子どもが生まれると2週間(14日間)以内に出生届を役所に提出する必要があります。
この出生届に子どもの名前も記載することになりますが、その際に「書き間違ったらどうしよう。」と、とても緊張した覚えがあります。
出生届の書面は産院が記入してくれる出生証明書と一体となっているので、妻から、「書き損じたら、もう一度産院に出生証明書を書いてもらう必要があるの?」と聞かれたりもしました。
この点、単に出生届に誤記してしまった場合には、訂正印による書面の訂正が可能ですので(念のため、提出時に役所の方から訂正の仕方を聞いた上で訂正された方が無難です。)、実はそれほどビクビクする必要はありませんでした。
では、子どもの名前を既に役所に届出てしまった後でも、名前の訂正って簡単に出来るものでしょうか?
例えば、離れている夫婦間で連絡が不十分だったため誤った文字で名前の届出がされてしまう可能性もないとはいえませんし、届出をした後にもっといいなと思う名前を思いつく可能性だってあるかもしれません。
この点、いったん出生届が役所に受理されてしまうと、「名の変更の申立」というものを家庭裁判所に行い、家庭裁判所が「正当な事由」があるとして許可をしてくれなければ、名前の変更は認められません(戸籍法107条の2)。
そして、「正当な事由」があると認められる場合としては、永年使用していた通称を本名にするような場合等がありますが、社会における呼称秩序の安定性確保の要請からも、名前の安易な変更は認めてもらえません。
したがって、届出をした後になってもっとよい名前を思いついたといった理由では、まず名前の変更は認められないと思います。
出生届に誤りがあったというケースについては、裁判例をみますと、
☆父が命名した名前を電話連絡を受けた祖母が聞き違えて出生届を代行してしまった場合に名前の訂正が認められた事案 (大阪家庭裁判所昭和47年2月22日判決)
☆父母の協議結果と異なる子の名前の届出がされた場合に名前の変更が認められた事案(大阪高等裁判所平成12年5月19日 付決定)
など、名の変更(もしくは、訂正)が認められた事案も見受けられますが、具体的な事情から届出や命名といった行為の有効性そのものに問題があると判断される必要があるようですので、名前の変更は簡単には認められないと先ずは考えておくべきでしょう。
やはり、『子どもの名前は慎重に届出をする』ことが大切です。
夫婦の間では少なくともメール等で文字化して名前の確認をしておくべきですね。
もしも出生届の期間内に子どもの名前がはっきりと決まらないような場合には、「子の氏名」欄を空欄のまま出生届をし、後日、名前を追加で届出することも認められているようです。
この場合、名前を追加で届出したことが戸籍に記載されてしまうようですが、それでも後々子どもの名前のことで後悔し続けるよりはいいような気がします。
Copyright(C) 中田憲孝法律事務所 all rights reserved
中田憲孝法律事務所
この出生届に子どもの名前も記載することになりますが、その際に「書き間違ったらどうしよう。」と、とても緊張した覚えがあります。
出生届の書面は産院が記入してくれる出生証明書と一体となっているので、妻から、「書き損じたら、もう一度産院に出生証明書を書いてもらう必要があるの?」と聞かれたりもしました。
この点、単に出生届に誤記してしまった場合には、訂正印による書面の訂正が可能ですので(念のため、提出時に役所の方から訂正の仕方を聞いた上で訂正された方が無難です。)、実はそれほどビクビクする必要はありませんでした。
では、子どもの名前を既に役所に届出てしまった後でも、名前の訂正って簡単に出来るものでしょうか?
例えば、離れている夫婦間で連絡が不十分だったため誤った文字で名前の届出がされてしまう可能性もないとはいえませんし、届出をした後にもっといいなと思う名前を思いつく可能性だってあるかもしれません。
この点、いったん出生届が役所に受理されてしまうと、「名の変更の申立」というものを家庭裁判所に行い、家庭裁判所が「正当な事由」があるとして許可をしてくれなければ、名前の変更は認められません(戸籍法107条の2)。
そして、「正当な事由」があると認められる場合としては、永年使用していた通称を本名にするような場合等がありますが、社会における呼称秩序の安定性確保の要請からも、名前の安易な変更は認めてもらえません。
したがって、届出をした後になってもっとよい名前を思いついたといった理由では、まず名前の変更は認められないと思います。
出生届に誤りがあったというケースについては、裁判例をみますと、
☆父が命名した名前を電話連絡を受けた祖母が聞き違えて出生届を代行してしまった場合に名前の訂正が認められた事案 (大阪家庭裁判所昭和47年2月22日判決)
☆父母の協議結果と異なる子の名前の届出がされた場合に名前の変更が認められた事案(大阪高等裁判所平成12年5月19日 付決定)
など、名の変更(もしくは、訂正)が認められた事案も見受けられますが、具体的な事情から届出や命名といった行為の有効性そのものに問題があると判断される必要があるようですので、名前の変更は簡単には認められないと先ずは考えておくべきでしょう。
やはり、『子どもの名前は慎重に届出をする』ことが大切です。
夫婦の間では少なくともメール等で文字化して名前の確認をしておくべきですね。
もしも出生届の期間内に子どもの名前がはっきりと決まらないような場合には、「子の氏名」欄を空欄のまま出生届をし、後日、名前を追加で届出することも認められているようです。
この場合、名前を追加で届出したことが戸籍に記載されてしまうようですが、それでも後々子どもの名前のことで後悔し続けるよりはいいような気がします。
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