中途半端な印象『サンシャイン2057』(2007年12本目)

「結局何だったの?」
観終わった後にそう感じる映画だった。


太陽がその力を弱め、それによって地球が存亡の危機を迎え
8人のクルーがそれを救うために宇宙船で旅立つ。

アルマゲドンに代表される地球滅亡を救うSFサスペンス映画。

この手の映画の常道で、
その救出作戦を遂行するにあたり
数々の苦難が待ち受けている。

その苦難の種類が、この映画はかなりユニーク。

まず一つ目が『太陽の存在』

宇宙船内からでも直視すれば目が焼け、
船外でその光に直射されれば一瞬にして焼けてしまう太陽の光。

それほど危険な光なのに、
その光はクルーを魅了する。

光の中に『神の存在』を見出したかのように、
任務や自らの命と引き換えに太陽の光に焼かれる乗組員。


太陽は太古の昔から信仰の対象だし、
あのアメリカのアポロ計画で宇宙遊泳を経験した宇宙飛行士が
その後、宗教活動に目覚める例が多いというような話を
以前なにかテレビで聞いたことがある。

そしてもう二つ目がクルーたちの感情。
『地球を救うために命を捧げる』という建て前の覚悟はあるものの、
『生への執着』や『地球への未練』などから、
クルー間の確執や自分の中での葛藤。

この人間の内面や精神世界に目を向けた発想はよかった。

この路線で映画を仕上げてほしいと個人的には思ったのだが


深く掘り下げることができなかったのか、
後半、前回同じ任務に着き失敗した宇宙船のクルーが
バケモノ化して作戦を邪魔するという
『エイリアン』や『プレデター』のようなSF恐怖映画の様相を帯びてくる。



・・・かと思えばラストシーンはやけにロマンチック。
パーツひとつひとつは悪くはないのだけど、
つなげてみるとうまく組み立てられない。

真田広之をはじめ俳優陣の演技そのものは悪くはなかった。
でも役者を活かしてないな~この映画。


『サンシャイン2057』公式サイト


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