岩田家のガラス芸術 BLOG 岩田の事

炎の贈り物 藤七・久利・糸子が織りなす岩田家のガラス芸術

岩田久利作 「砡空硝子花生」 今月の作品  No.3

2010-01-20 17:42:30 | 今月の作品
今月の作品  No.3  2010年1月20日
岩田久利作 「砡空硝子花生」

制作年  1979年
サイズ  幅 16.0cm  奥行き 16.0cm  高さ25.5cm

この、トルコブルーの色を「砡空」と呼びます。
表面をつや消しにしたこの色は大変美しく、
久利はこの色の単色で多くの作品を作りました。
上部が少しずつ細くなり、安定感があって、
大変花の生けやすい作品です。




作品の厚みに層があるのがわかります。
内側は無色、何層もガラスを重ねて間に色や模様を入れ
形を作っていきますので、表情と色に奥行きが出ています。


                                           撮影 中村明彦


岩田久利の作家紹介と経歴はこちら

この作品は売却済みです。

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久利への言葉  彩ガラスの四季 1月 谷川徹三

2010-01-01 00:00:00 | 久利への言葉
岩田久利 彩ガラスの四季 1月

あけましておめでとうございます。
本年も ホームページ「岩田家のガラス芸術」・ブログ「about IWATA」 を
どうぞ宜しくお願いいたします。

本年は(久利への言葉)の第一弾として、「彩ガラスの四季」を
12ヶ月にわたって掲載いたします。
この「彩ガラスの四季」は1983年、婦人画報に年間掲載された、
12名の方々が書かれた久利への言葉です。

久利と作品を知る、芸術文化に関わる様々な方々が登場しますので
どうぞお楽しみにご覧下さい。



1月 日本的淡雅と洋風な清新  谷川徹三(哲学者)



撮影 藤森 武


『岩田久利 ― ガラスの世界 ―』一巻は、現代日本のガラス
工芸の世界では劃期的な本である。現代ガラス工芸の最高の作家の
全貌が、ほぼこの一巻の美しいカラー写真でうかがえるからである。
その中に七点の水指がふくまれている。これはその一点である。
 鱗文は、古来いろいろなものに好んで使われているが、ガラスで
この模様のものは、今まで私は見たことがない。
久利さんの先考藤七さんの作品にも、私の記憶ではなかった。
それを金地と銀地に、赤、青、褐と、それも鮮烈な一色の赤から、
褐色の上に、濃淡の変化をつけて自由に点じた赤、青も褐もそれに準じて、
濃淡の変化をつけたところ、帯状の金銀地の不整形の何条かのバックと共に、
こころよいリズム感を感じさせる。
どういう手法で、こんな、日本的淡雅の中に洋風な清新をひそめた、
しゃれた文様をガラス器で作り出すことができたのか、
その手法の秘密を訊いてみたい思いに駆られるほどである。


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