中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

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比叡山で感じた【おごりと謙虚さ】

2018-10-31 21:21:49 | 組織開発・社風改革
こんにちは。
(有)人事・労務 社会保険労務士の畑中です。

比叡山延暦寺に行ってきました。



今回、運よく千日回峰行を行った藤波源信阿闍梨の
お話をきくことができました。

千日回峰行とは、比叡山にこもり、1日40キロほどの山を
毎日歩くなどの修行を1000日にわたって
続けるという、もっとも厳しい修行です。



途中には、お堂に入り9日間も飲まず食わずで
修行をする「堂入り」というものもあるとか。

そんな厳しい修行をした、お坊さんはどんな
いかめしい人かと想像していたら、
言葉は悪いですが、「とても明るい関西のおじさん」という
雰囲気で、そのざっくばらんな話しぶりには
おどろかされました。



ただ、いろいろお話を聞いているうちに
単に明るい、というのではなく、
ものごとへの執着心がないというか、さっぱりとしているというか
やはりそれだけの修行をされて、
普通の人には見えない心の領域に達しているように
感じました。

これは、この方以外にお会いした修行されているお坊さんにも
共通するのですが、とにかく「謙虚に」「おごらない」という
ことを盛んに言われます。
そして、実際そのような雰囲気をだされています。

ひとつ、藤波さんのお話で印象に残っているのが
千日回峰行は、実は「1000日ではなく975日で修業をやめる」
そうなんです。

え、千日回峰行って言っているのに、25日も足らないじゃん!
と、思ってしまいましたが
「1000日やれば、達成感がでてしまい、おごりが出てくる。だから
あえて、1000日はやらない」というのです

なるほど、周囲から「1000日も修行してすごいですね」と、その後の人生
ずっと言われ続けるわけで、それを言われるたびに
「実はまだ25日残っている」
と思い、謙虚な気持ちになるというのです。

これって、すごく人間の心理をついていると思いました。

何かが足りないから謙虚になれる
何かを達成した(と本人が思ってしまった)ところから、
人間の慢心は生まれるのだなと。

会社での人材教育も全く同じことが言えます
何かにチャレンジさせ、成功体験を経て自信をつけさすことは
とても重要ですが、そのことに満足してしまい
それがおごりや謙虚さをなくしてしまうことになれば
それで成長はとまってしまいます。

それどころか、おごりからは、せっかくの成功体験を
悪影響にかえてしまうことすらあります。

私もそろそろ50歳が見えてきました。
どうしても「これからやりたいこと、できていないこと」
よりも、「これまでやってきたこと。がんばって成し遂げたこと」
の、話をすることが多くなってきたような気がします。

うーん、おごりの領域に入ってきている・・・。



たった2日間の滞在でしたが、多くの修行僧の方らからお話を聞き
写経をし、座禅をし、普段とは違う空間で、
少しですが、今の自分を見つめなおせたような気がしました。