岩田家のガラス芸術 BLOG 岩田の事

炎の贈り物 藤七・久利・糸子が織りなす岩田家のガラス芸術

岩田久利作 花器「聞く」 今月の作品No.36

2013-08-04 16:05:13 | 今月の作品
今月の作品                           2013年8月4日
No.36  岩田久利作 花器「聞く」

制作年  1987年
サイズ  幅 28cm  奥行き 18cm  高さ 37cm

白地に大きな輪がついたふっくらとおおらかな作品。


少し汚した濃い白地に薄い白の文様の作品。


表面には飴細工のように柔らかいガラスを縦横無尽にひいた文様が施されています。


壺の縁から繋がった大きな耳は、まるでうさぎのよう。
長女ルリがうさぎ年のこともあり、1987年の干支に因んだ久利の思いが窺われる。


*「色ガラスの粋 岩田の仕事 2-6 白色のガラス」 で白色ガラスについて掲載しています。



撮影中村明彦

岩田久利の作家紹介と経歴はこちら


「今月の作品」は販売しております。  花器「聞く」 ¥2,000,000

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色ガラスの粋 岩田の仕事2-6 白色のガラス

2013-08-04 16:04:10 | 岩田の仕事
岩田の仕事  No.2 色ガラスの粋(岩田の色) 

6.白色のガラス

白色ガラスの製法
ガラスで白色に見えるものには、いくつか種類があります。
1. 不透明な白色(白石玉≪しろぎょく≫)  おもな原料はフッ素の化合物。
2. 半透明な白(オパール)         フッ素の化合物・バリウムなど。
3. 泡ガラス(白泡)            透明なガラスが細かい泡状になって密集しているので、白く見える。
4. 擦りガラス状(腐食・サンドブラスト)  透明なガラスを加工し、擦りガラス状に白っぽく見える。

今回はそれぞれの白を使った作品をご紹介いたします。

白色作品
岩田糸子作 「乳白巻雲花器」 1991年作 29×30×22  ホームページ作家紹介欄 掲載作品

本体部分が白石玉で、巻いた太いガラスは泡ガラスです。
撮影中村明彦

白色ガラスのいろいろ
1. 不透明な白、通称「白石玉」は、大変汚れやすく、単独一色で使用する事が少ない色です。
  表面に透きガラスを被せたり、サンドブラストなどの表面加工をするときれいに仕上がります。

  岩田藤七作 「白石玉アンフォラ」 1973年作 18×18×42                    岩田糸子作「ガラスの華」 1987年作  53×53×23
                                                   
 シンプルですが堂々とした、尖底台付花器。                             流れるように入った白が伸びやかな作品。


2. 半透明な白はオパールと呼ばれ、柔らかな乳白色を出します。

  岩田藤七作 水指「雲水」 1976年作 22×22×12.5                       岩田久利作 花器「滑」 1986年 15×14×41
                                             
 オパールの地に白の斑点が流れる。                                 こちらもオパールの地に白の太い線が巻かれている。 


3. 白泡透明な白はオパールと呼ばれ、柔らかな乳白色を出します。

  岩田藤七作 「白泡貝型花器」  1961年 36×18.5×21                      岩田糸子作 「ガラスオブジェ」 1987年 左25.5×15×72 右33×17×55
                                              
 細かな泡が輝くような白色に見えます。                                 泡ガラスと透きガラスを組み合わせた美しい作品。   


4. 擦りガラス白泡透明な白はオパールと呼ばれ、柔らかな乳白色を出します。

  岩田久利作 「白石玉流影文壺」  1989年 21×21×28                     岩田久利作 「雪牡丹」     20.5×18×20
                                                     
 透きガラスに白石玉で流れる文様を付け、表面加工した作品。                 こちらも透きガラスに白石玉の斑点を付け、表面加工した作品。             


写真をクリックすると大きく見えます。
このように、岩田の作家は色の性質を巧みに利用して、色々な工夫をして作品を作っています。

「今月の作品 No.36 2013/8/4」にて 久利作の白色花器「聞く」を掲載しております。


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