難しく珍しいにも程（ほど）がある

人間としてコノ世に生まれ出ることは、非常に難しいことなのです。

そして、人間が必ず死ぬという現象も、コノ世だけの稀有なることです。

そして、コノ世で本当に正しい真理の言葉に出合う縁を持つことも難しいことです。

そして、コノ世で目覚めた人に成れることも難しいです。

（原始仏典　ダンマパダ１４章－１８２番）

（感想）
多くの人が、生きることが苦痛だと思っています。
釈尊も、人は「生（性）・老・病・死という苦悩を避けることは出来ない」と仰っています。
そして、これを避けることが絶対に誰も出来ないのだから、だからこそ逆に
＊　それを明るく受け入れること。
＊　それを眺（なが）めること。静観すること。
＊　思いっ切り体験すること。
を示唆されています。

その理由が、この章の最初に有ります２行の言葉です。
（１）　まず、コノ世に人として生まれて苦悩を体験出来ること自体が、とても貴重で稀有な現象であり、有り得ない機会を人は体験しているのです。

私の感覚でも、コノ世に生まれることが出来た時点で、「誰もが」内在神を宿す聖人です。神が宿るという合格を果たした人です。
ところが、コノ世では全員が「生（性）・老・病・死」という体験を、目にフタをしたまま苦悩しながら生きます。愚かな間違いも何回もしながらです。
これは、何という名前のゲームを全員でしているのでしょうか？
このように考えますと、冷静に「目覚める」ためのヒントがここに在ります。

（２）　そして、このようなゲーム（人生）をしているのも、期間限定であり必ず区切り（死）があるのです。
釈尊は、「必ず死ぬという現象も、コノ世だけの稀有なることです」
という今までに無い斬新な視点を指摘されています。
「死ねるという区切りが有ることも、コノ世だけの崇高なプレゼントだ」
つまり、死という現象自体が珍しいことなのです。

考えて見ますと、私の感覚でもアノ世には死が無いのです。
アノ世では時間の経過が無い、時間という概念が無いのです。
コノ世を去って、アノ世で最初に辿り着いた世界に永遠に居る感じです。
アノ世で違う世界・次元に行くことは不可能なのです。

もし他の世界に心（魂）が行きたいと思えば、再び「コノ世に生まれ出て」善徳貯金を増やすしかありません。
そして、コノ世に生まれ出ることは非常に難しいのです。
そして、生まれ出ましても、さらに悪徳借金ばかりが簡単に増える世界であるのがコノ世の現実です。

（３）　だからこそ、このような難しいコノ世で、更に自分が真理の言葉に興味を持てること自体が珍しいことであり、更にその自称の真理の言葉が、本当の真理であることは実に難しいのです。コノ世には、間違った自称の真理の言葉が多すぎます。

つまり、自分が本当の真理の言葉に出会えるか否か、そのような機会を持てるのも、自分自身の善徳貯金からです。
多くの人間が、自分の善徳貯金の不足から、本当の真理の言葉に出会いましても、自分で気付けずに遠ざかってしまいます。

これと同じことを老子も残しています。
「聞こうとするだけでも立派です」（http://blog.goo.ne.jp/isehakusandou/e/c8345076db6abcf7e6f5c9cc5104eae7）

（４）　そして、
＊　コノ世にナントカ生まれ出て。
＊　「生（性）・老・病・死」の苦悩の中で。
＊　本当の真理の言葉に出合うことが出来て。
＊　ゲームから、目覚めた人に成ること。
つまり、目覚めた人に成れることは、本当に難しいと釈尊も認めています。
アノ世からの過程を思いますと、本当に気の遠くなるような道程です。

でも、生きている私たちは、誰もがこの大いなるチャンスの「最中」「中今・なかいま」を体験中なのです。
何を悲しむことがありましょうか？
これを苦しいと思うこと自体が間違いであることが、他の多くの動物たちや生命の犠牲の上で成り立つコノ世の仕組みからも言えるのです。
生まれたことが嫌だとは、他の生命のためにも本当に無礼で失礼で愚かなことなのです。

今日も、何が有ろうとも頑張って、明るく受け切ってやりましょう。
これが、すべての生命や世界への御礼であり賛歌なのです。


※　１５日、１６日、は不安定な「中潮」です。防災意識で静観です。
（http://blog.goo.ne.jp/isehakusandou/e/30b172f5edf3060148008e2df2fe5d50）

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