本年も穏やかに何時もの正月を迎えることができました（岩上です）

　まずは１月１日に起きました石川県能登半島地震の被害にあわれました皆様に心中よりお見舞い申し上げます。また残念ながらお亡くなりになられた方に心よりご冥福をお祈り申し上げます。
この度の災害は本当に意地悪くお正月の元旦に起きてしまいました。日本人気質として普段はなれて暮らしているご両親に孫の顔を見せたいと家族一家で里帰りしてお正月をお祝いしているところにマグニチュード７.３、震度７.２という大地震が起きてしまったのです。残念でなりません。今後里帰りが減ってしまうようなことがない事を祈るばかりです。
　今年も大変ありがたいことに穏やかな新年を迎えることができました。今年も毎年恒例の東温市横河原の水天宮様に家族そろってお参りができました。去年は母が入院中でしたが今年はみんな揃ってお参りすることができました。


何時でも仲睦まじく二人一緒です。最近足が悪くなった母を気遣う父です。


今年の干支は辰ですね。これも恒例の東温高校美術部の生徒さんが今にも天に上りそうな迫力のある龍の絵馬を奉納してありました。


母の足が良くなって今年も健康で過ごすことができるようにと父がお守りを買っていました。夫婦愛ですねー。


水天宮を後にして両親を実家に送り届け私たちは私たちの住まいの氏神様である椿神社へお参りし、今年も一年社員全員が無事に仕事ができますように、家内が安全に無事で過ごせますようにと会社と我が家にお札を頂きました。


例年ならここまでのお話なのですが、今年は久しぶりに家内と映画を見に行きました。題名は「PERFECT DAYS」パーフェクトデイズです。ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダースが、「THE TOKYO TOILET プロジェクト」で世界的な建築家やクリエイターによって改修された東京・渋谷の公共トイレを舞台に描く人間ドラマ。主人公であるトイレ清掃員の平山役を役所広司が務め、第76回カンヌ国際映画祭で日本人俳優として2人目となる男優賞を受賞したということで評判になっている映画なので見に行ってきました。


朝起きて歯を磨き顔を洗い観葉植物に水をあげ身支度をして駐車場の片隅にある自動販売機からダイドーの缶コーヒーを買い何時もの仕事車に乗りコーヒーを飲み干し大好きな音楽をカーステレオのカセットで聞きながら都内の公衆用トイレの掃除に向かう。一切手を抜かない隅々まで丁寧な仕事ぶり。お昼休みには趣味の白黒フィルムで樹木の写真を撮る。仕事が終わっていつもの銭湯で疲れを落としいつもの店で一杯とささやかな夕食を食べて帰宅する。寝落ちするまで休日の日に古本屋で求めた本を読み朝方なんてない夢を見ながら目覚める。また同じ一日が始まる。そんな生活の中姪っ子（妹の子）が家出をしてアパートに訪ねてくる。２日ほど一緒に行動する中で姪っ子の話をよ～く聞いてやり大きな思いやりで包み込んで妹のもとへ帰してやる。そんな心の奥深さを持ち安定感のある人物の、一日だって無駄に生きない平凡だけれども貴重な一日一日が平山のパーフェクトデイズであるのだと思う。


ラストシーンで朝仕事場へ向かう車でカーステレオで好きな音楽を聴きながらハンドルを握っているその顔が数分間アップで映し続ける。うっすらと笑みを浮かべているその顔がささやかな一日一日に幸せを感じこれからも大切に毎日を送っていくのだろうなと思わせるラストシーンでした。
　この年になってやっと分かったように思います。毎日毎日が何事もなく平凡でつつましく一日一日を送れることが本当の幸せなんだなと・・・。