新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより・51(0087) 丁度100号になりました

2015年03月02日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2015.3.1配信)
第100回「がん哲学学校」
恩師 Knudson ~丁寧な、心優しい、本質的な人間~

『がん哲学学校』が記念すべき、第100回を迎えた。『21世紀の徒然草』 (第99回)――>『がん哲学ノートー』(第150回)ー>『がん哲学学校』の時代的流れである。継続の大切さを、しみじみと思う今日この頃である。思えば、筆者は、鵜鷺小学校5年生の時から、日記を書くように、担任の先生から言われ、今に至まで、短い文章書きが、『歯を磨き・顔を洗う』習慣の如く50年も続いている。

先週、『30年後の医療の姿を考える会』主催の第9回市民公開シンポジウム『メディカルタウンのヒューマンサポート~とまどったとき 自分で歩け出せるよう 一緒に』(赤坂見附に於いて)が、開催された。これも、毎年、継続されている企画である。会場は、一杯の大盛況であった。大いに感動した。筆者は、閉会の挨拶で、『地道な継続の高尚さ & 先見性の「医療維新」』を述べた。

週末、『第20回中皮腫パネル』(世話人:武島幸男先生、後援:労働者健康福祉機構)(順天堂大学に於いて)が開催された。病理診断に難度のある『中皮腫』の臨床・病理の症例報告会であり、会場は満員であった。時代的要請を痛感した。

「平成24年度文部科学省がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン採択事業」で「第3回臨床研究研修会」が合宿形式で開催された(順天堂大学に於いて)。『緩和ケア』&『チーム医療』についての、異分野の交流の学びであった。筆者は、「閉会の挨拶」をする機会が与えられた。『良き広報』の大切さを強く述べた。

遺伝性がんの「2 hit」で著名な、筆者のアメリカ時代の恩師 Knudson(1922~:92歳)の最新論文「Revisiting tissue specificity of germline cancer predisposing mutations」(Nature Reviews|Cancer 15:65-66, 2015)が奥様から送られてきた。「重要な点をついている」論文に、改めて偉大さを確認した。「Knudson 先生はすごいですね。研究者はいつまでも好奇心と情熱をもっていなければなりませんね。」との、核心あるコメントも頂いた。『家族性腫瘍』の『特別企画:日本家族性腫瘍学会の20年を振り返る』が送られてきた。筆者は、『医療維新~丁寧な、心優しい、本質的な人間の見直し~』で、寄稿した。

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。