2015年12月8日(火)
いつからだろう、どうも気になる。この一年ほどではないかと思うが・・・
「再開する」と言えばいいところを「再開させる」という。「加速する」ですむところを「加速させる」といい、さらに「加速化させる」と言ったりする。従来、他動詞として(も)使われていたものを自動詞限定と解し、他動詞的に用いる場合は「させる」で明示するというNHKの考査方針らしい。どんな理屈があるか知らないが無意味なことだし、かなり耳障りで煩わしいのだ。それが耳に入るたびに、思考の自然な流れが途絶してしまう。アナウンサー諸賢、言ってて歯が浮いたりしないものか。
12月8日の「今日は何の日?」
当然パールハーバーだが、それに尽きるのでは世代が知れるかな。ジョン・レノンが撃たれた日であり、古くは力道山が刺された日である。もう1つ、高速増殖炉もんじゅで最初の(?)燃料漏れが起きたのも、この日だそうだ。その件を報じるにあたって・・・
当時レノンは、本格的な音楽活動を「再開させる」のを目前にしていたんだそうだ。レノンが誰に再開を指示していたんだろうなどと頭の中でつい揚げ足とってしまう。自動詞/他動詞だけでなく使役の問題まで引き起こして、どんなメリットがあるんだか。
ところが一転「もんじゅ」の件では、運転が「再開される」予定が変更になったという。変でしょ、それ。レノンは音楽を、もんじゅは運転を、等しく「再開させる」わけだから、これを受動態にするなら「再開させられる」でなければならない。さすがにそうは言えないので「再開される」のママということらしく、それならやっぱり「再開させる」がおかしいのではないですか?
妙なことをするもんだ。他にも文句はいろいろあるけれどね。
まあおかげでもんじゅの件は記憶に永久保存である。真珠湾、力道山にジョン・レノン、もんじゅのトラブル、12月8日はよくせき凶事発生の特異日であるらしい。