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ここにきて「世界の富裕層」から大注目を浴びている「世界レベルの美しさ」を誇る「日本のリゾート」 2024/04

2024-04-17 23:13:00 | なるほど  ふぅ〜ん

ここにきて「世界の富裕層」から大注目を浴びている「世界レベルの美しさ」を誇る「日本のリゾート」
 現代ビジネス より 240417 山口 由美


 コロナ禍で一時失速したものの、円安の追い風などもあり、再び勢いを増しているインバウンド需要。
 日本経済の起爆剤としても期待されている一方で、海外観光客は大都市圏に集中しており、オーバーツーリズムの問題なども深刻化しつつある。

 大都市圏に集中する海外観光客を地方に呼び込み、かつ、観光客過多のオーバーツリーズムを避け、経済的にも地域に寄与するにはどうすればよいか?
 そのヒントとなるのが「ラグジュアリー観光」だと、世界の富裕層観光地に自ら足を運んだ経験のある作家・山口由美さんが『世界の富裕層は旅に何を求めているか?「体験」が拓くラグジュアリー観光』(4月17日発売・光文社新書)で指摘している。
 安全や快適さだけではない、旅に大金を投じる世界の富裕層が求めている「本物の体験」を描き出す本書より、ラグジュアリー観光による地方創生の可能性を紹介する。

※本記事は山口由美著『世界の富裕層は旅に何を求めているか?「体験」が拓くラグジュアリー観光』から抜粋・編集したものです。

⚫︎ラグジュアリーエコツリーズムで注目される国立公園
 大都市ではなく地方が注目される観光と言えば、エコツーリズムを忘れてはならない。
自然の中で楽しむことが主体のエコツーリズムは、必然的に目的地が大都市ではなく地方になる。つまり、エコツーリズムの浸透は、おのずと観光客の大都市偏重を解決することになるのだ。

 なかでも注目すべきは、国立公園の活用だろう。

 日本の誇るべき美しい自然のほとんどは、国立公園の中にあるからだ。

 その積極的な活用を目的として環境省が2016年から始めた取り組みが「国立公園満喫プロジェクト」である。設立趣旨として以下が掲げられている。

 国立公園の保護と利用の好循環により、優れた自然を守り地域活性化を図ります。

1.日本の国立公園のブランド力を高め、国内外の誘客を促進します。利用者数だけでなく、滞在時間を延ばし、自然を満喫できる上質なツーリズムを実現します。

2.地域の様々な主体が協働し、地域の経済社会を活性化させ、自然環境への保全へ再投資される好循環を生み出します。

 設立時に選出されたのが、
阿寒摩周国立公園、阿蘇くじゅう国立公園、十和田八幡平国立公園、日光国立公園、伊勢志摩国立公園、大山隠岐国立公園、霧島錦江湾国立公園、慶良間諸島国立公園である。
 その後、外国人利用者数が上位を占める支笏洞爺国立公園、富士箱根伊豆国立公園、中部山岳国立公園などが加わり、全12公園が対象となっている。

このラインナップの中に日本の至宝とも言える自然が網羅されている。

⚫︎国立公園が秘めるポテンシャルとは
 たとえば、大山隠岐国立公園には、先に紹介した隠岐諸島の海士町が含まれる。
支笏洞爺国立公園や中部山岳国立公園には「ジャパウ(ジャパン・パウダースノー)」として世界的に評価の高いスノーリゾートが含まれる。
沖縄の慶良間諸島国立公園に広がる海域には、アジアでトップレベルの美しさを誇る珊瑚礁がある。

 実は、慶良間諸島の美しさが世界レベルであることを「発見」し「発信」したのは、環境省よりもフランスの『ミシュラン・グリーンガイド』が早かった。
 国立公園に指定されるより先に『グリーンガイド』の2つ星に選ばれ、欧米人観光客が激増していた。

 北欧から来た若者と私が出会ったのは、民泊スタイルのダイバー宿だった。早くから英語のウェブサイトを整備した以外、外国人観光客向けに特別なことをしていた訳ではない。
それでも、日本へのインバウンドが激増する前の2015年当時、すでに宿泊者の外国人比率が9割を超えていた。

 海の美しさと素朴な島の佇まいに満足していた彼の言葉が忘れられない。

「タイのプーケットに行こうと思ったけれど、有名で観光地化されているから、ここに来たんだ。期待以上に素晴らしい。来て良かった」

 若い彼はシンプルな宿に満足していたけれど、慶良間諸島に小規模でサステナブルなラグジュアリーリゾートがあったなら、まさに日本の国立公園のブランディングに寄与するに違いない。

⚫︎国立公園内に「憧れ」の宿を
 2023年、環境省は国立公園に高級ホテルを誘致し、質の高い自然体験の提供をめざす方針を打ち出した。これにより日本の国立公園のブランディングを図るという。

 誘致するのであれば、大都市にあるような大型ホテルではなく、ラグジュアリーエコツーリズムを実践する上質なリゾートであってほしい。

 国立公園が生まれた国であるアメリカでは、高い人気を誇るアイコニックなホテルがいくつかある。グランドキャニオン国立公園のエルトバホテル、ヨセミテ国立公園のアワニーホテル、イエローストーン国立公園のオールド・フェイスフル・インなどだ。

 いずれも歴史あるクラシックホテルであると共に、国立公園内の最高のロケーションに建ち、ハイシーズンには1年前から予約が埋まる。
 インバウンドにも人気はあるが、それ以上にアメリカ人にとって、一生に一度は泊まりたい憧れの宿である。そもそも国有地として管理されているアメリカの国立公園では公園内の宿が限られている事情もある。

 これらのホテルでダイニングルームに集う人たちの幸せそうな笑顔が忘れられない。

 念願の夢が叶った喜びと最高の大自然の中にいる至福に彼らは満たされていた。
だが、食卓のテーブルにあったのは、無骨な感じのアメリカ料理だった。

 日本の女性誌で取材に行った時、料理撮影でカメラマンがシャッターを切るのを躊躇していたことをよく覚えている。日本人が満足する「ご馳走」ではなかったからだ。

⚫︎国立公園の宿には何が求められるか
 だが、国立公園の宿というのは、基本はそれでかまわないのである。
求められているのは、最高の自然を「体験」することなのだから。

 日本の国立公園は、アメリカと異なり、私有地も含まれるため、既存の宿泊施設も少なからずある。新規のホテル誘致に限らず、こうした宿をラグジュアリーエコツーリズムのニーズにあわせて整備していく方法もあるだろう。
 たとえば、日本ホテル史の黎明となった2軒のクラシックホテルは、いずれも国立公園内にある。日光国立公園の日光金谷ホテルと富士箱根伊豆国立公園の富士屋ホテルだ。

 かつては外国人が長期滞在し、周辺の自然を満喫した。現在はクラシックホテルの雰囲気と美食を求める日本人シニアが主な客層だが、アクティビティの開発などで、新たなインバウンドを誘致することは可能だろう。

 日光金谷ホテルでは、かつて日光周辺にあった修験者の道が敷地内にもあるという。
富士屋ホテルには、かつて敷地内から続くトレイルが整備され、富士山が望めることから途中の展望台は「フジビュースタンド」と呼ばれ、外国人客に親しまれた歴史がある。
このルートは、複数の登り口がある浅間山への登山道のひとつであり、鎌倉時代の古道である湯坂路にもつながっている。

 こうした道の整備や魅力の発信があれば、クラシックホテルが新たなラグジュアリーエコツーリズムの拠点となるかもしれない。

 2023年の観光庁による「サステナブルな旅アワード」では、株式会社やまぼうし(Explore Hakone)というインバウンドをターゲットにしたアウトドアツアーの会社による「日本遺産・箱根八里で古の旅路の追体験~地元民の語りが深める箱根の歴史と文化~」が特別賞を受賞した。
 主なターゲットが知的好奇心にあふれたラグジュアリートラベラーであることは言うまでもない。

 さらに連載記事<「ニューヨークタイムズ紙」が「2024年に行くべき52ヶ所」で第3位に選んだ「意外な日本の地方都市」>も、ぜひご覧ください。

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