遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

うばい合えば足らぬ

2020-03-02 23:48:14 | 読書

天気図まじめに見てなかったんだけど、今日の午後前線が通過した?
傘マップ 3月2日(月)
お出かけに傘がいるエリア(ウェザーニュース)

浅野川沿いにツクシ(北國新聞)
まあ、平年よりも暖かだったんで、良かったんですが。

学校が休校になるってのは、世界中で起こっていることでして、日本の話題が親の収入だったりするのが情けないです。問題は子供の教育でしょう。
gooニュース
休校の今、皆さんに伝えたいことイタリアの校長が話題

カミュの小説「ペスト」が人気 新型コロナで1万部増刷(朝日新聞)
イタリアの校長先生がお勧めする図書はアレッサンドロ・マンゾーニの『婚約者(いいなづけ)』。彼はその書物に記述されている大切なところを概説してくれてます。「アレマン(ドイツ南西部)の人々がミラノに持ち込むことを健康裁判所が恐れていたペストが本当にやって来た。国中に広がり、多くの人が犠牲になった。」そして、そこに書かれていることは、外国人排斥、権威の衝突、最初の感染者探し、専門家への軽蔑、暴走する世論、馬鹿げた治療法、生活必需品の略奪、医療危機。今の社会に全て当てはまります。人類は全く進歩してません。日本人は疫病や天災について情緒的なことは語り継ぎましょうというのに、客観的な眼で見た人間のおろかさについては反省しようとしません。マスクが店頭からなくなるなんて、SARSの時も新型豚インフルの時にも経験しています。なのにまたやってしまう。
カミュの「ペスト」は読みました。前いた大学医学部の購買で買った本でした。今所属している大学の図書館にも入れるようにしました。医学に片足でも突っ込んでる人なら読むべき本です。

イタリアの校長先生はこう訴えました。「頭を冷やしなさい。集団妄想に取りつかれてはなりません。適切な予防で十分です。普段通りの生活を送りなさい。この機会に散歩して、良書を読みなさい。家に閉じこもる理由もスーパーや薬局に殺到する理由もありません。マスクは病気になった人だけ着ければ良いのです」

NHKが珍しくいい記事書いてます。珍しい♪
“うばい合えば足らぬ” 新型コロナウイルス 募る不安が… (NHK NEWS WEB)
巷の小売店で払底しているマスクやトイレットペーパーやお米に関する記事です。社会心理学の先生が「議題設定」と「スポットライト効果」ということばを教えてくださいました。「議題設定」というのは、買い物の行列や棚が空になっている状態を報道などで目にするとそれが世の中の人々の最大の関心事だと意識する。それで自分も遅れまいと同じ行動をとってしまうとのこと。「スポットライト効果」というのは、物がないという情報が親しい人から次々と入ってくると、正しいかどうかは別として、情報の確度が自分の中でどんどん高まってしまうということなんだそうです。心当たりがありますよね。
記事は相田みつを氏の作品で締めくくってます。「うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる」

人間って醜いですね。
「検査妨害」報道は誤認、感染研が声明…「発言趣旨誤解された」(読売新聞)
何がサイテーって、現場で頑張ってる人の足を「言葉」で引っ張る卑怯な行為。クルーズ船に押しかけた神戸大の先生もそうだけど、不満足な点があっても、あれがあかんこれがあかんと宣伝して物ごとが好転するわけではないです。PCR検査に関して感染研をdisっても検査効率が上がるわけでもない。テレビはそういうのを喜んで垂れ流すからメディアとしてはサイテーだ。報道した結果に責任取るつもりがないのが丸出し。

本日のお酒:若駒 純米 無濾過生酒 + 立山 特別本醸造


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