今さらながら・・・、若鉄に12系!(その1)からの続き
多忙な期末試験が終わり、とりあえず更新再開できそうです。中途半端な状態で中断してしまいご覧の方々には申し訳ありませんでした。
結局明け方に帰宅したあとはしばらく少しうたた寝をしていましたが、朝7時半には起きて鳥取駅前バスターミナルを8時過ぎに出る若桜行きの日交バスに乗りました。
12系客車が到着して夜が明けたこの日(7月3日)は、若桜駅構内と隣接する道の駅「桜ん坊」で「12系客車誘致記念イベント」なるものが行われました。ということでその様子も前夜の甲種輸送に引き続いて見物してきました。
ちなみに汽車ではなくバスで若桜に向かった理由は、列車だとイベントの開始時刻に間に合わないからです(結果的にはそれでもまあ良かった気がしますが)。
バスは鳥取駅前から約1時間ほどで若桜駅前に到着。
あれから12系はまた入れ替え作業が行われたようで、4両中スロフ+オロ+スロフの3両は若桜駅構内南側の引き上げ線(道の駅建物の裏手)に、隼駅行きのオロは排雪モーターカーに牽引されて駅の留置線に移動していきました。DE10は留置線上に単機で留置された状態でした。
その後しばらくすると留置線からおもむろにDE10がやってきて、スロフ12に連結。入換作業にはボランティアの人の手伝いも加わって、少しずつ展示会の準備が進みつつありました。
短いながらも、客車の両端に緩急車が連結され、さらに機関車も連結されて整った編成スタイルとなりまさに「ザ・客車列車」(笑)と言える雰囲気。客レ好きの自分にとってはたまらない光景です。
この後12系+DE10はいったん若桜駅のホームを通り越して構内北側へ移動していきました。
イベントの開始時刻がそろそろ近い頃合いになると、駅の北側に移動していた12系が引き上げ線に戻ってきました。転車台脇でスタンバイしていたC12もDE10の横に据え付けられました。
そしてC12とDE10には特製の12系入線記念ヘッドマークが取り付けられ、撮影会がスタート。お祭りムードを盛り上げていました。いつの日かC12が本当に12系を牽引して本線上を走る姿が見られるといいのですが・・・。
こんな感じで蒸気機関車とディーゼル機関車が並ぶとかつての動力近代化の時期の一こまと言った感がありますね。
しばらくすると今度はスロフ12の発電エンジンが起動し(!)客車内の公開が始まりました。
まさか発電エンジンを動かすとは思わず・・・、クーラーもちゃんと動作していました(機関車寄りのスロフ12 6はその後冷房がオフになりましたが)。スロフの煙突から排煙が立ち上る姿を見たときはちょっとした感激ものでした。
さてその車内見学ですが、場所の関係でなんと見学者はC12とDE10の間を通って入口に至るというマニアックな経路を通ることになります(笑)
SLとDLの足回りの間をすり抜けるというのは普段絶対にできない経験だと思います。
客車への入り口はスロフ12 6の後位側ドア。いつの間にか左下の所属札がもともとついていたJR四国のものから「若桜」に差し替えられています。また、ドア横のサボ受けには「わかさ」の愛称サボが入っています。・・・って、この「わかさ」は若桜というよりは若狭、「わかさ」違いだと思うのですが・・・。
初めて入った四国12系の車内ですが、座席車はかなり空間をぜいたくに使っている感じで、2+1列の大型のリクライニングシートが置かれシートピッチもかなり大きくとってあり、前の座席には足が届かないくらいです。さすがグリーン車扱いのことだけはあります。
やはり「ムーンライト高知・松山」で使われていただけあって、競合相手の夜行バスを意識した作りになっていますね。
これだけ座席がグレードアップされていると、最繁忙期に増結されていたJR西日本持ちの14系との設備水準の差がすごいような・・・。
カーペット車のオロ12 9のほうはまさにいわゆる「ます席」と言った感じで、サンライズのノビノビ座席と同じ位置付けで利用されていたのでしょうか。ノビノビ座席と違って一人ひとりに割り当てられた区画ごとに仕切りがなく、4人分ごとに仕切りが設けられています。言うまでもなくこれもグリーン車扱いですが、個人的には座席車のほうがグリーン車っぽい感じのような・・・(「はまなす」のカーペット車は普通車扱いだし)。
なおこの車両は固定窓のため室内には空調がかけてあり、冷房が動作していないスロフ12 6に比べると座敷でくつろいでいる人が多かったです。
座席車の椅子ですが、実際に座ってみたところかなり上等な椅子で、幅は広く座り心地もなかなか、リクライニング角はかなり深く、それに座面下から足乗せが出てきて読書灯もついているという豪華仕様(ちなみに別に用意される足置きは車掌室横の貫通路に山積みにされていました)。
モケットがだいぶ日焼けしているのが玉にきずですが、それさえ気にしなければ1人がけタイプのものは家に欲しいですね(笑)
一通り車内を見学したら、そのあとは連結面の様子や床下などを適当に観察していました。
このように間近で眺められる機会はそうそうないのでなかなか良いです。
四国12系は発電エンジン部分以外の床下機器や台車もグレーに塗装されていて細かいディテールが観察しやすいです。ちなみにこのときこのDMF15HS-Gエンジンは轟音を立てて「発電中」でした。
しかし塗膜がはがれた跡が痛々しいなぁ・・・。
オロ12の後位側(便所寄り)妻面には編成の最後尾に立った時のためのテールライトが設置されています。そういえばテールライトがついたオハ12形はかつて九州にもいましたね。あちらは便所の部分が改造されて車掌室になっていましたが。
スロフ12が2両いるので、若鉄ではこのテールライトはもはや不要かもしれません・・・。
そのスロフ12には「多度津工」の検査標記が。「~工」と表記する検査標記はJR西日本車では見られないはずなのでちょっと珍しい(?)です。
個人的にグッときたのがスロフ12 6に取り付けられた銘板。保有の「日本国有鉄道」、製造の「富士重工」、量産化改造の「高砂工場」ですが、当然ながら国鉄はとうの昔になくなり、高砂工場も国鉄と運命を共にする形で閉鎖されています。また富士重工は数年前に鉄道車両製造事業からは撤退してしまいましたね。
今後登場してくる車両にはまず取り付けられることはないであろう銘板ばかり、何か感慨深いものを感じてしまいます(ただ実際、国鉄と富士重の銘板は鳥取にいればまだいくつも見られるのですが)。
さて若桜鉄道にやってきたこれら12系ですが、上の写真の製造銘板にある通り昭和44(1969)年に製造されており、これは大阪万博輸送対策名目で製造された12系の最初期のグループに該当します。車番はそれぞれスロフ12 3、オロ12 9、スロフ12 6ですが、JR化後にグリーン車に改造されて等級標記が変更される前は車番がスハフ12 3、オハ12 9、スハフ12 6でした。
特にスロフは今となっては貴重なスハフ12形0番台車のグループで、車体側面のエンジン吸気口の位置と形状が100番台車と異なっています。なお写真反対側の側面には吸気口はありません。そのほかにもエンジンや発電機の形式など異なる個所がかなりあります。
余談ながら、100番台車は後位側ドアから2番目の窓下にJRマークが貼り付けられていますが、0番台車だとこの位置に吸気グリルがあるためにJRマークの貼り付け位置に何種類かのバリエーションが生じているようです。
以上、色々と知ったかぶって蘊蓄を傾けてしまいましたが(笑)、まあとにかくこれら12系が貴重な車両であるということが言いたかったわけです。
さらに余談ですが、前回でもネタにしたこの左右で劣化具合が違うスロフ12 3の丸妻側の妻面。
おでこの部分にくっきりと片側と貫通扉だけ再塗装したためにできた怪しい塗り分け線が見えています。
原因はよくわかりませんが、なかなか不可解な見た目です・・・。
さて、おおよそ客車を見学し終わった後は道の駅をのぞいてみたり物販コーナーを冷やかしたりして家路につきました。で、その日のうちに夜行で横浜の下宿に帰宅。
夜行は夜行でも高速バスではなく、姫路から「サンライズ出雲」のノビノビ座席に乗車しました。実はサンライズに乗るのはこれが初めてだったりします。
ノビノビ座席は下段だったのですが、走行音や機器類の音が伝わってきて少し寝にくかったですね。
ぐだぐだになってしまいましたが、以上で若鉄の12系の記事を終わります。相変わらず長さの割には中身のない話ですみません・・・。
PS:編成から1両だけ切り離されたカーペット車のオロ12 6ですが、この後の7月7日から8日にかけての夜間に隼駅に移動し、無事に側線に据え付けられて北陸ED301との顔合わせを果たしたようです。側線設置にあたってはクレーンでつり上げられるのではなく、本線から車両をスライドさせて側線に移設するという方法がとられたようです。
参考:「うさみみ電鉄」-七夕の夜、念願かなう(http://www.nnn.co.jp/mt/usatetsu/2011/07/post_184.html)
「隼駅を守る会のブログ」-客車設置完了!!(http://blogs.yahoo.co.jp/hayabusaeki/26084091.html)
深夜に追っかけた上に展示会にも行ったのですか~私なら片方しか行かなかったでしょうね・・・いなば路快速さんの客車への思いを感じます。
それにしてもスロフ12の左右の色違いの理由が気になりますね。補修作業を省略したからかと私は予想しています。
こんばんは、コメントありがとうございます。
深夜の追っかけはもう完全にノリで友人について行ったという感じです(笑)。展示会のほうは客車の内部を見学できるとのことで、これも寝不足でヘロヘロになりながらも行ってきました。
客車列車は大好きなので、それから来る気力で乗り切った感じでしたね。
スロフ12 3の左右の色違いの理由はいろいろ調べたのですがまだよく分かりません。少なくとも4年前の検査上がりの時点では左右とも同じきれいな状態だったようですが・・・。