傷だらけの天使のスローなブログ
ON THE ROAD
父の日
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/e7/a4085a863891f29d362bd2895bf264ae.jpg)
今日は父の日だがこの時期、我が家の庭にはサツキの花が咲く。
5年前に他界した親父が生前趣味で栽培していたものだ。
前は80くらい鉢あったのだが、親父の代わりに花の世話をするのは大変で、
花の好きな知人や近所の人にあげて今は30鉢まで減った。
もう水をかけるくらいで剪定やら植え替え、肥料やりなどもやっていないのだが
生命力が強い植物なのだろうか、毎年花を咲かせては生前庭で折りたたみイスに腰をおろして花の手入れをしていた親父の姿を思い出させてくれる。
オレの親父は趣味に生きた人だった。
若い頃は釣りに夢中だったようで小学生の低学年の頃まで
よくオレを釣りにつれていってくれた。
オレが小さかった5歳くらいのときは自動車などまだ無くて自転車に子供用のイスをつけて1時間以上かけて仙台市東部の川までつれていってくれていた。
その後はパチンコが趣味だった。
会社帰りは飲みに行くことはなく、ほとんど毎日2時間くらいパチンコをして帰ってきていた。
まぁ今よりギャンブル性の少ない機械だったから身を潰すまではいかなかったけど
かなりのめりこんでいたな~。
60歳で定年を迎えたあと1年ちょっと嘱託として勤めた後、
親父は仕事を辞めた。
その当時はオレも若く、周りの親父と同年代の人がまだバリバリに
働いているのをみて親父がだらしなくみえて嫌悪感を覚えたものだった。
けっこうキツイことをいったり、モロに態度にだしたこともあったと思う。
若い頃は気性が激しい親父だったが、その頃はそんなオレの態度にも特に反応せず静かに花いじりを楽しんだり、好きなパチンコをしたりしてすごしていた。
そんなたいして会社生活では成功せず案外早くリタイアした親父だったが
会社の若い人や女性事務員などには慕われていたようでよく手紙やハガキが
届いていた。
そんなことがわかったり、自分も社会生活が長くなるなかで親父の気持ちが
理解できるようになった。
亡くなる5年前くらいからは一緒によく温泉などに行くようになった。
よく歴史の本などを読むと洋の東西を問わず父親と息子が争った例は多い。
どうしても男同士だと張り合う部分が生まれるのだろうか。
たしかに親父というのは越えるべき存在としては一番身近な存在なのかもしれない。
そんなギクシャクした時期を過ぎて、また子供の頃親父に釣りを習ったように、
オレも将来迎えるであろう老年期のすごし方など親父の話を聞きたかったのだが、
そんな気持ちが芽生えだした頃は時すでに遅しで、病院で医師から親父が末期ガンで余命がいくらも無いことを知らされた。
親父との最後の2週間は病院の特別室を借りてすごした。
料金は高かったが、もうこの人とどこに旅行に行ったりとかもできないなら
その分をここで使おうと思った。
痛み止めの薬のせいで意識が朦朧としていてもオレが会社にいってくると
告げると布団から手を出してかすかに振って送り出してくれた。
生前から常々痛い思いをしてまで長生きしたくないといっていたので
最後は無理な延命措置はとらず親父の意思を尊重した。
4年前からオレの父の日は庭のサツキの花を見ながら、そんないろいろことを
花の手入れをする親父の姿とともに思い出す日になった。
コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )
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こうして傷天さんのブログの中のサツキの
お花を見ると、そう思わずにはいられません。
途中ギクシャクしてしまったあたりで、このままギクシャクしたままだと淋しいなあと思ったのですけれど、特別室の2週間があってよかったです。いや、お父様なくなられてしまって淋しいのだけれど、なんだかとってもあったかい空気を感じたのです。
お花、これからもずっと大事にされてくださいね。
なんだか最近 どうしても父親の嫌な面が
目に付いてどうしても態度に出てしまい
そんな自分も嫌なのですが
それでも苦手です・・・
父親の姿が小さくなんだか頼りなく感じてしまい
嫌いじゃないはずなんだけど・・・・
後悔したくないけど 今は・・・
でも読ませて頂いて大切にしなくてはと
思いました
サツキがちょうど父の日頃に咲く花でよかったです。
Noaさん>父親ってのは孤独なものだと思います。
でもうちの父もそうでしたが娘の言うことは意外と聞くもんじゃないのかな~。
どうしても嫌な面の方にばかり目がいく時期ってあると思うんです。
親子といえどお互い違う人間ですからね。
ただそれでも避けないでいたほうがいいなとは思います。
そうするとだんだん見方も変わってくることもありますし。
いいところを見つけることもできると思います。