ハーバード・ケネディスクールからのメッセージ

2006年9月より、米国のハーバード大学ケネディスクールに留学中の筆者が、日々の思いや経験を綴っていきます。

K-J Trip 2008 (その10:母の愛と青い屋根)

2008年03月31日 | Korea-Japan Trip

 江南区長と職員の皆さんに見送られながら江南区役所をあとにしたケネディスクール一校が次に向かったのがKyunggi Girl's high school(京畿女子高等学校)。今年10月で100周年を迎える京畿高校はソウルで最も“由緒正しい”女子高ということで、これまで環境大臣や法務大臣をはじめ、韓国の政界に様々な女性リーダーを輩出してきたと言います。

 しかし、Korea-Japan Tripで何故女子高に?という疑問は残りますが、韓国幹事代表のドンウーに聞いてもニコニコしながら

 「まぁ行けば分かるって」

の一点張り。その間、バスの中ではドンウーから韓国のインターネットの普及率について説明がありました。1995年には全国民の1%しか利用者がいなかった状況から政府のイニシアティブにより2006年には人口の28%にあたる1,400万人に達したほか、韓国のワイヤレスネットワークは世界で最も早くまた安いレベルにあるということ。現在韓国は世界4番目のインターネット先進国として知られているそうです。

 一方で、伝染病のように国民の間に行き渡ったこの“ネット熱”は思わぬ副作用をもたらしているとのこと。その一つが「サイ・ワールド(Sye-world)」。

 サイ・ワールドは言わば韓国版のMixiやFace Bookにあたるものですが、個人のウェブサイトが写真や動画の掲載は勿論、その他にも様々な機能が充実しているようで、多くの人が仕事や勉強が手につかなくなる騒ぎになったそうで、現在多くの企業や役所が、職場のパソコンからサイ・ワールドへのアクセスを出来ないようにしている、とのことです。

 「何でまたそんに熱中するのかい??」と尋ねるとDong Wookは

 「日本にも「タマゴッチ」ってあったろ?自分で自分だけの何かを育てたり、それに対するリアクションがあると、中毒的に熱中しちゃう人は結構いるんじゃないの?」

との返答。話し込んでいると、ドンウーが奥さんとネットで知り合ったという意外な?事実が判明。

 「いかがわしい“出会い系”じゃないぞ!現代版の純愛、文通だと思ってくれ!!」

と顔を赤くしている彼を皆でからかっているとバスは目的地の京畿女子高校に到着。

       *                      *                      *

  「なんで女子高に連れてこられるんだ?」と腑に落ちない表情の僕たちでしたが、校舎の前にたどり着くと何と皆があっと喜ぶサプライズが用意されていたのです。

 韓国人の女子幹事5人に手を引かれてやってきたのは、何と彼女らのお母さん

 「ソウルへようこそ―。今日は私たちが韓国の家庭料理を作って持ち寄ったので召し上がって下さい。その前に、私たちが練習してきた韓国の伝統の踊りも披露するからちゃんと見てね。」

 これには皆本当に大喜び。まさかお母さんたちまでこのTripに協力してくれていたとは!そして、韓国人の女子幹事の多くや、そのお母さんたちは、この名門京畿女子の出身だとのこと。やはり「やんごとない」のですね。。。 

 美味しそうな韓国の家庭料理の香りがいっぱいの部屋に入ると、まずは色鮮やかな韓国の伝統衣装に身を包んだお母さんたちが、踊りを披露してくれました。

    

  息の合った見事な踊りに皆で拍手を送り、記念撮影をした後は待ちに待った昼食。今朝は皆、豪華なロッテホテルのバイキング形式の朝食をガっつり食べたはずなのに、お皿に温かい韓国の家庭料理を山盛りにしていきます。

   

 しかしこれが本当においしい!しかもお母さんたちが皆英語が普通に喋れるのもまたびっくり。お料理の感想やお礼を伝えながら、これまでのトリップの体験等について話が盛り上がります。お美味しいデザートやお茶まで用意してあり、お母さんたちが一人ひとりに盛り付けてくれ、まさに至れり尽くせり。韓国の「おもてなし精神」も流石です。また、まったく予想していなかっただけに皆本当に感激している様子で、お別れのときには、皆覚えたての韓国語「カムサハムニダ(ありがとう)」を連発していました。 

       *                      *                      *

 心もお腹もイッパイになった後は、今回のトリップのハイライトの一つである韓国の大統領官邸、つまり青瓦台へ向かいます。韓国はご存じのとおり李明博新政権が2月に立ち上がったばかり。一般への開放はまだのようですが、ここも青瓦台の中枢で大統領直属の補佐官として勤務しているケネディスクールの韓国人OBの力で訪問が可能となりました。

    

 青瓦台訪問は昨年のスケジュールにはなかったため、僕も中に入るのはもちろん初めて。美しい山をバックに読んで字の如く青い瓦が敷き詰められた大統領府が静かに佇んでいます。中では大統領補佐官を務めているケネディスクールOBが広大な青瓦台を2時間かけてじっくりと案内をしてくれました。

 こちらは、青瓦台をバックにケネディスクールの野郎集団でとった集合写真。

    

 みんな結構な歳なのに、まるで修学旅行の高校生のようないい笑顔してます(笑)。Korea-Japan Tripもいよいよ終盤。夜は韓国風居酒屋でトロトロにとろける鳥のスープ(名前を忘れました・・・)をたらふく堪能。今年のTripの韓国サイドはまるで「食い倒れ旅行」の様相を呈していますが、これが本当に美味しいのだから仕方がない。

 そして、色々、本当にいろいろとあったトリップもいよいよ終盤。僕たちのボルテージもいよいよ高まっていきます。

 


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