伊勢ー白山 道

集団では無く、社会の中で心身の健康を正しく個人で目指します

13歳で他界した少女の伝言

2009-02-11 09:45:00 | 残された人達へ~故人からの想い

〈猿渡瞳さんの作文「命を見つめて」全文〉

みなさん、みなさんは本当の幸せって何だと思いますか。実は、幸せが私たちの一番身近にある事を病気になったおかげで知ることができました。それは、地位でも、名誉でも、お金でもなく「今、生きている」という事なんです。
 私は小学6年生の時に骨肉腫という骨のガンが発見され約一年半に及ぶ闘病生活を送りました。この時医者に、病気に負ければ命がないと言われ、右足も太ももから切断しなければならないと厳しい宣告を受けました。初めは、とてもショックでしたが、必ず勝ってみせると決意し希望だけを胸に真っ向から病気と闘って来ました。その結果、病気に打ち勝ち右足も手術はしましたが残す事ができたのです。
 しかし、この闘病生活の間に一緒に病気と闘ってきた15人の大切な仲間が次から次に亡くなっていきました。小さな赤ちゃんから、おじちゃんおばちゃんまで年齢も病気も様々です。厳しい治療とあらゆる検査の連続で心も体もボロボロになりながら、私達は生き続ける為に必死に闘ってきました。しかし、あまりにも現実は厳しくみんな一瞬にして亡くなっていかれ生き続ける事がこれほど困難で、これ程偉大なものかという事を思い知らされました。みんないつの日か、元気になっている自分を思い描きながらどんなに苦しくても目標に向かって明るく元気にがんばっていました。それなのに生き続ける事が出来なくて、どれ程悔しかった事でしょう。私がはっきり感じたのは、病気と闘っている人たちが誰よりも一番輝いていたという事です。そして健康な体で学校に通ったり、家族や友達とあたり前の様に毎日を過ごせるという事が、どれほど幸せな事かという事です。例え、どんなに困難な壁にぶつかって悩んだり、苦しんだりしたとしても命さえあれば必ず前に進んで行けるんです。生きたくても生きられなかったたくさんの仲間が命をかけて教えてくれた大切なメッセージを、世界中の人々に伝えて行く事が私の使命だと思っています。
 今の世の中、人と人が殺し合う戦争や、平気で人の命を奪う事件、そしていじめを苦にした自殺等、悲しいニュースを見る度に怒りの気持ちでいっぱいになります。一体どれだけの人がそれらのニュースに対して真剣に向き合っているのでしょうか。私の大好きな詩人の言葉の中に『今の社会のほとんどの問題で悪に対して「自分には関係ない」と言う人が多くなっている。自分の身にふりかからない限り見て見ぬふりをする。それが実は、悪を応援する事になる。私には関係ないというのは楽かもしれないが、一番人間をダメにさせていく。自分の人間らしさが削られどんどん消えていってしまう。それを自覚しないと悪を平気で許す無気力な人間になってしまう。』と書いてありました。本当にその通りだと思います。どんなに小さな悪に対しても、決して許してはいけないのです。そこから悪がエスカレートしていくのです。今の現実がそれです。命を軽く考えている人達に、病気と闘っている人達の姿を見てもらいたいです。そしてどれだけ命が尊いかという事を知ってもらいたいです。
 みなさん、私達人間はいつどうなるかなんて誰にも分からないんです。だからこそ、一日一日がとても大切なんです。病気になったおかげで生きていく上で一番大切な事を知る事が出来ました。今では心から病気に感謝しています。私は自分の使命を果たす為、亡くなったみんなの分まで精一杯生きていきます。みなさんも、今生きている事に感謝して悔いのない人生を送って下さい。
(出版社: 主婦と生活社により、お母様より引用の許可)
 
追記 :
昨年(平成16年)9月、13歳で亡くなった猿渡瞳(福岡県大牟田市の田隈中学2年)さん。
小学6年の時に骨肉種が見つかり既に肺にも転移、医師から『余命半年』を宣告されました。
ガンと正面から闘ってもらいたいと考えた母・直美さんは、身を切るような思いで11歳の瞳さんに告知されたそうです。
その時、瞳さんは大粒の涙を流しながら、
『教えてくれてありがとう。でももっと早く言って欲しかった。その分早く(病気と)闘う事ができたもの』と悔しがり、『でも、大好きなお母さんがガンじゃなくて、私がガンで本当によかった。』と。『絶対に治る』ことを信じ、生きるため希望に向かって、1年9ヶ月ガンと正面から闘い続けました。
感想 :
小学生にして、この潔さ。
現実界で長く生きたところで、この様な思い切りの良い潔さを
持てる人間は、はたしてどれ程いるのでしょうか?
彼女に勇気を与えたのは、15名の同じ病気の仲間が最後
まで諦めずに、明るく病気と向き合って死んで行った姿でしょ
う。
内心は彼女も含めて全員が、もう自分は駄目かも知れないと
思いながらも努力したのです。
逃げる事が出来ない中で努力をする仲間の気持ちが、彼女は
良く分かるからこそ感動したのです。

神秘家G.グルジェフの死生観の一つに、人間は最後まで
意識を持ったまま死んで行く事が、死んで肉体を脱ぎ捨てた
後の魂の自由度を決めると言うものがあります。
Gの熱烈な信奉者の一人だった思想家
ピョートル・ウスペンスキー
は、Gと決別した後もグルジェフの事を密かに慕っていました。
ウスペンスキーが病気により死を迎え朦朧とした意識の中で取ろ
うとした行動は、歩きながら死にたいと最後まで病床で起き
上がろうとしました。これを意識を無くすまで続けたと言う
エピソードがあります。

猿渡さんも最後まで逃げずに、明るく病気と向き合ったので
す。普通ならば深い絶望と悲しみ、恐怖の中で意識不明に
成ります。そして死ぬと、その状態での固定化が始まります
彼女の場合は稀な事に、前向きな心の状態で魂が肉体を
去りました。 つまり、生きたまま死の川を渡ったと言えます。
例え80年生きた所で、中々この様には渡れません。
現実界で生きた年数が短い事は、不幸な事ではありません。
密度が大事なのです。
最後まで大いに生き切った彼女に、敬意を表します。
私達も自由に動ける肉体の間に、彼女の様な心境で日々を
大切に生きなければ生けません。

彼女が現実界で生き切った証しのメッセージを、この場所で
多くの人々の目に残す事が、大切な事を伝えてくれた彼女へ
のせめてもの御礼です。

生かして頂いて ありがとう御座位ます

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310 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
肝に命じて (Unknown)
2009-02-11 09:51:38
彼女の命のメッセージ肝に命じて。

生かして頂いてありがとう御座位ます
疲れ (Unknown)
2009-02-11 09:57:27
お話はわかりますが、意地悪な年寄りと接しなければいけない時間が長く、心が疲れてしまってうまく生きられません。

死んだつもりで、やっていきます。
ありがとうございます。 (yuko)
2009-02-11 09:58:40
朝から心の奥に響く文章の紹介をありがとうございます。
猿渡瞳さん、本当にありがとうございます。
生かして頂いて ありがとう御座位ます
目がさめました (beat)
2009-02-11 09:59:12
おはよう御座います。
朝からネガティブな気分にさいなまれていましたが、記事を読んで目が覚めました。ありがとうございます。

生かして頂いてありがとう御座位ます
神は乗り越えられない試練は与えない (suisuisui)
2009-02-11 09:59:13
神とは「内在神」だと今、言い切れます。今朝も9時間寝てしまい「今日の私」に転生しました。苦しかった昨日を生かすように今日も生きたいです。生かして頂いてありがとうございます。
Unknown (Unknown)
2009-02-11 09:59:18
この命が終わるその時まで前向きに、生を与えられたことに感謝して生き抜く。
目の前の現実から逃げることなく、淡々と対処していく。


素晴らしい作文を教えていただきありがとうございます。



更新ありがとうございます (ララ)
2009-02-11 09:59:55
涙が出ました…。
生かして頂いて ありがとう御座位ます
おはようございます。 (KEN)
2009-02-11 10:00:09
今日もありがとうございます。

生かして頂いて ありがとうございます。
Unknown (玉こんにゃく)
2009-02-11 10:00:29
生かして頂いて ありがとう御座位ます!
生ききる (コビト)
2009-02-11 10:02:50
リーマンさん、毎日のメッセージありがとう御座います。
『人生を生ききる』
私も、この言葉にどれだけ助けられた事でしょう。辛い事があっても、生きる勇気が湧いてきます。
生かして頂いて ありがとう御座います。

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