遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

On the Origin of Species

2013-08-01 22:34:08 | 読書
チャールス・ダーウィンの著作・・・いや、長編論文です。19世紀中頃に発表されました。
この3月に退官した上司の本棚からいくつか本をいただきまして、その中のひとつです。そのまた前の上司が退官した時も本をいただきましたが、それぞれに学者としての目指したものというか、夢というか、立ち位置というか、いろんなものが見えてきて興味深いものです。自分は一線をひいた時に、何が残っているんでしょうか・・・・SNSとブログは消去せねば。orz

てなわけで、『種の起原』上下巻を読破したのですよ。ほんとに味も素っ気もない、無味乾燥した文章でして、まじに辛かったです。砂漠でひたすら風紋の数を数えるような作業ともうしましょうか・・・・ま、こんな感じ↓

体制が進歩する傾向の程度について

自然淘汰は専ら、各生物が生存の全期間に曝される有機的および無機的条件の下で有益である変異の保存と累積とによってのみ作用する。終局の結果は、各生物がその条件に関連して層一層改良せられる傾向を持つことにある。この改良はいや応なしに世界通中の大多数の生物の体制を次第に進歩せしめるであろう。しかしわれわれはここにはなはだ込み入った主題に踏み込むのである。というのは博物学者は体制の進歩ということの意味について、未だ互に満足するような定義を下していないからである。脊椎動物では明らかに知能の程度と構造上人間に近づくことが用いられる。いろいろの局部および器官がその胚から成熟に至るまでの発育中に経過する変化の量をもって比較の一標準とするに足りるものと考える人があるかもしれない。

単なるガラパゴス諸島漫遊記だと思っていた君、廊下に立ってなさい。

この書の中で、これでもかっつーくらいに『種』について考察して考察して考察しまくります。遺伝の知識なしにこれをやるもんだから、なんかもう歯がゆいというか、ムズかゆいというか・・・もちろん、このダーウィンの『種の起原』とメンデルの遺伝の法則(の再発見)があって、近代遺伝学が花開くわけでして、布団の中で寝っころがりながら読んでる僕なんかバチあたりもんなのです。正座してありがたく拝読せねばならなかったのです。
最後の語句説明の索引欄まで読み尽くしたんで、許してつかぁさい。orz

話題変わって、厚生労働省が31日に発表した『2010年の市区町村別生命表』の話題。
平均寿命が最も短い市区町村、男女とも大阪市西成区--男女の寿命の差も最大(マイナビニュース) - goo ニュース
平均寿命が一番長い長野県松川村は、最近あちこちのテレビ番組で紹介されてて、何を食えばいいとか、医療がどうとか、明るくにぎやかです。一方で、こういう統計とると当然最下位もあるわけです。申し訳なくて話題にしにくいんですが、マイナビニュースさんは勇者です。最下位は『大阪市西成区』という・・・・

「ああやっぱり」という思ったあなた、校庭3周走ってきなさい。

ちなみに、男の寿命ブービー賞は高知県土佐清水市でした。カツヲ食っててもダメなんかーい! せっかく摂取したDHA打ち消すくらい酒飲んでちゃダメだよ。俺が人様のこといえんけど。orz

本日のお酒:KIRIN LAGER
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