ドクトール隆の日常日記(秋田県大館市 伊藤内科医院)

日常診療とプライベイトに思う・・・

トラゼンタの特徴について

2012年11月04日 18時05分17秒 | 診療&トピツクス

 山岸教授の講演を聞いてきました。血糖記憶について病歴が長く、血糖

コントロールが不十分症例ではその後の強化療法を施行しても予後や合

併症リスクはさほど良くならない。一方、早期からの強化療法では著明な

予後および合併症予防が期待できる。この血糖記憶の主因は老化物質

AGEs(最終糖化産物)の蓄積に密接に関係しているらしい。これが一定

量以上蓄積ではその後強化療法しても直ぐに減ることはなく、予後を改善

しないとされる。

したがって、早期治療と良好な血糖管理の実現が重要である。その結果、

AGEsの蓄積は軽減できるらしい。各種DPP4の中で最も優位にこれを低下

させるのがトラゼンタであるらしい。またAGEs受容体活性を抑制する効果

もあり、AGEs/RAGE関連の酸化ストレスによる臓器障害進展の悪循環を

断ち切れる可能性があるらしい。さらにトラゼンタ自体が抗酸化作用を有し、

より強力な抗酸化作用が期待できるらしい。懇親会で直接教授に質問した

のでありますが低アディポネクチン症例では高AGEsになり易いとおっしゃ

ってました!そう考えるとアクトスとの併用が効果的かな?(現時点では併用不可)

コメント (2)
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