遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

旅立つ人に

2012-11-10 22:45:47 | 大学生活
今週の実験はどうにも失敗続きで、しわ寄せが金曜の夜から土曜日にグズグズとなだれ込んでしまいました。こういうタイミングでいろいろと入り込んでくる他の用事も・・・。

昔、大学のパラグライダーサークルの顧問やってまして、そのOBとOGが結婚するから当時の仲間だったNチャンから彼らの写った昔の写真がほしいといわれてまして、その締め切りが今日。今週は2003年から4年までの写真の入ったCDをMacで見返して彼らを探してました・・・何千枚あると思ってんだっ!

でも、まあ、こういうめでたいことで作業するのは、悪くありません。彼らの大切な晴れの日をハッピーにするために少しでも足しになるなら、こっちも頑張りがいがあるというもんです。

辛いのは、亡くなったご遺族のためにその人の生前に写っていた画像を探す作業。ホントに辛いです。心が悲鳴を上げます。でもやらなければならない・・・獅子吼のフライヤーは死んだら駄目です。僕が許可しません。

ユーロ札、デザイン刷新 ギリシャ神話王女の透かし(朝日新聞) - goo ニュース
新札です。偽札対策ってことになってますが、ユーロ経済の問題解決にプラスになる措置です。たぶん。
タンス預金を引っぱりだす効果がありまする。しかも表立って言われてませんが、大問題なのは『地下経済』なのです。ギリシャはその3分の1が政府の把握できてない経済活動で、それらがちゃんと課税出来てたならギリシャ危機は起こらなかったはずでした。マフィアの闊歩するイタリアはもちろん、スペインでも『地下経済』の規模は大きく、雇用に関しても所得税を課税出来てない『地下雇用』がどんだけあるか分からんくらいで、失業率の統計も「ほんまかいな?」という状態らしい。電子化してネットに乗せると金の流れはけっこう検出されちまうので、結局のところ現金こそが最強ということらしいので、その現金とやらを変えてしまうという新札発行はジワジワと地下経済にプレッシャーをかける効果がある・・・んだよ。たぶん・・・? 俺は知らんよ。

以前からちょっと聞いてましたが、Nちゃんと先の話しをしました。彼女は会社を辞めて来春からアイルランドへ旅立つそうな。ワーキングホリデーを利用して。心が折れたらすぐに帰ってくるかもしれませんと自重気味に言ってましたが、それもまた一興です。まずは旅立つことです。

ドイツ以外の欧州諸国はどこも経済がガタガタでアイルランドもかなり早い段階で金融バブルが弾けて窮地に陥ってましたが、早い時期だったので南欧ほどの事態にはなってません。やっぱ、バブルは小さいうちに破裂させるに限りますねぇ。でも、まあ、不景気は不景気♪ 治安もそこそこ悪いよ気をつけてくれ。

海外で単身働きながら生活するのはいいことですよ。僕も大学を出て初めて働きだしたのは外国でした。学位は持ってましたが、学んだ学問は酵母遺伝学でして、入った研究室はサイトカインをやってる免疫学の研究室でした。研究者としてほとんど「素手」の状態。自分が何が出来るか、全く言い訳の出来ない場で、結果を示して働ける証拠を見せていかねばそこに居れません。逆にだめだと思えば、こっちから変わっていくことも選択しないといけない。それで、『留学』だというのに所属研究室を途中で変えました。日本に帰るあてなんかなかったですから、ちゃんと履歴書を出し面接を受けて移ったんですよ。日本人留学生の多くは期限限定の『お客さん』でしたが、僕は米国でいわゆる普通の外国人研究者でした。
米国生活で自分の『素』の力をとことん思い知らされました。非力で才能もなく、迷ったり分からなかったり出来なかったりの繰り返しでした。それでも生きていくためには、「○○のことをやるから雇ってくれ」と、相手の目を直視し胸を張って主張しなければなりません。働いて金をもらうことは卑しいことでも恥ずかしいことでもなく、生きるために必要なことなのです。どんなにちっぽけでしょぼくても『プロ』なのです。日本で学生だった自分が『社会人』になるために必要な体験だったと思っています。

日本の大学生の就活風景を毎年見て「完全に間違ってる。これでは彼らは一生『プロ』になれない」と痛感します。それでいて、自分とこの院生が就活で書く文章には手伝ってやったりするんですが。w 俺は日本の大学の『プロ』の先生でありたいと思うからです。学生を社会に出してやれてなんぼのもんです。大学はそのための踏み台でよろしい。

外国で生活すれば、いろんな危険があります。治安的にもありますが、健康的にもあります。個人差がすごくあるんですが、やはり食生活と気候の変化は大きいです。それに出逢ったことのないタイプの細菌、ウィルス、アレルゲン・・・最後の最後、勝敗を決するのは健康だったりします。マジで。医療費バカになりませんし、薬屋に行っても見たこと無い薬ばっかで、箱の裏に書いてある使用上の注意も知らない単語が満載です。だいたい体調が悪くなってからこういうことに遭遇するので対処出来ません。適当に買ってきた薬が効きすぎて「んがぁぁぁぁ~」ってことも・・・まあ一興です。w 水でさえ日本と違いますからね。すんごい硬水です。毎日シャワーなんか浴びたら、肌はボロボロカサカサになりますよ。ケンブリッジ大のドミトリーで宿泊したことがあるんですが、湯沸かしポットの底に白い沈殿がごっそり溜まってました。たぶん、カルシウム塩でしょう。でも、その水で入れた紅茶って、日本で入れたのと全然違って色が鮮やかで香りが豊かなのです。リプトンのティーバッグの良さを英国で理解しました。そんなもんです。

時期がどうなるか分かりませんが、Nちゃんもいずれ日本に帰ってくるでしょう。収支はマイナス。金も時間も費やした分は返ってきません。でも、素のままの自分で生きた経験は一生ものです。自分を守ってきたものを外して、芯の部分が鍛えられて強くなってるはず。もちろん彼の地にも親切な人はたくさんいて、困りきって孤独の中で受けた親切には、心の底から感謝が出来るはずです。口から出た言葉が、仮に"Arigatou"だったとしても、そういう時には必ず通じます。逆に、問題があれば、アドレナリンを大放出して「ここがおかしい。自分はこうしたい。」とちゃんと言葉にして主張出来る人になってなるでしょう。それもとっても大切♪

きっと人間が一周りも二周りも大きくなるはずですが、実際に体重や体脂肪率も一周りも二周りも大きくなってしまいがちです。そっちはそうならないように気をつけてください。(笑) あっちはサーモンが美味いよね♪

本日のお酒:KIRIN 淡麗W + 手取川 吟醸生 あらばしり
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« TPP | トップ | 秋は天候不順 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

大学生活」カテゴリの最新記事