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散日拾遺

日々の雑感、読書記録、自由連想その他いろいろ。
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永井博士のこと/産声の奇跡

2015-12-07 22:00:06 | 日記

2015年12月7日(月)

 被爆二世さま:

 再三にわたるコメントをありがとうございます。いつも丁寧に御覧くださっていること、かたじけなく存じます。

 先に「平和」についてコメントをいただきました中に、永井隆博士についての言及がありました。深く知り、理解しているとはいえないまでも、永井博士のお名前は私と私の家族にとって、非常に近しいものであること間違いありません。

 永井博士についてパウロ・グリン神父が書いた『長崎の歌』という書物があります。原著 "a song for Nagasaki" はアメリカや神父の出身地であるオーストラリアで版を重ねているようですが、1989年に上梓された和訳は既に絶版と見え、アマゾンでも情報が出てきません。実は、これを訳した聖心女子大学同窓生グループの中に、つれあいの母の名があるのです。義母からもらった訳書や『永井博士の思い出』と題された14分ほどのDVDを、この四半世紀いつも身近に眺めてきました。さしあたりそのことを、お返事に代えてお伝え致します。

  

 

 11月はひどく忙しい月でしたが、思いがけずお目にかかることができましたね。なぜか理由もなく広島の方と思い込み、お便りをいただくまでは男性か女性かの見当もつかず、大きな謎の人物でいらした1ヶ月前が今ではとても可笑しく感じられます。短い会話の中で、「私の育った頃は、まわりの誰も彼もが『被爆二世』でした」とおっしゃったこと、決して忘れは致しますまい。遠路はるばるお疲れ様でした。宿願達成を心よりお祈りしています。

 「産声の奇跡」について関心を示してくださり、ありがとうございます。昨6日付けで私どもの教会の「C.S.通信」 ~ C.S.は church school つまり教会学校の略です。よく「日曜学校」と呼ばれますが、「日曜学校」と「教会学校」は本当は違った意味のものです ~ が発行されましたので、それをまるごとお目にかけます。最後の2ページを拡大すれば、お読みいただけるかと思います。(不親切みたいですけど、何しろ照れくさいので・・・)

 奇跡と言うなら、実はこの「C.S.通信」自体がちょっとした奇跡です。編集者は当教会のMさんとおっしゃる方で、中学校の英語の先生をなさる傍ら、毎月の発行をただの一度も欠かすことなく既に四半世紀を超えました。熱しやすく冷めやすい私などには真似のできない、持続する情熱に敬服するばかりです。教会とは基本的にただ一つのメッセージを伝え続けることを使命としており、もっぱらそのために存在するのだと思います。その日のことを伝え続ける愚直の貴さは、被爆二世さんには申しあげるまでもないでしょう。

 愚かであることが、私たちの誇りです。そうですよね?