最後に熱海に行ったのは、コロナ が始まった年、2020年12月 だった。
駅前の商店街は外国人は勿論、 日本人もパッタリいなくなり 閑散としていた。
その日は熱海海上花火大会の日 だったのにだ。
その翌年、毎年泊まっていた、 ニューアカオが閉館になり 熱海に行けなくなった。
熱海は夏だけでなく1年を通じて 年間20回程の花火大会が行われる。
これは、熱海にある沢山のホテルが 共同で開催していて、ホテルから 花火を観れることを売りに観光客 を呼び込む戦略なわけだ。
僕の知っている限りでは、 このようなイベントを行って いる観光地は熱海だけだ。
最初に行ったのは、まだ 東日本大震災の影響の 残っていた2012年の 9月。
花火会場の海まで5分程で 行けるニューフジヤホテル に泊まった。
熱海の花火はお年寄りに 絶大な人気で、ホテルの 予約がなかなか取れないが この時は妻が多分ネットで 見つけて予約が取れた。
熱海のホテルは多くが 昭和の時代に開業した 老舗と言えば聞こえはいいが 要するに老朽化している 建物が多い。
でもそれは目をつぶれるぐらい 楽しい。
僕が泊まったニューフジヤ ホテルは365日均一料金 を売り文句にしていた、 伊東園ホテルグループで、 花火の日でも、花火が無い日でも 値段が同じ。
ついでに、カラオケ無料、 卓球も無料、朝夕食は 広大なホールにとても、 食べきれない種類の食事が 並んでいるバイキング形式 だ。 僕は飲めないけど酒まで 飲み放題。 飲む人には天国だろう。
それまで僕は旅行は海外ばかり だったので、日本にこんな 娯楽施設が存在することに 度肝を抜かれた。
それから、僕は毎年、熱海に 行くようになった。
妻はさすがにニューフジヤの 建物のボロさが耐えられない ようで翌年からは、ニューアカオに 泊まるようになった。
アカオはホテルの大広間に 花火の観覧席が用意されるので 毎年12月に熱海の花火の日に 泊まるのが恒例行事になった。
そして、9年目2020年を 最後に熱海には行けなくなった。
コロナによる経営難で ニューアカオは閉館。
その後、外資企業に買い取られ ニューアカオは復活したのだが、 世間の値上げの波も後押しして 花火の日の宿泊料は以前の2倍 近くに跳ね上がり、働かない 貧乏人の僕にはとても泊まれる ところではなくなった。
それで、この数年は熱海の花火は 断念していたのだけど、今年は 久しぶりに行ってみたいと思い 2012年に初めて熱海に行った 時に泊まったニューフジヤに 予約を取ることを思いついた。
公式ホームページからは半年前 から予約がとれるので、3月に いち早く予約した。
値段もコロナ前のアカオ よりも安い1人1泊2食付き 11715円。
そして、4年ぶりの熱海 12年ぶりのニューフジヤ ホテルに行く日が来た。
閑散としていた駅前は、 昭和レトロブームと、 インバウンド需要で、 元からいたお年寄り、 若者、外国人であふれ返って いた。
新しい店も沢山できていて あちこちの店の前に 行列ができている。 僕が行き始めた頃以上の 大盛況で、蘇った熱海に 嬉しくなった。
夜の花火は宿泊者専用の 観覧エリアが用意されていて ゆったり観ることが出来た。
ただ、予算の都合かコロナ前は 25分だった花火が20分に 短縮されたままなので、やや 物足りなさは感じたな。 出来れば30分ぐらいは やってほしいところだ。
でも花火となると、何十万人の 人が押し寄せて、帰りの道路は 大渋滞、電車は大混雑を考えれば こんなにゆったりと見られること 自体がとても贅沢かもしれない。
最近は有料観覧席のチケットを 持っている人しかエリアに 入れない花火大会も多く なってきたのにホテルに 泊まれば無料なのだ。
だがしかし、今回12年ぶりに 泊まったニューフジヤホテル。
12年前、既に老朽化していた が、さらに12年分の老朽化が 加算されており、ボロくても、 キチンと掃除がされていれば、 良いのだけれど、部屋は何の 臭いかわからない異臭が充満 しており、エアコンの通気口は ほこりだらけ、部屋数に対して エレベーターの数が少ないので 階段を通ったら、掃除がされて おらず、これまたほこりだらけで 端っこにゴキブリが死んでいた。
ネタでも話を盛っているわけでも なく本当の話だ。
いろいろあるプランの中で1番安い 部屋をとったので部屋のことは、 まあ、我慢すべきかもしれない けど、階段のゴキブリは高い部屋 の人だって見ることになるだろう。
これにはマイッタね。
無料カラオケも利用できて、 悪いところばかりじゃないん だけど、来年はどうしようかな?
考えてしまう。
|