日本のモダンホラーはここから始まった(納涼読書シリーズ)

墓地を見おろす家

角川書店

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読書で感じる恐怖。


例えば映画やテレビ、もしくはラジオなどからの恐怖に対して
まぁ目を閉じたり、耳を塞いだりくらいならばできるけど
観衆は完全な受身だと思う。

それに対して怖い本を読むということは
自分でページをめくっていかなければ恐怖を得ることはできない。
いってみれば自分が恐怖の扉を開くことになる。

そうしてその話の展開が作り出す恐怖のリズムに合わせるように
次々と恐怖の扉を開けて、自ら恐怖の世界の奥へ奥へと進んでいくのである
それにぴったりなのが『モダンホラー』っていうジャンルの本だ。

今本の世界をはじめ映画などの恐怖モノのトレンド。
従来の霊魂などの話が中心のいわゆる怪談話と一線を画す
スティーブンキングに代表されるモダンホラーというジャンル。

『モダンホラー』というのも、とてもあいまいな定義かもしれないが
『得体の知れない恐怖』とか『内面的な恐怖』といわれ
最終的には『現実観の崩壊の恐怖』なのだそうだ。


だから『サスペンス』や『ミステリー』ととても近い位置にあるし
境界線もよくわからない場合も多い。
そんなわけでミステリー作家の人たちでここ数年かなりホラー
の作品を書いてい人が多い。
最近ではSFもホラーと親戚関係にあるのかもしれない。

この小池真理子という作家もミステリー作家として評価が高い人。
あと自分は読んだことがないけど恋愛小説の分野でも
女性に人気がある作家だ。

この「墓地を見下ろす家」は角川ホラー文庫で読んだのだけど
この本のあとがきによるとこれが日本で初のモダンホラーとも
いわれているらしい。

ネタバレにならない程度にあらすじを書くと
古い墓地のそばに建った新築マンションに引っ越してきた夫婦に
起こるさまざまな怪事件。
やがてマンションは現実の世界から隔離された別の世界へ
閉じ込められる

正体のわからない恐怖が次から次へ読者を襲うのだけど
いったい次はどうなってしまうのかという興味が
それを上回るのでついついページをめくっていく。

この話では結局最後まで恐怖の元は読者の前にその姿があらわさない。
そこをモダンホラーと解釈する人もいれば、化け物の正体を
見せないのは物足りないという人もいたりでいろいろだが。

オレとしてはその恐怖の正体がわからない。
読み終えたあとに、なんとなくすっきりしない
悪い夢を見たような気分こそがモダンホラーの真骨頂ではないかと思う。

そんな感じを味わって見たい人はどうか
怖さを味わいながらページをめくってもらいたいと思う。

そしてこんな話って女性の作家の方がうまいというか
怖いって気がとてもする
心理描写がうまいからだろうか?
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
あっ、天使さんの後ろに・・・(-_-;) (nova)
2006-08-23 22:37:07
こんばんは^^



怖いのは本も映画も苦手です(-_-;)



唯一読んだシックスセンスは鳥肌が立ちました

読みながら何度も後ろを振り返っていましたよ^^;

臆病な人間です・・・



小池真理子さんの本は読んだことがないので今度トライしてみようかな^^



 
 
 
北海道にはもっと怖いものが・・・ (傷だらけの天使)
2006-08-24 22:50:47
novaさん>



ベガサポとしていわしていただければ

1分6敗という厚別競技場が

どんな心霊スポットより怖いです

絶対あそこには何かがいますよ

(´・ω・`)
 
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