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9月7日(木) 日帰り米沢旅。

2023年09月09日 08時02分07秒 | 2023年

 6時半起床。今日から4連休である。

 朝食は梅干しオートミール。

 妻と娘を見送ってから、身支度を整えて家を出る。今日は、日帰りで米沢へ行く。

 東海道新幹線で東京へ出て、9:24発の山形新幹線つばさ131号に乗る。

 座席カラーはさくらんぼをイメージしているそうだ。

 大宮を過ぎてしばらくすると、景色が非日常に変わっていく。

 福島で東北新幹線から分岐し、奥羽本線に入る。

 福島の街の抜けると景色が一変する。山間を走っているというよりも、トンネルで山脈を突っ切っているという感覚。

 山を抜けるともうすぐ米沢である。

 米沢には定刻通りの11:20に到着。この先、山形・新庄まで行くE3系を見送る。

 米沢といえば米沢牛。私の一番の目的もこれである。

 お隣のホームに止まっている奥羽本線の普通列車を見に行く。719系車両は久しぶりである。見た目はほぼ211系だが、いかんせんこの色がカッコいい。

 現在の米沢駅の駅舎は、山形新幹線の開業に合わせて建設された。建設にあたっては、米沢市民や地元産業界から5億円の寄付が集まったらしい。地元に新幹線が来るというのはそれだけの大事だったのだろう。

 最初の目的地までは2.2キロ。時間にも余裕があるし、気温もそれほど高くない(27℃くらいだったと思う)ので歩くことにする。駅周辺には歴史的に価値のありそうな建物が並んでいたり、東京や新横浜でも売られている有名な駅弁屋さんの本店があったりと、見所が多い。

 最上川を渡る。

 遠くに我妻山が見える。

 せっかくなので、土手沿いを歩く。

 良い天気だが、ほどよく雲も出ていて日差しを遮ってくれる。

 米沢駅から徒歩約30分。さすがに汗ばんできた頃に目的地に到着する。

 米沢牛専門店「登起波」。精肉店の2階がレストランになっている。

 12時から予約しておいた。食べるのはもちろん米沢牛。

 サーロインステーキ(200g)を注文。すき焼きや焼肉などにも惹かれたが、やはりここまで来たらステーキだ。

 前菜で出てきた郷土料理の「冷や汁」が美味しかった。出汁のよく利いた冷たいお浸しである。

 メインのステーキが登場。思わず「わぁ」と声が出る。

 美しいステーキである。わくわくしながらナイフを入れる。

 美味しい。脂がのっているのにしつこさがなく、お肉の味がしっかり感じられる。理想的なステーキだ。そのまま(塩胡椒)で食べるのが一番だが、玉ねぎソースやわさびともよく合っていた。やはり、美味しいお肉は人を幸せにしてくれる。

 今回の旅行は「米沢牛を食べたい」という衝動から企画したのだが、大正解だった。

 上杉神社を目指して、再び2キロほど歩く。米沢の街を歩いていて感動したのは、車が歩行者に優しいことである。信号のない交差点でも必ず止まってくれるし、曲がるときでもかなり早いタイミングから歩行者保護を徹底してくれる。1回や2回ではないから、おそらくたまたまではないと思う。

 上杉神社に参拝。米沢城址にあるのでとても広く、雰囲気が素晴らしい。

 上杉謙信やその後の一族の皆さんの歴史解説を読んでから本殿にお参りする。私は歴史(特に日本史)に疎いので、この手のものはしっかり読まないとありがたみを理解できず、もったいないのだ。実際、今日まで「なせば成る なさねば成らぬ 何事も 成らぬは人の なさぬなりけり」は謙信の言葉だと思っていたし…。

 上杉家の氏神であった春日神社や福徳稲荷神社にも参拝した後、戊辰戦争と西南戦争で戦死した人々を慰霊するための招魂碑、謙信の遺骸(甲胄を着せた状態で、甕に納め漆で密封したと伝えられる)を安置した御堂があった場所なども見に行く。

 参拝を終え、お堀の外にあるジェラート屋さんでぶどうソフトクリームを食べる。お店の方に伺ったところ、葡萄も米沢の名産品だそうだ。

 コロナ禍に入ってからは、手を洗えない状況での食べ歩きなんてもう一生無理なんじゃないかと思ったりもしたが、いつの間にかそれほど気にならなくなった。ただ、まだまだコロナが蔓延している中で、これが日常への回帰として歓迎すべきことなのか、気の緩みとして反省すべきことなのか、よくわからない。

 米沢牛を広めたチャールズ・ヘンリー・ダラスさんのエピソードが興味深い。語学教師として米沢に赴任していた彼が、ここの牛肉は美味しいからと横浜の外国人居住区に牛を連れて帰ったのがきっかけで域外へ広まったそうだ。まさに「米沢牛の恩人」である。

 米沢の中心街には彼の名前の付いた道(C.H.ダラス通り)もある。ただ、これは牛肉関連ではなく、地域の教育振興への尽力を称したもののようだ。

 毎年会社の親睦会からプレゼントされる米沢牛のお店「さかの」が経営する焼肉店を見つけた。

 このお店から送られてくるお肉が美味しかったおかげで米沢牛の魅力に気付くことが出来たし、それが今日の米沢旅行にも至っている。

 帰りがけに少し遠回りをして、先ほど「登起波」に向かう途中で気になった場所を再訪する。

 城下町ではお城に(滋養強壮薬として)牛肉を献上するというのは一般的だったと言われており、そのためには牛を屠る人が必要で、街にはそうした人々の暮らしがあったはずだ。時代は変わり、今となっては知らない人も多いし意識することも必要もないが、当時に思いをはせることも無駄ではないと思う。

 帰りは別の橋で最上川を渡る。

 下流方面を眺める。これが山形県内をゆっくり北上して日本海に注いでいると思うと、自然の壮大さを感じる。

 帰りに「峠の力餅」を買おうと思っていたのだが、木曜日は定休日だった。残念。

 駅前にある「新杵屋」の本店に入る。お店の名前は知らなくても、ここの名物商品を知らない人はいないだろう。

 定番の醤油味は東京でも買えるので、味噌味とカレー味を買って帰る。

 米沢駅へ戻る。切符を買って構内へ入ると、米坂線の車両が止まっていた。米坂線は昨年8月の豪雨で100ヵ所以上の橋梁や地盤が被災し、現在も大半の区間が不通となっている。これに伴って一時は廃線も選択肢に入っていたようだが、翌日(9月8日)にJR東日本は鉄路の復旧を目指すと発表した。

 米沢14:38発のつばさ144号に乗り、福島へ。山形新幹線は全車指定席だが、奥羽本線区間内は特定特急券で空席に座ることが出来る。

 福島までの所要時間は約30分。往路とは反対側の窓から景色を眺める。

 まもなく福島に到着する。左手に東北新幹線の線路が見えてきた。

 奥羽本線からの線路は福島駅まで独立しており、東北新幹線と交差することなくホームへ入線できる。

 そのため、下り(仙台方面)列車が左側を走っていく。左側通行という基本が染みついているので、変な感覚になる。

 福島駅で下車。

 一度下りたのは、「三万石」で買い物をするためである。

 当然、「ままどおる」を購入。私の中では歴代No.1お土産と言ってもいいくらい大好きなお菓子である。

 せっかくなので街へ出る。古関裕而さんの野球殿堂入りが大々的に祝福されている。確か、今年の1月のことだったと思う。おめでとうございます。

 「珈琲グルメ」に入る。

 古き良き雰囲気の喫茶店である。店員さんは若い方が多いが、お店の雰囲気にぴったりの丁寧で落ち着いた接客をしてくださる。

 水出しアイスコーヒーとソフトクリームを注文。

 コクの強いアイスコーヒーだ。最初の一口は「おぉ…」と思ったが、もう一口、もう一口と飲みたくなる味で、結局すぐに飲み干した。

 福島駅へ戻り、阿武隈急行の車両を眺めてから新幹線改札へ。

 新幹線のコンコースに福島の四季の写真が大きく飾られている。どの季節も魅力的だが、やはり冬が気になる。

 乗車予定のやまびこ146号(16:16発)を出迎える。今回の旅の行程で最初に決めたのはこの列車である。200系リバイバルカラー(緑色)のE2系車両に乗りたくて、鉄道マニアの方々のSNSやブログから運行情報を入手し、おそらくこの列車は間違いないだろうと考えていた。しかし、結果はこれ。なんでやねん。

 気を取り直して福島を後にする。通常カラー編成はもはやただの格落ち車両だが、これに乗れるのもそう長くはないだろうから貴重な体験ではある。

 車内では、『ReHacQ』で感染症疫学者の塩田佳代子さんが登場された回(後編特別編)を見る。彼女のような超エリートで素晴らしい研究をされている方でも、私たちと同じように子育てに四苦八苦しているという話がとても印象的で、共感すると同時に「この人でも四苦八苦するんだから、俺らが四苦八苦するのは当たり前だな」と気が楽になった。まだまだお子さんも小さくて猪突猛進に研究というわけにはいかないと思いますが、どうかお体ご自愛の上、益々のご活躍をお祈りしています。

 東京で東海道新幹線に乗り換え、新横浜へ帰る。

 普段の仕事帰りより30分だけ遅い電車だったのだが、見える景色、明るさがだいぶ違う。

 保育園へ娘をお迎えに行く。今日はここまでで2万歩近く歩いているので、さすがに身体が重い。

 入浴と洗濯を済ませ、娘を寝かしつける。お風呂でも寝かしつけでも寝落ちしそうになったが、奇跡的に復活することが出来た。

 復活できたのは、これらのおかげだろう。

 牛肉どまん中のカレー味とみそ味を、妻と食べ比べする。

 カレー味は想像以上にカレーである。美味しいが、牛肉が”どまんなか”ではない。

 みそ味もしっかりお味噌の味がする。牛肉の味噌漬けは一般的といえば一般的なので、それほど違和感はない。

 食後のデザートは、ままどおる。

 これは本当に美味しい。もっと大量に買えば良かったか…。

 日付が変わる頃に就寝。さすがに疲労困憊で、歯磨きの時点で朦朧としていた。その後の布団までの記憶はほぼない。


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