ニュース―持続可能な社会はもう始まっている 」
以前にも紹介しましたが、
もう間に合わないかもしれないと思い始めていた私に
希望を与えてくれた一冊です。
自然や ずっとそこで生活をしてきた地元の人や
長老の話や言い伝えにこそ、これからの持続可能な社会を築く
ヒントがあると教えてもらいました。

二冊とも とーっても分厚くて内容も濃いので 
半年は充分楽しめるかなという
超お得な一生バイブルにしたい本です。www

森林生態学は まだ こってり読んでないけど…。wwww

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