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メインストリートのうつけもの

ロックンロールにゃ歳だけど、死ぬにはチョイト若過ぎる?

「マーダー•ライド•ショー 1&2」感想

2015年01月11日 13時16分39秒 | 映画・テレビ

年末に録り溜めていた映画をイッキ観した。
前評判ではケッコーな残酷ホラーと聞いていたので
カミさんが出かけて留守になったチャンスを活かしての視聴となった。

彼女は最近“あまりに残酷なのは観れない”というスタンスなので
アニメの「マルドゥック・スクランブル」とか「ヘルシング」さえも
一緒に観ていて心配になってしまった。

で、雑駁な感想としては「1」と「2」では
まるっきり感触が違う作品になっている。
監督も同じで登場人物も同じであるにもかかわらず、だ。

「1」 よくあるスプラッター&サイコ・ホラーのパターンで
殺人鬼一家の家に拉致された訪問者の悲劇を描いたものだ。
狂気の笑いとスプラッターが織りなす地獄絵図だ。
系としては「ホステル」シリーズに近いかな。

「2」 上記殺人鬼一家が警察に追われながら
殺人を重ねていく70年代のアメリカンなロード・ムービー仕立てだ。
非常に乾いた感触で、音楽の選曲が抜群に良いのが特長。
「バニシング・ポイント」とか「ナチュラル・ボーン・キラーズ」あたりに近い。

監督のロブ・ゾンビ(すげーイカシた名前でしょ?)は
アメリカのヘビメタ(インダストリアル?)系のミュージシャンで
自分は彼のデビューとなるバンド「ホワイト・ゾンビ」からずっと聴き続けていた。
彼は結構な映画&アニメおたくで、ヘビメタ・ナンバーのSEに
日本エロ・アニメの黎明期を支えた傑作「うろつき童子」のセリフなんかもサンプリングしていた。

そんなロブが満を持して作ったのが「1」だ。
当時の彼の志向性が見事に結実した映画になっていて、
ホラー映画の“いいとこどり”をしたような楽しい?作品になっている。

しかし、「2」で化けたのだ。
多くの人が言っているように“傑作”と呼んで差支えないだろう。
もうオープニングからして素晴らしい。例の殺人鬼一家が
警察に囲まれて一斉射撃の中を逃げきるところから物語は始まる。

逃げる道すがら老女を殺して車を奪うところで出演者とタイトルが出るのだが、
バックには牧歌的なサザン・ロックが流れている。
どピーカンの炎天下の中、ナイフで老女を刺し殺す場面が
ブレブレのストップ・モーションで流れていく。
なぜか「イージー・ライダー」の一場面をも思い起こされる。

残酷なのに、ミョーに軽妙なのだ。
乾いたテキサスという土地も非常に効果的に映されている。

2作品目でこんなにシブイ?映画を作ってしまうなんて!
やはり“おたく”の拘りは凄いと言うべきか。
惜しむらくは「1」の続編であったことだ。
別のタイトルで作っていたら、もっと別の評価が下されたかもしれないし
ホラー・ファン以外の人にもアピール出来たかもしれない。

殺人鬼一家も「1」で見せた“顔の皮剥ぎ”こそ「2」でも健在だったものの
今度は一応“殺人”にも目的や理由が出来てしまっている。
“逃げるために邪魔なもの”といった理由だ。
これは“ナニを考えているか分からない不気味な殺人者”から
一挙に人間味が出てしまったと言える。

もちろん理不尽な暴力も至る所に出てくるのだが、
隙をつかれて、拉致した獲物から反撃されたりもしている。
最後なんかは、兄を殺された復讐心で殺人鬼一家を追い詰める警部と
どっこいどっこいの感情移入をしてしまう有様だ。

いや、むしろあの殺し屋(トレホ!)を雇ってまで追い詰める警部よりも
ひ弱に映るあたり、こっちの一家を応援してしまう人もいるかもしれない。
…ぐらいの演出なのだ。

最後のシーンからエンド・ロールに移行する流れも傑作の佇まいだ。
ロード・ムービー・ファンならホラーというジャンルに惑わされることなく
ぜひ観てみたら?とオススメ出来る“珠玉の”名作だと思う。

ちょっと褒めすぎか?

「フルメタル•ジャケット」感想

2014年02月25日 08時18分54秒 | 映画・テレビ

同僚にどえらく長きに渡り借りていたDVDをやっと観た。
キューブリック監督作品の中で「あまり面白くない」との評判が、当時はあった。
学生の頃は金が無いので、欲しいものをホントにシビアに取捨選択してたので、
守備範囲の中でもこうしてスルーして来たモノも多い。

感覚的にカミさんはあまり好きじゃないだろうなと思っていたので、一人で観る機会を狙っていたのだが
しかし何故か一緒に観始めたのだ。が、彼女は例の訓練シーンが終わる前に寝てしまった。
まあ確かに娯楽映画じゃないわな。しかも下品な言葉が飛びかったりするし。
人が徐々に壊されていく過程を丹念に描写したこのパートをどう観るかで
この作品に対する考え方が違ってくるんじゃないか?

ベトナム戦争とアメリカ国民という関係性を、第三者的に捉えた作品とみた。
「キサマら!ここでちゃんと狂っとかないと後が辛いそ!」
という一見、理不尽な教官の態度にもそれなりの理屈があり
現地の戦闘に参加すれば、たった一人の女性の狙撃兵によって
親友も死ねば小隊も壊滅的な打撃をこうむってしまうという現実。
教官の言ってたように殺人マシンになってなきゃヤバイ、辛い毎日。
「でも、これって日常茶飯事だったんだよな」という淡々とした筋運び。
まるでドキュメンタリーのように。

ベトナム戦争映画は数あれど、ここまでいわゆる“ヒュ-マニズム”めいた
同感・共感・感動を拒否した作品はめずらしいんじゃないのかな?
苦々しい思い出したくない過去を、ただ再現して見せただけという・・・・・。
さっきもちょっと書いたが、だからといってキューブリックは
ベトナム戦争をあからさまに否定するような映画にしていない。
仕方のない(もう起こってしまった)現実を、否定も肯定もしない態度で映像化して
ある意味それは成功していると思う。これって結構むずかしいぜ?

じゃあ、感想は?というと
広く他人にオススメ出来る面白さは持ち合わせていない映画じゃなかろうか?
キューブリック監督に興味のある人ならマストかもしれないな。
でもこういう作品ってあるよな。見終わって「観なくても良かったな」と思うクセに
経験値としては“観といて良かった”作品として心に残るみたいな。

ま、「小さいおうち」よか数百万倍良いと思ったけどね。


映画「小さいおうち」アンフェアな感想

2014年02月11日 08時27分33秒 | 映画・テレビ

カミさんが応募していたいくつかの懸賞に当たったのがコレだ。
もちろん自分は全く興味が無い作品だし、カミさんだってそうだ。
じゃあ応募すんじゃねえよ!という声が聞こえそうだが、「興味が無い」モノを体験する、非常に良いきっかけになるんだな。
ダブルの意味で「当たれば儲けもの」だ。それに招待館の新宿に出かけるのが目的になるし。

で、そんなスタンスで観た感想なのだが。
「破綻もなく、このテが好きな人には良いのでは?」としながらも
自分的には「映画である必要もない、ありふれた2時間ドラマ」と感じた。
日本が戦争に向かう時期の、裕福な家庭に起きた不倫の顛末を、当時の奉公娘が自伝という形で語るといった内容だ。
全てスタジオ撮影でセットもフツー。登場人物も状況に流されるだけで、ダラダラと時間が過ぎていく。
おまけに観客は高齢の女性が多く、いちいち役者に反応してうるさい。
せめて不倫の部分にエロを期待したいが、案の定 山田洋次じゃな。
やれやれだぜ。

映画「ブラウン・バニー」

2012年05月28日 08時01分12秒 | 映画・テレビ
「バッファロー’66」とのツイン・デジパック仕様。
これがまた所有欲をソソるアイテムなんだ。

当時「バッファロー’66」のCMで
イエスの「燃える朝焼け」が使われていたのが非常に印象的で
確かWOW WOWでビデオにとって観たと思う。
で、それからさらに数年後このデジパックを見つけて購入したという…。

その時点で「ブラウン・バニー」の詳しい予備知識はなく
バイクレーサーのロードムービーぐらいの感じ。
その時観た感想は”いかにもビンセント・ギャロ監督作品”。
まあ、万人受けはしないけど映画マニアには好かれそうな
やや退屈な感傷的ロードムービーといったところかな。
自分は好きだけど、カミさんにはオススメしない程度の。

久しぶりにDVDのパッケージを開けてみると
サウンド・トラックの宣伝ペラが封入されていたのだが
それがコレ↓だ。

いやあ、なかなかのインパクト。
こんなジャケットのCD買いづらいと思わないのだろうか?
売り上げにも影響しちゃうだろうから
配給会社はNGとか出さなかったのだろうか?
…などと、つい大人の事情で考えてしまったが
売る側がこれでオッケーとしてるんだからサスガ!と言うしかないな。

で、解説によるとこのシーンを含むラストが
カンヌ映画祭で賛否両論だったそうだ。
きっと騒いだのは女性客だったのではないだろうか?
AVとか見た事のある男性(外国にもあるよな?)なら
シーンそのものの”衝撃”なんてのはあり得ないだろうが
冷静に考えると、別にAV女優ではないギャロの相手役が
コレやっちゃうってところがやっぱり”衝撃”かな。

前回の休みは「BIG 4」の野外ライブDVD漬けだったので
今日はこいつでもぽよ~んと見返してみるかなあ。

映画「どろろ」感想

2007年12月29日 14時42分38秒 | 映画・テレビ
面白かった!

僕は昔この作品がアニメ化された時に
百鬼丸のキャラデザインが気に入らず
あまり好感が持てなかった。
今思うと、あのオリジナルのザンバラ髪を
アニメキャラに起こす段階で
結構ハッキリ輪郭を描かざるをえないのは
当時の技術(表現力)では当然だったな。
…でも、せめてグレーにして欲しかったと思う。
アニメのように真っ黒だと、原作百鬼丸の
どことなく中性っぽい味がなくなり、別人の
感じがしてしまうから。(まあ狙いだったんだろうけど)

話を今回の映画に戻そう。
以前危惧していたキャスティングについては
僕の中では問題なし!
むしろ百鬼丸(妻夫木)に、先に書いた
中性っぽさが宿っているではないか!
これは収穫!妻夫木さんは好きな役者なだけに
ホントに良かった。
なにしろポスターやDVDのジャケット写真が
既に原作の味をだしてるもんな。
これは、作品のカラー(雰囲気)を造った
監督も誉めなきゃね。いやあ、いい仕事してるなあ。

ただ一言!柴咲さんのあの演技(台詞)は
チョットくさ過ぎではなかったかなー…と。
これは当然演出の問題だと思うので、
彼女に非があるとは思わない。
もう少し抑えた演技をさせても良かったのではないか?
確かに原作どおりだとあんな感じだけど。
でも、「妖怪大戦争」じゃないんだから。
ハッキリ言ってどろろ(柴咲)だけ浮いてたような
印象が残るのは全くもって残念!
でも!ストーリーのまとめ方といい、
実にツボを押さえた傑作と言い切ってしまおう。





「あゝ一軒屋プロレス」感想

2007年01月23日 15時26分29秒 | 映画・テレビ
故・”破壊王”橋本真也主演
プロレス・バイオレンスもの。
DVDの視聴です。

僕的には、助演のソニンちゃんもタンクトップ姿で
格闘技しちゃうところあたりがみどころ?かな。
ジャケットの表紙がそもそもソニンだけで
裏に「その他大勢」のなかに橋本選手がいるってのも
主演なのにどーよ?この扱い。
ま、企画・脚本のテリー伊藤も「わかってる」ってか。

さらに映画館で流れた予告編が凄い!
”映画関係者47人中46人が怒ったが勝手にクランクイン!上映未定!”
その後のCMで”上映館1館のみ!””ストーリーが無い!”
”キャスティングが弱い!”などなど自虐的なモノで、
これじゃあ予告になってないんじゃあ?と、常識的には思う。
が、僕のようなヤツに訴えかけるには充分な予告であった。
インパクト勝負ってのは結構スキよ。その心意気が。
でもホントにインパクトだけだった…。

演出のテリー伊藤がこの映画に対し
「ストーリーなんてどうでもイイのよ。映画は
テンポなんだよ!テンポ!」と言い切っていた。
確かに次から次へと無茶な設定は出てくるわ、
闇雲に事態は悪化していくわで
マトモな思考のヤツなんか出てこない潔さだ。
その点ではテリーの意図通りだが、
いかんせんインパクトのインフレ状態で、
あそこまでやるとバカ騒ぎだけで終わってしまってる感があるね。

なんかさあ、テリー伊藤が「風雲!たけし城」のノリで
ギャハギャハ笑いながら演出してるのに、
出演者が真剣に血まみれになって演技してるってのが
イタイ構図なワケよ。

橋本真也やソニンのファンとかは見てもいいかも。
特にDVDおまけ映像のソニンの格闘技練習風景は
「おお!マジで結構足とか上がるんだ!」
「こんなに体柔らかいんだ!」などなどソニンの
格闘ポテンシャルに驚いてみたり。
その結果、本編のソニンちゃんは筋肉ついてます