メタボリック症候群(メタボ)の脂質異常の特徴は低HDL-Cと高TGであるが、
現行の脂質改善薬では特にスタチン系剤ではかなり有効であるが、DMや心血
管既往者ではその管理目標(120~100mg/dl)が厳しいため、その管理目標
の達成や維持が困難な症例も多い(50~70%)。したがって、現行スタチンの
増量あるいは多剤との併用が必要となるが、実際スタチン系剤では倍量に増量
しても10~20%の効果しか期待できず、その臨床効果には限界がある。
したがって他剤を併用する方が効果的である。今注目されているのが小腸コレス
テロール吸収阻害剤のゼチーアである。当院でも2年ほど前から、メタボ症例に
併用しているが、さらに脂質改善効果(LDL-C,TG)が20~30%低下が確認
された(ただしHDL-Cは優位な改善なし)。しかし実臨床ではTGの管理に関して
食事の影響が大きく変動しやすいため、評価しにくいのも事実である。こんな中、
RLP-C:レムナントコレステロール(CMレムナント+VLDLレムナントの総和)測定
が有用と思われる。これは専門医の中では超悪玉と言われており、動脈硬化の
初期病変の主因ではとさえ考えられている。当院でも2年前から採用しており、
食後の採血でも安定しているため特にDM合併のメタボ例では有用である。