2020年4月30日(木)
常に喜べ、絶えず祈れ、すべてのこと感謝せよ。これがキリスト・イエスにあって、神があなたがたに求めておられることである。
テサロニケの信徒への第一の手紙 5:16-18
「まことにごもっともながら、生身の人間には無理な注文」と思うことが、聖書を読んでいてよくある。これなどもその例で、日めくり聖句として壁にかけておくには良いけれども、そうそう実行できるものか・・・などと居直っていたが、そういうものでもないらしい。
出会い知り合う人々の中に、これをかなりの程度まで体現している人があり、人生の全長にわたってではなくとも、決定的な局面でそのように行う人がある。この人々は、それを徳目として励行しているというよりも、ある種の直感に導かれてそのように振る舞い、あわせてそうすることが自身の利益であり、幸せへの近道であることを覚るかのようだ。
少なくとも診療の場において、感謝する能力や喜ぶ力に長けている人ほど回復に近いことは、まずもって疑いがない。翻って聖書のメッセージの全体が、枯れた道徳律を生きた福音に読み替える作業に関わっている。徳は得なりとは、どこで教わったのだったか。
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Πάντοτε χαίρετε, αδιαλειπτως προσευχεσθε, εν παντι ευχαριστειτε. Τουτο γαρ θέλημα θεού εν Χριστώ Ιησού εις υμάς.
ΠΡΟΣ ΘΕΣΣΑΛΟΝΙΚΕΙΣ Α'
要常常喜樂、常常禱告、在任何環境中都要感謝。這是上帝爲你們這些屬於基督耶穌的人所定的旨意。
帖撤羅尼迦前書
항상 기뻫하고, 쉬지 말고 기도하며, 범사에 감사하시오. 이것이 그리스도 예수 안에서 여러분이 실행해야 할 하나님의 뜻입니다.
Ⅰ 데살로니가
Be always joyful; pray continually; give thanks whatever happens; for this is what God in Christ wills for you.
The First Letter of Paul to the Thessalonians
Rejoice always, pray without ceasing, give thanks in all circumstances; for this is the will of God in Christ Jesus for you.
ibid.
Soyez toujour joyeux. Priez sans cesse. En toute circonstance, rendez grâce; car telle est à votre égard la volonté de Dieu en Christ-Jésus.
Première Épître de Paul aux Thessaloniciens
Freut euch immerzu! Laßt nicht nach im Beten. Dankt Gott in jeder Lebenslage. Das will Gott von denen, die mit Jesus Christus verbunden sind.
Der Erste Brief des Apostels Paulus an die Gemeinde in Thessalonich
Всегда радуйтесь. Непрестанно молитесь. За все благодарите: ибо такова о вас воля ъожия во Христе Иисусе.
Первое Послание к Фессалоникийцам Святого Апоста Павла
ハングルやロシア語は、そもそも正しく転記できているか甚だ心許ない。テッサロニキ(テサロニカ、サロニカ)は、紀元前315年にマケドニア王カッサンドロスによって創建された。東ローマ帝国時代にはコンスタンティノープルと並ぶビザンチン文化の中心として栄え、現代ギリシアでは首都アテネに次ぐ第二の都市、マケドニア・トラキア行政管区の首府でもあるという。
テサロニケの地名は Θεσσαλός と Νίκη の合成語に由来し、「テッサリアの勝利」の意。テッサリア(Θεσσαλία)はギリシャ中部の地域名であり、同地に広がる平原はギリシアの穀倉地帯とあるが、下掲の地図で見る通り、テサロニケはテッサリアに属していないのが面白い。
カッサンドロス(在位 B.C.305-297)は、いわゆるディアドコイ戦争(B.C.323-281)に含まれる一連の戦いを勝ち抜いてマケドニア王となった。マケドニアの南に位置するテッサリア平原で激戦があり、その戦勝を王都の名に刻んだ、そんなことだろうかと思う。
Wikipedia/テッサロニキ
Wikipedia/テッサリア
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