ジージのドイツ散歩

散歩中に見た物を写真に撮って、記事にしています。

葛飾北斎の謎

2014-06-07 | 特別編

                    しばらくヒナの記事が続いたので、今日は過去の記事を
                    リニューアルしての再掲載です。
                    このブログの人気記事に、よくこの葛飾北斎の謎が
                    出てくるし、僕自身この記事が気に入っているので、
                    再掲載しようと思い付きました。
                    ネタ切れじゃあないですよ~ でもヒナの記事なので…

                    葛飾北斎の富岳三十六景は有名ですが、
                    富岳百景は意外と知られていません。
                    歌川広重、僕が子供の頃は、安藤広重と
                    学校で習いましたが、実は彼も富士三十六景を
                    描いているんですよね。

     なぜこんなことを書き始めたかというと、
     まずは日本の良い面を知りたかったことですが、
     葛飾北斎の富岳三十六景や、歌川広重の富士三十六景、
     あるいは東海道五十三次を見ていて、疑問が起こった
     からなのです。

          富士山、宝永の大噴火は1707年で、
          葛飾北斎は生年1760?~没年1849、
          歌川広重は、生年1797~没年1858なのです。

     赤富士 有名ですね
     

     神奈川沖の浪です
     

               この2枚の絵を北斎が描いたその時、
               すでに富士の宝永山は存在していたのに、
               なぜ北斎は描かなかったのでしょうか?
               広重も、富士三十六景にも、東海道五十三次にも
               富士山を描いていますが、その中のほとんどに
               宝永山は描かれていません。なぜでしょうか?

     次の2枚は北斎の富岳百景です。
      ← クリックして下さい 富岳百景宝永の噴火1

      ← 宝永の噴火2です

     これでおわかりのように、ここには宝永山が描かれています。
     それも民を困らせている富士、そして醜い宝永山です。
     富岳百景のほうが出版は遅いのに そして白黒だ、ということも
     謎ですが、まあそれは別にして、ではなぜ宝永山が描かれていない?
     もちろん宝永山が描かれているものもあるわけです。

         これは歌川広重の東海道五十三次です
         

     これもそうです
     

     これもそうですね
     

          この3枚にははっきり宝永山が描かれていますけれど、
          広重のほかの作品には描かれていません。
          といっても、見落としがあるかもしれないですが。

               今度は北斎の作品です。

     

               ここには宝永山が描かれているのに、
               意識的に隠しているように思われます。

     ではこれはどうでしょう
     

               北斎は宝永山を富士の1部として描きたくなかった
               のではないでしょうか?

     これはどうでしょう?
     

               僕には宝永山があるべき場所に、
               意識的に森を描いた、としか思えません。

     結論としては、北斎も広重も、信仰の山、
     としての富士の神聖さを大切にした、
     そして “八” という末広がりの形を崩したくなかった、
     と思っていますが、これは僕の独断です。
     何も人は全てを知る必要はないですから。
     吉田拓郎の歌、“ 永遠の嘘をついてくれ ” にあるように…

          版画に興味のある方はこちらをクリックしてください。
          現在、歌川広重の東海道五十三次になっていますが、
          変えられますので。

               皆様、葛飾北斎の謎はどうでしたか?
               以前いただいたコメントは保留にしてありますので、
               ご了承いただきたく思います。

                    今日もジージのブログを訪問いただき、
                    ありがとうございました。
                    どうぞお気軽にコメントください。

                    では次回まで  

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8 コメント

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おめでとうございます (hirosuke)
2014-06-07 10:53:21
おはようございます!
ロキ・シュミット庭園のHP
おめでとうございます!と言って
宜しいでしょうか?
普段のジージさんの写される景色があれば
素晴らしいホームページが出来ること間違いなしですね。
始まったら、是非教えて下さいね。

日本に住んでいる私達より、版画のことも
よくご存じなんですね。
とても勉強になりました。感謝



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宝永山 (tidori)
2014-06-07 19:12:19
広重や北斎の富士山は三十六景でおなじみですが、
宝永山のことは全く気づいていませんでした。
今度見る機会があったらよ~く見てみたいと思います。
楽しみです。
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名前すら (nampoo)
2014-06-07 21:55:21
こんにちは。
浮世絵は大好きで広重も北斎も画集はもっていますし、
ときどき眺めますが、
富士山の瘤が宝永山ということも知りませんでした。
勉強させていただきました。
ただ、絵は写真とは違いますから実物どうりである必要はないと思います。
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美しいシルエット (ねこじゃら)
2014-06-07 23:10:51
ジージさん こんばんは。

 浮世絵は、ごく最近やっと心惹かれるようになったところで、
なんにも知らないんですが、とても面白く拝読させていただきました。

 初めて宝永火口の写真を見たとき、ぞぉっとしたのを覚えています。
 何故描いていないかは、わかりませんが、
どんなに下手な人が描いても富士山はあのカタチでわかりますね

 
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北斎 (ジージ)
2014-06-08 01:44:54
hirosuke さん こんばんは
まあもともとHPはあるのですが、今月の庭園の様子とか、
今咲いている花などをリアルタイムで載せたいそうです。
僕はよくあの庭園の植物研究所に顔を出しているのですが、
今まで自分たちで撮影していたのを、僕の写真もよく見ているし、
じゃああいつに押し付けちゃえ、といったところじゃあないでしょうかね。

今回の記事は、僕の個人的意見を書いただけなんです。
心理的にどうだったのだろうか、そのようなことを考えるのが好きなので。
まあ、あまり深く考えないで下さいね。
今日もブログを訪問いただき、ありがとうございました。
今後とも宜しくお願いします。
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富士 (ジージ)
2014-06-08 01:50:48
tidori さん こんばんは
あんまり深く考えないで下さいね。
1時期北斎に夢中になった時期があって、フッと考えただけですから。
日本にいる時、新幹線に乗って大阪方面に行くと、富士山の右側に
ポッコリ盛り上がった宝永山が見えていたので、それを思い出しただけですから。
ただの心理的分析の遊びですので。
今日もブログを訪問いただき、ありがとうございました。
今後とも宜しくお願いします。
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江戸時代の文化 (ジージ)
2014-06-08 02:01:14
nampoo さん こんばんは
北斎も広重もすばらしいですね。
江戸時代の人々の暮らしを、1つの版画に克明に書いています。
宝永山のことは、日本時代によく新幹線に乗ったので、調べてみただけです。
九州、四国、中国地方にお住まいの方は、宝永山を見る機会が殆どないでしょうし。

そうです、写真ではないので、どのように描いても自由であることは承知しています。
僕は時々このような心理的分析をすることがあるので、
まあ半ばお遊びですね。
戦国時代から江戸時代、そして明治維新。
この間に興味のある出来事がたくさんありますね。
それを調べるのも好きなので、その延長と考えていただければいいのですが。
本日もブログを訪問いただき、ありがとうございました。
今後とも宜しくお願いします。
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お絵かき (ジージ)
2014-06-08 02:16:18
ねこじゃらさん こんばんは
浮世絵は面白いと思います。
それを通じて、当時の生活状態がわかるのですから。
北斎の富岳三十六景の山中には、大工が太い木を、ノコギリで
切っている場面が描かれていますが、すごいな、と思いました。

たとえそれが死火山でも休火山でも、爆裂火口を見るとぞっとしますよ。

富士山の絵を描いてご覧なさい、と子供たちに言うと、あの独特な富士山の形を描きますね、でも宝永山は知らないし、描かない。
案外北斎もそうだったのかもしれないですね。
末広がりの山の形状、美しいからそれでいい、そうだったのかもしれません。
本日もブログを訪問いただき、ありがとうございました。
今後とも宜しくお願いします。
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