ハーバード・ケネディスクールからのメッセージ

2006年9月より、米国のハーバード大学ケネディスクールに留学中の筆者が、日々の思いや経験を綴っていきます。

K-J Trip 2008 (その2:Unbelievable!)

2008年03月22日 | Korea-Japan Trip

 

  アメリカ中部時間、3月21日金曜日の午後1:00にシカゴ、オヘア空港に到着。

 このまま行けば成田には、日本時間で22日土曜日の午後4:30に到着し、大阪には遅くとも夜の9:00には付くはず。出遅れてしまい仲間には大迷惑をかけてしまうけれど、トリップの初日-広島-は支障なくオーガナイズできる・・・

 ほっとした気持ちで、ふと窓の外に目を向けると、曇天の空からがチラチラと降っている、、、

 30分後、さっきと比べて目に見えて雪の量が増えている。

 何やらイヤーな感じだ・・・

 成田行きの飛行機に乗り込んでいる出発を今か今かと待っていると、

 「雪が強くなってきましたので、滑走路に除雪用の薬剤をまいています。もう少しお待ちください・・・」

 頑張れ薬剤

     成田への道を切り開いてくれ!

 祈りが通じたのが、飛行機はようやくノロノロと動き出す。

 しかし、離陸用の滑走路のところまでたどり着くと、

 「雪が強いので、もう一度ターミナルまで戻ります。滑走路に薬剤を再度まきますので、今しばらくお待ちください・・・」

 薬剤頑張ってくれー!!

 このままシカゴにスタックしたら本当にお話にならない。

  結局、滑走路とターミナルとの間を3往復した揚句、飛行機は予定より2時間遅れて、シカゴを離陸!離陸の瞬間は機内は拍手喝采に包まれました。

 大分遅くなってしまったけれど、これで何とか土曜日中に大阪につける。睡眠不足続きだったし、ここはゆっくり眠るとしようか、と思い座席用ランプを消そうとすると、

 ランプが消えない・・・

 そう言えば、目の前のスクリーンもまるで映らないしイヤホンを差し込んでも何も聞こえてこない。手元のボタンを押しても全て反応なし。こんな明るくては全然寝れないし、アイマスクも持っていないよ。

 添乗員に文句を言うと

 「このボタンは全部壊れていますね。」

 イラ!

 壊れているのは分かっているのだ。何とかしてクレ。

 「生憎、他の座席はすべて満席です。大変申し訳ないのでフルーツ出します。

 ・・・

 成程、フルーツを食べてお腹がいっぱいになればもっとよく寝れるってことなのかな。。。以前からアメリカの航空会社のサービスのヒドサは身にしみていたので、ここはもう“ふて寝”しかありません。去年は赤ちゃん軍団にやられて殆ど眠れなかったけれど、今年も同じ目にあうとは・・・

   *                      *                         *

  土曜日、午後6:30。「快適な」空の旅を終え、何とか成田に到着。

 一年ぶりの日本だけれど感慨に浸っている暇はない。成田エクスプレスに飛び乗り東京駅へ急ぐ。幹事の皆や参加者は無事、ホテルについて大阪の夜を楽しんでいるだろうか・・・

 こちらの状況を知らせるためにも、道中、仲間の携帯電話に何度も電話をかけるも何故か誰もつながらない。地下の居酒屋にでも入っているのだろうか?

 夜11:00。

 “のぞみ”の扉が開き、ようやく新大阪駅に到着。ホームの公衆電話から再度、仲間に連絡。ようやく一人につながった。

 「今、やっと新大阪についたよ。迷惑をかけてしまって本当に申し訳ない。みんな無事について楽しくやっているんだよね?」

 しかし、電話口から聞こえてきた仲間の返事はにわかに理解しがたいものでした。

 「えっと、僕も今さっき関空を出たばかりなんです。」

 へ?

 彼は僕が当初乗る予定だったサンフランシスコ経由の飛行機で午後の4:45には関空についているんじゃないの??

 「それが、実は幹事も含めて半分以上の参加者がアメリカでスタックしているんです。今、状況の確認と対応策をアメリカでスタックしている幹事と日本に無事着いた1人の幹事との間でやっているようなので、詳しくはホテルについてからお話します。」

 ??

 俄かに信じられない報告。半分も来ていないって一体どういうこと?

 新大阪駅から御堂筋線で難波駅のホテルに向かう間、様々な懸念が頭を交差します。今、一体誰がどこにいるのだろうか?グループ予約した新幹線や大阪・広島のホテルのキャンセル料はどうなるのだろうか?ホテルの部屋割も最初から組み直さなければ。二日目(24日月曜日)の京都・東京の予定にも大きな支障が出るだろう。遅れてバラバラとジョインする参加者とどうやって合流するのか・・・

 手がじっとりと汗をかいている。

 

   *                      *                         *

 深夜0:00をまわってホテルに到着した直後に仲間から聞いた状況報告は正にUnbelievableなものでした。

 初日からトリップに参加する予定だった38名のうち、その時点で無事ついているのは、何と半分以下の16名だけ。

 みんなバラバラの飛行機で来ているのに、どうしてこんな事態が発生するのでしょうか?

 まず、当初僕が他の参加者10数名と一緒に乗る予定で(乗り遅れた)、United Airline ボストン発サンフランシスコ行きの飛行機がボストンで機材の不具合のため2時間ほど遅れていたそうです。しかもようやく到着したサンフランシスコでトリップの参加者を待ち受けていたのは、United Airlineのミスによる大量のダブルブッキング。これで、日本人幹事2人を含む大量の参加者がサンフランシスコで一日以上スタックすることに。

 さらに、デトロイトでは大雪のためNorthwest Airlineで関空に向かう予定だった日本人幹事1人を含む数人が取り残されているとのこと。

 おまけに、シカゴでは機会の故障(滑走路のド真ん中で、トツゼン飛行機の電源が全て落ちたそうな。あな恐ろし・・・)、そして時間とともに激しさを増した大雪の影響で参加者数人がスタック

  ついでに、無事予定通り関空に着いた参加者一人の荷物が手違いで大阪ではなくニューヨーク!に行ってしまったというおまけ付き。

 統計的にあり得ない確率の、まるで同時多発テロでも起こったかのようなミス・故障・悪天候に次々と見舞われアメリカのあちこちに参加者と幹事が取り残されるという前代未聞の事態が発生していたのです。

 むしろ、僕のケースは不幸中の超幸い。明日、広島を担当しているもう一人の日本人幹事がデトロイトに取り残されていることを考えると、僕が「遅刻」していなかったら、明日、広島を案内出来る人間が誰一人いないという最悪の事態に陥っていたところでした。

 しかし、こんな状況の中で一番驚かされたのが、僕が成田に向かっている間に、夜を徹して「クライシス・マネジメト」に当たってくれていた日本人幹事の鬼人のような対応ぶり。

 現状の正確な把握は勿論、既に必要なキャンセルや切符の取り直しの手配、部屋割りのやり直しも済ませている他、スタック組がスムーズにジョインできるような対応策も出来あがっていて、それがアメリカ各地に散らばっている参加者と共有済み。

 しかも、予定通りに到着した参加者16名は、大阪焼のディナーをエンジョイし、ホテル部屋で各自就寝中とのことで、この時点で遅れてきた僕がやるべきことは殆どないという状況でした。

 危機にこそ人や組織の真価が発揮されると言いますが、さすが日本人幹事!本当にすばらしい活躍!

 一連の状況確認を終え、シャワーを浴びてから、改めて未読メールをすべてチェックして対応策、そして明日(今日)の広島の予定を再確認していると、時刻はすでに明け方の5:30。木曜日の朝に自宅で目覚めてから60時間近くほとんど寝ないまま、Korea-Japan Trip2008の初日がはじまろうとしています。

 そして、最初の訪問地は、僕が愛する土地-広島です。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。