醉蝗茶房

80's&水滸&異常な日常

見たよ、『椿三十郎』

2008年11月03日 00時38分05秒 | 映画
いや、見ました、『椿三十郎』。
いや、微妙。
織田ちゃんは一所懸命三船コピーしてたし、豊悦の室戸はオリジナルの仲代に迫る勢いだし、シナリオはオリジナルのままだし、ポイントポイントは悪くない。
気になるとしたら、家老の藤田まことかな?藤田まことが悪いんじゃなくて、ミスキャスト。秋山小兵衛とか中村主水なら良いけど、目力ありすぎて切れ者に見えちゃう。ご家老は見た目もっちゃりしてて、誰が見ても頼りにならない風貌だから若侍が暴発するって導入部に繋がるので、そんな感じの人でないと厳しい。
てか、『椿三十郎』はオリジナルが良過ぎるのは確かも確か、宇宙のダルマってもんす。
つか、『椿三十郎』は三船敏郎そのものなんで、誰がやっても越えられないよな。
つまり、最近いくつかあったけど、そもそも黒澤映画のリメイクって企画自体に無理がある。
黒澤映画はどれを取っても滅茶苦茶完成度が高いけど、それはシナリオとキャラ作りのクオリティの高さ故、だから西部劇とかに置き換えて作って見たい!と、ジョン・スタージェスもセルジオ・レオーネも思ったに違いない。
ま、森田芳光だって、結構面白い映画撮ってると思うんだけどね。
でも、黒澤は敷居が高いよ。
前にも書いた筈だけど、寨主にとっては、『用心棒』『椿三十郎』『七人の侍』は、今でも面白い映画のTOP3で、邦画洋画を問わず、これを越える作品には出会えてないのよ。
しかも、『椿三十郎』だし。
『椿三十郎』は、エンターテインメントの要素が全部過不足なく入って、しかも作品全体で完璧な一つの世界が出来上がっちゃってる完成品。
一番三船敏郎のキャラが効いてる上、最後にあの決闘シーンで締め括る作品よ。
あの、そう、あの三船と仲代のドキドキするような長~い間合い、あれを初めて有楽町の日劇で見た時、黒澤明って人は天才だと思ったよ。
あれは絶対真似できないよな。
同じ様に作っても絶対同じにならないし、あれがなければ『椿三十郎』にならない。

なので、皆結構頑張ってるのは認めるけど、黒澤のリメイクを選んだ時点で終わってしまった企画だと、寨主は思います。はいm(_ _)m

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