ポールモーリアサウンドよ永遠に








オレの音楽のルーツはロックである。
でも『音』に目覚めさせてくれたのはポールモーリアの音楽。
ずばり『エーゲ海の真珠』だ。
中学時代自分の家のオーディオ装置はモジュラーステレオと呼ばれた
卓上型のステレオ、今でいうミニコンポの前身のようなものだった。
オーディオ装置の中では比較的安価なもので、当時の自分の家の経済事情では精一杯のものだったと思う

それより音の良い物でシステムコンポという大型のスピーカーを持つステレオが
あったけどとても手のでる品物ではなかった。

そしてもっと音にうるさい人たちは単品コンポというステレオのアンプや
スピーカーなどの部分をいろいろなメーカーや製品を組み合わせて
自分の好みの音を作るというマニアックな世界を楽しんでいた。
今では死語になりつつあるオーディオマニアという人種がいた時代だ。

当時の友人の兄さんが、このオーディオマニアだった。
そのコンポの音を聞かせてくれるというので友人の家に遊びにいった。
その時その兄さんがプレーヤーに乗せて聞かせてくれたのが
ポールモーリアの『エーゲ海の真珠』。
数年前に流行った曲でもちろん自分も知っていた曲だった。

哀愁のあるピアノソロから始まりきらめくようなストリングスサウンド。
サビの部分でオーケストラにかぶさってくる女性コーラス。
そのサウンドの厚みに圧倒された。
友人の兄さんに頼んでそのレコードを借りて家のステレオで聴いた。

しかし出てくる音は友人の家のコンポとはまったく違った。
友人の家のステレオでは聞こえていた楽器が自分の家のステレオでは聞こえない。

友人の家のステレオで聴いた『エーゲ海の真珠』が
100の楽器で演奏されていたとすれば
オレのステレオから聞こえてくる音はせいぜいその半分だった。

それがオレがオーディオに興味を持ったきっかけ。
やがて高校に入り夏休みとかバイトをするようになり
卓上スピーカの部分だけを音のいいモノに替えたりして
少しづつグレードアップをしていった。

やがてはそれが自分の前職にもつながっていたから
この曲との出会いはとても印象深い思い出だ。

そんなポールモーリア氏が今月の3日に逝去した。
自分は『エーゲ海の真珠』以外はあまり記憶にないのだが

あの日のエーゲ海の真珠の音は30年近くたった今でも
耳の奥に残っている。
自分にとっては生涯忘れられない曲の1曲である。




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