旅番組などで竹林の新竹の子掘りが放送されていた。御多分に漏れず、栽培竹林で竹の子 を掘り出した後、「エグ味が無いから刺身で・・・」と言われ、竹の子の皮を剥いて、ナマの竹の子をボリボリと齧る。「甘~い」「美味しい」と約束通りのコ メント。当の竹林農家自身は竹の子をナマで食べたりはしない。日差しを受けていない、まだ深い土中にある竹の子は、確かにエグ味は少ないが、それでも蓚酸 やエグ味が多少あって、ことさら美味しいものじゃない。皮つきのままホイルに巻いて、たき火にくべて焼いた竹の子は誠に美味しい。生で齧って「ナマで食べ るほどのもんじゃないね」と言える本当のコメントを出せるタレントはほとんど見ない。
スーパーで売っているウドは暗室で栽培しているので、光合成をしていないから全体が白 い。モヤシと同じで全体が白いし、外皮も薄くて柔らかい。根本から葉先、外皮まで料理に使えるから栽培ウドは料理屋に都合が良い。天然のウドは光合成をし ているので、真っ白という訳にはいかない。土の中に隠れている部分は白いが、地上に出た茎から葉先まで緑で、外皮は厚く固い。天然山ウドは貴重な山菜だか ら、多くの場合、茎を剥いた外皮はキンピラ料理に使う。刃先は天ぷらが合う。地下茎の白い部分はナマ齧りやスライスして酢の物になる。贅沢に食べるなら、 外皮を剥いた茎を厚くスライスして天ぷらだろう。天然山ウドは栽培ウドに比べて、はるかに香りが強い。山菜の王様と言われる。