遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

ストレス溜めるのはあかん

2019-09-23 21:57:11 | BIONEWS
金沢では最大毎秒23メートルの強風が入って、気温が33.9度まで上がりました。 
gooニュース
23日日本海側を中心に大荒れ東北
温帯低気圧に 暴風や高波に警戒 (NHK NEWS WEB)
明日の予報では24度となっています。風邪っぴき待った無しですね♪

ストレス溜めるのはあかんわなぁ
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ストレスで増える物質特定、阪大 測定の指標開発へ

笑う機会少ない人、死亡リスクは2倍 日本の中高年(日本経済新聞)
定期健診を受けた阪大職員のうち、「ストレスへの対応ができていない」「睡眠で十分な休養が取れていない」と回答した人ほど、αクロトー(Klotho)濃度が上がっていた。Klotho遺伝子は鍋島先生が発見した老化を引き起こす変異マウスの原因遺伝子です。欠損すると早期に老化するので、ストレスが溜まった人の血中濃度wが上がってるということはストレスに対抗するためにたくさん出ているのかもしれません。どうもカルシウムの恒常性に働いているようなんで、そこらへんが鍵なんかもしれません。
次の記事では、声を出して笑う機会が少ない人は、週に1回以上声を出して笑う人に比べ、死亡と脳卒中や狭心症などの心血管疾患リスクが約1.6倍から2倍になることが、日本の中高年1万7000人を対象にした疫学研究で示されたと紹介されています。笑えるということはストレス的には低かろうと思いますし、笑いはNKキラー細胞を活性化します。それより何より、笑う角には福が来ます。

遺伝学会では新参者で、話のプロセスが見えてない立場なので、聴講に徹していましたが、そろそろ僕なりの考えをまとめておきましょう。
【変異なのか多様性なのか】
ヒトゲノムの情報を利用した研究がどんどん医学に入ってきてます。遺伝子が原因の病気も明らかになり、「あなたは変異体です」と言うことがはばかられるようになってます。ま、そりゃそうだ。
遺伝屋の僕にとって、「変異」とは我々専門家が導入した操作の結果できるDNA配列の違いで
、いろんな変異解析法で導入されます。例えばアラニンスキャニングミュタジェネシス(アラニン置換変異解析)とか、ディリーションミュタジェネシス(欠失変異解析)とかの方法で調べた時に、野生型と変わらないサイレントな変異があるし、変化を生じる変異もあります。壊しても正常な「変異」も情報として有用で、それがあって初めて、機能に変化のあった方の変異の意味が浮き上がります。こうやって遺伝子のどこに大切な部位があるのかを明らかにします。 
変異の獲り方には色々ありますが、人が介して分離すれば自然突然変異によるスクリーニングでもそれは「変異」と呼ぶべきです。
んで、例えば鎌状赤血球を持ってらっしゃる人はヘモグロビンβ鎖の塩基配列が違ってるんですが、これは多様性であって変異と言わないと僕は判断します。もちろん、「野生型」配列を持つ人とは赤血球の機能に歴然と違う表現形質をしめしますが、それは赤血球だからで、アルコール脱水素酵素遺伝子の1塩基の違いでお酒に強い弱いの差があっても、それは個性で済ますでしょ。表現形質の軽重でDNA配列の違いの呼び方「変異なのか多様性なのか」を変えるこたあないと思います。
前の学会の議論を聞いてて不十分だと思ったのは、何を持って「野生型」とするのかという議論の方はなかったことです。まあ、こう言うことを語り合うのも学会の役割として大切だと思うので、会場の隅で聴いていきたいと思う。
 
本日のお酒:NIPPON BEER 白濁 + 農口 吟醸 雄町 ひやおろし 

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