岩田家のガラス芸術 BLOG 岩田の事

炎の贈り物 藤七・久利・糸子が織りなす岩田家のガラス芸術

色ガラスの粋 岩田の仕事2-1 色ガラス

2012-08-08 13:14:09 | 岩田の仕事
岩田の仕事  No.2 色ガラスの粋(岩田の色) 

1.色ガラス

色ガラスの製法
色ガラスは、基本のガラスの原料に金属を入れ熔解して作ります。
銅→青 ニッケル→黄 マンガン→紫 クローム→緑 金→ピンク セレン→赤など、
それぞれの金属、またその組合せによって様々な色が作られます。

 
ただし、基本のガラス原料の成分や、熔解中の微妙な諸条件によって色合いや濃さが
違ってしまい、安定した色作りは大変困難です。
中でも、青・緑などの寒色は安定し易く、赤・黄・橙などの暖色の発色は大変難しい作業となります。

また、色毎に別々の坩堝(るつぼ)で熔かし、空になり覚めてしまうとその坩堝は使えなくなります。
作品の制作には熔けたガラスを同じ温度で使用するため、同時に多くの労力と燃料が必要となり、
色ガラスを使うことは大変贅沢で手間のかかる仕事となります。

世の中にあるガラスがほとんど透明なのは、透明性が必要なだけではなく、色ガラス作りが困難な事も一因です。

色ガラスの不思議
青と赤を混ぜて紫となるような絵の具と違い、混ぜることはできず、紫なら紫のための色ガラスを一から作ります。
黄と緑など、触れ合うと化学変化で濁ってしまう色があります。
色によって融点が異なり、同じ温度でも色が濃いほど軟らかく、白や透明に近い色ほど硬いのです。
制作中、作品を暖めながら成形して行きますが、暖めると渋ってしまう色や、反対に艶が出てくる色があります。

このように、色ガラスは制作にもそれぞれの性質を踏まえた技術が必要です。


色ガラスの粋
岩田では藤七以来、色合いの美しい、数々の色を生み出して来ました。
それぞれの色の発色には、様々な研究・失敗・挑戦の苦労がありました。
そしてこの美しい色たちが、岩田のガラスの大きな特徴となっています。

ここでは、数回にわたり、岩田の代表的な色を作品とともにご紹介いたします。


ホームページ掲載作品
                    
岩田藤七作「黄の貝」  岩田久利作「黒窯天通文壺」  岩田糸子作「乳白巻雲花器」  岩田糸子作「三色金彩蕾花器」    

(写真はクリックすると大きくなります。)

岩田糸子作 「貼絵花器」 今月の作品No.30

2012-08-08 13:13:16 | 今月の作品
今月の作品                           2012年8月8日
No.30  岩田糸子作 「貼絵花器」

制作年  1997年
サイズ  幅 29cm  長さ 29cm  高さ 16cm

ちぎり紙を貼ったような模様の花器。


上下がすぼみ、真ん中が脹らんだ美しい姿の花器。


地色には色々な色が使われ、渋い色合いを出しています。


赤のちぎり紙が貼ってあるような模様。薄く吹いた赤のガラスを使っています。



撮影中村明彦

岩田糸子の作家紹介と経歴はこちら



「今月の作品」は販売しております。  「貼絵花器」  ¥250,000
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