ミシュランで取り上げられ、年間最多の登山者が上る「高尾山」は八王子で最も全国区の名所です。
麓からモノレールで到着する駅にはビヤガーデンがあって、夏の頃には多くの客で盛況です。
標高599mの低い山ですが、迷ってしまう来訪者が多く、こんな場所でも遭難者として捜索されます。
カシなどの常緑広葉樹や照葉樹、ブナ・ナラなどの落葉広葉樹、モミ・ツガなどの針葉樹などが豊かで、一つの山でいろいろなキノコが採れるので楽しめる低山です。
ブナ樹林ではナメコが採れ、モミの木の樹下にはモミタケが採れ、ナラ樹林では多彩なキノコが採れます。
山菜も豊富で、地元の年寄り達は季節になると、カゴを持って山菜採りに興じます。
自然薯・アケビ・コシアブラ・タラの芽はたくさん採れるようです。
中国から地中海に通じるシルクロードは、誰も知る世界規模の通商路ですが、当地にもシルクロードと名を冠する通商路があります。
群馬県桐生の絹糸を八王子に運び、八王子では絹糸を色染めや機織りして反物にしたものを横浜港まで輸送する通商路を「絹の道」と称して、今でもその道が残っています。
里山の中を抜ける細い踏路ですが、その昔は通商路だったことを伺える景観です。
桐生から横浜まで通る絹の道は、八王子を過ぎてからは今の16号線に変わってしまいますが、桐生から横浜までの長い道が通商路としてあったのです。
トレッキングシューズを履いて、今も残る里山の中の「絹の道」の一部を踏破したことがありますが、昔の人はこの狭く凸凹した道を、反物を積んで荷車を進めたと思うと感心します。