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いよいよ始りました。Korea Japan Trip 2007!
硬軟織り交ぜた様々なイベントが朝から晩まで目白押しの濃~い1週間を、20カ国より集った62名のケネディスクールの学生達が共有することになります。同時に、僕達Kennedy School Japan Caucusのメンバーにとっては、特に水曜日に日本に移動して以降は、これまで5ヶ月に亘る入念な準備とチームワークを遺憾なく発揮して、日本の魅力を最大限伝えていく「ツアーコンダクター」の役割を抜かりなく笑顔でこなさなければならないという気の抜けない4日間となります。
という訳で今日より「ケネディスクールからのメッセージ」では、この"プライスレス"な体験を、出来る限り鮮度と濃度を保ったままみなさんにお届けしていこうと思います。
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Korea-Japan Trip 初日のスケジュール
☆ パンムンジョン(非武装地帯:Demiritalized Zone)見学(8:30~17:00)
☆ ソウル市街観光(18:00~19:00)
☆ 夕食と韓国の伝統音楽鑑賞(19:00~21:00)
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僕が所属するMPP(Master of Public Policy)プログラムは、こともあろうに春休みの初日であるべき23日金曜日の朝8:30からという、“史上最悪”の日程で経済学の中間試験を実施するという、いつもどおり情け容赦ない負荷を課してきました。。。結果、金曜日の早朝に仲間達が次々とボストンを飛び立つなか、哀れMPPの一年生9名のみ、ケネディスクールに残って、シコシコと試験に勤しむ羽目に。
しかしこの半日の遅れは重大な影響がありました。というのも、金曜午後発の便は早朝出発の飛行機と比べて価格が段違いに高い。仕方なく、翌朝土曜日の早朝の便でボストンを発つと、到着がどんなに早くても日曜日の午前中となってしまいます。しかし、日曜日は朝8:30キッカリに出発するバスに乗って皆で一日中ソウルを離れる予定であるため、高いお金を払って日曜日の早朝までにソウルに到着する便に乗らない限り、トリップ初日のスケジュールを丸々スキップせざるを得ないからです。
「どうしても、初日から韓国ツアーに参加したい。でもお金が・・・」と途方にくれているところ、「Active Consumer」である僕の奥さんが、金曜日の午後6:00ボストン発、日曜便の朝6:00ソウル着、しかも料金は早朝出発の便と然程変わらないという理想のチケットをどこからともなくゲットしてきてくれたのです。これなら、ギリギリ日曜日の朝の出発に間に合う!
という訳で、23日金曜日の午後、二週間の中間試験シーズンを乗り切って開放感に満ちた心と、徹夜続きでフ~ラフ~ラする頭、そして、試験後に慌てて荷物を詰め込んだスーツケースを転がしながら、僕は暖かなボストンの春の日差しの中、一路ボストンのローガン空港に向かったのです。
ところが・・・
例のごとくハプニングが発生しました。
乗換えをするロサンジェルスでソウル行きの搭乗開始を今か今かと待っていると、
「アシアナ空港、ソウル行きの便は天候不良のため、搭乗時間が遅れます・・・」
という悪夢のようなアナウンスが・・・(涙)
ソウルのインチョン国際空港から先行した仲間達が待つソウルプラザホテルまでは、タクシーに乗っても最低1時間はかかるとのこと。入国手続きや荷物のピックアップの時間も考えると、遅くとも日曜の朝7:00にソウルに到着しなければ、プライスレスな一日を棒に振ることに・・・
結局一時間半遅れで搭乗開始・・・もう気が気ではありません。
まぁ、そうは言っても飛行機に乗ってしまった以上、ジタバタしても意味はありません。寝不足続きを一気に解消するため、飛行機の中でたんまり睡眠でもとるか!とドッカリと座席に陣取ったところ・・・
前の座席に可愛らしい赤ちゃんが。。
僕は子供が大好きです。可愛らしさに顔をほころばせていると、、、
横の座席にも赤ちゃん連れのお母さんが、そして、斜め前にも赤ちゃん。。。。
なんとなくやばそうな気配を感じていましたが、不安が的中しました。可愛らしい赤サマ達が、夜通し“代わりばんこに”元気よく泣き叫び、耳栓をしても結局殆ど寝付くことができず。。。世の中のお母さん達の苦労を思わぬ形で共有してしまいました。
そんなこんなで飛行機がようやくソウルのインチョン国際空港に到着したのは、日曜日の朝7:20という殆ど絶望的な時間。それでも最後まで諦めまいと、全力で空港を駆け抜け、幸いにも空いていた入国手続きをダッシュで通過。荷物をもぎ取ってタクシー乗り場に向けて突進していると、いかにも怪しげなオッサンが、何か叫びながら僕を追いかけてきます。
「急いでいるのか?どこに行くんだ!」
と片言の英語で話しかけてくるので、
「ソウルのプラザホテル。8:30までに行かないとならないんだ!」
と走りながら答えると、
「よっしゃ。俺に任せろ。タクシーはこっちだ!荷物は俺が持ってやる!」
「こりゃー怪しいなー、どうせボッタクリタクシーだろうなぁ・・・」と思いつつも、藁をもすがる思いでタクシーに乗り込むと、“驚異的な時間”が始りました。
唸り声を上げてロケットースタートを切ったタクシーは制限速度100キロのところを160キロで猛進。きわどい斜線変更を繰り返しながら前方の車を次々と追い抜かし、途中警察のビデオカメラが設置されているところは、時速160キロのまま高速道路の両サイドの壁ギリギリに車を寄せて乗り切るという荒業。しかも、無事警察のカメラスポットを通り過ぎると、
「あそこには警察のカメラがあるんだよ。俺は知ってるんだ!」
とこちらを振り返って笑顔でVサイン。後生だから前を見て運転しておくれ・・・
ジェットコースターのようなタクシーライドの末、8:15にはホテルに到着。通常1時間以上かかるところを30分弱という驚異的な荒業。料金メーターは通常と大体同じ85,000ウォン(約8,500円)。ほっとしていると、
「チップは50,000ウォンだ。」
というお約束の発言が。もう現金でウォンをもっていないと主張すると、
「ドルでも円でもなんでもいいよ。何しろ30分で来たんだから!見たろ、俺のスゴイ運転。俺、スゴイがんばったろ!?」
と迫ってくるので、財布に入っていた1,000円札と五ドルさつ、一ドルさつをバラバラと渡して、空っぽになった財布を見せるとオッサンは満足したように
「ソウルを楽しんで!また会おう!」
といって去って行った・・・また会いたくないです。
このエピソードを韓国人の友人に話すと大笑ながら
「あぁ、それはBullet Taxi(弾丸タクシー)って言うんだよ。日本にはBullet Train(新幹線)があるだろ。それと同じように物凄い早いんだ」
と教えてくれました。
同じBulletでも新幹線は安心して乗れるし、ぼったくられることもないよ、と言いたくなりましたが、オッサンが一緒に走ってくれなければプライスレスな韓国ツアーに最初から参加できたったことも確かなので、まぁ感謝です。
こんな感じでドタバタと始ったKorea Japan Trip、最初の目的地はパンムンジョン(板門店)です。
ikeikeさんのひたむきさには頭が下がるばかりです。
誰が頑張ったと比較する話ではありませんが、ikeike
さんの役回りは素晴らしいものがあったと思います。
でも僕のお気に入りの話はやっぱりこのbullet taxi
なんですなあ。
何しろトンボなしにはこのトリップは語れませんので。
今後は、お互い一日でも早く「社会復帰」を果たせるようシコシコがんばりましょう。
では。