岩田家のガラス芸術 BLOG 岩田の事

炎の贈り物 藤七・久利・糸子が織りなす岩田家のガラス芸術

色ガラスの粋 岩田の仕事2-3 黄色のガラス

2012-11-01 15:05:24 | 岩田の仕事
岩田の仕事  No.2 色ガラスの粋(岩田の色) 

3.黄色のガラス

黄色ガラスの製法
黄色は、ニッケル、クローム、カドミウムなどの金属を調合して作られます。


黄色ガラスの特徴
大変発色が難しく色合も安定しないので、ガラスでは大変珍しい色です。
下記三点の作品も調合は同じですが、その時によって橙色に近かったり、レモンイエローに
なったりします。
また、黄色のガラスと青や緑のガラスを一緒に使うと、緑にはならず、茶色に濁ってしまいます。
    左の糸子作花器は、黄の上に緑を配しており、緑の縁が茶色くなるという想定で作られた作品です。


黄色作品 1 岩田藤七作 「黄の貝」 1976年頃作 27×19×12  ホームページトップ 掲載作品

この作品は、ホームページトップにある藤七の代表作です。
鮮やかな黄色に白の線で貝の表情を出しています。
隆々とした形状とともに、息をのむような迫力と美しさです。
藤七は調合、発色の技術の研鑽を重ね、美しい黄色の発色に成功し、
好んで黄色の作品を制作しました。


黄色作品 2 岩田藤七作 「黄輪文花器」 1973年作 18.5×18.5×22  今月の作品 No.13 2010/12/1 掲載作品

この作品は、藤七の優れた技法を結集した作品です。
まず色。鮮やかな黄色の地に白・黒・茶と3色もの色ガラスを使って輪状の文様を配しています。
その形状は、上部は豊かにふくらみ、足は細くくびれ、台に埋め込まれるように作られています。
また口回りは、外側に返して縁を形成しています。


黄色作品 3 岩田糸子作 「黄の蝶」 1995年作 55×50×2 今月の作品 No.29 2012/7/10 掲載作品

これは、糸子のコロラート(硝子装飾壁面)作品です。
この作品では、黄色のガラスを粉状にしたものを使用しています。
使用する粉の量によって濃い所と薄い所ができ、変化をつける事ができます。

このように、岩田の作家は色の性質を巧みに利用して、色々な工夫をして作品を作っています。


「今月の作品 No.33 2012/11/1」にて 藤七作「黄の花器」を掲載しております。


撮影中村明彦